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【スズキ Vストローム250SX 試乗】「SX」のネーミングに納得! 気軽に足を伸ばせる「両刀使い」…佐川健太郎

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【スズキ Vストローム250SX 試乗】「SX」のネーミングに納得! 気軽に足を伸ばせる「両刀使い」…佐川健太郎

スズキ『Vストローム250SX』は、2023年に国内投入された軽量アドベンチャーモデルである。SXとはスポーツクロスオーバーの意味。街乗からオフロードまで幅広いステージで活躍できる守備範囲の広さを表したネーミングだ。スズキの同クラスにはすでに定番の『Vストローム250』があるが、双方の違いにも触れつつSXの魅力を探ってみたい。

◆「SX」のネーミングに納得のスペック&装備
SXには『ジクサー250』系の油冷単気筒エンジンが搭載されている。水冷エンジン全盛の現代において何故に油冷?と思うかもしれないが、実はこれがなかなかの優れモノで、ヘッドまわりにオイルを循環させる新方式を採用。またピストンに特殊コーティングを施すことでフリクションを低らして高回転パワーを引き出しつつ、優れた燃費も実現するなど最新スペックが与えられている。

【スズキ Vストローム250 試乗】もはやアドベンチャーの定番! 250ccにオールマイティーさを求めるならコレ…佐川健太郎

ちなみに水冷並列2気筒のVストローム250と比べてみると、最高出力は26ps/9300rpm(Vストロームは24ps/8000rpm)と単気筒にもかかわらずパワーで上回り、車重も164kg(同191kg)と27kgも軽い。つまり、より軽量でパワフルなのがSXということになる。

見た目的にもだいぶオフロード色を押し出したモデルと言える。マスが集中したスリムな車体の足長スタイルで、Vストロームに比べるとハンドル幅は広く高めでステップ位置も前寄り。シート高も835mm(同830mm)と若干高めだ。加えてナックルガードやスチール製アンダーガードにフロント19インチ(同17インチ)のセミブロックタイヤなど含め、オフロード走行を想定した装備になっている。

一方でハイスクリーンやキャストホイール、段付きのダブルシートと本格的なリアキャリアを備えるなど、タンデムツーリングを快適にこなせる装備も併せ持つ。さらにフル液晶ディスプレイや3列8個に分割されたLEDヘッドライトなど装備にも新しさを感じる。まさにオンとオフの中間的な存在と言えるかも。その意味であらためてSXのネーミングに納得である。

◆安定志向のVストロームと、ひらひら感のSX
さて今回は街中で試乗してみたが、エンジンは瞬発力があって低速から弾けるようにトルクが出てくる。さらに4バルブのショートストロークということで、パリッとした燃焼効率の良さとスムーズな吹け上がりが気持ちいい。実際にパワーでもVストロームを2馬力上回りウエイトも大幅に軽いためか、発進から中間加速に至るまでダッシュ力ではおそらくVストロームを上回っていると思う。また単気筒にもかかわらず、歩くような極低速からでもエンジンに粘りがありUターンでも扱いやすい。

ハンドリングは19インチではあるが、まったり感はなく軽快さが際立っている。Vストロームがねっちりとした安定志向であるのに対しSXはひらひら感が際立つ。ブレーキに関してもABS作動時のキックバックが少なめで、軽量を生かしてブレーキの効きも良かった。

ちなみにサスペンションのフィーリングは、ストローク感をたっぷり取りつつ、ほどよくダンパーも効かせたオン・オフどちらでもいける中間的なセッティングになっている。

ちょっと気になったのがスタンディング時に右足のかかとがマフラーに干渉すること。あまりスタンディングで乗る機会はないと思うが、林道ツーリング派はチェックしてみてほしい。

◆気軽に足を伸ばせる「両刀使い」
アドベンチャーバイクは高速道路を突っ走り道なき道を走破できる万能性が魅力だが、その能力と引き換えに大柄で車高も高く、ややもすると持て余してしまうことも。特にオフロードでハマってしまうと手も足も出ない。かといって完全なオフ車では高速道路が辛すぎる。ライダーの本音としては、もっと気軽に足を伸ばせる冒険マシンが欲しいのではないか……。そんな正直な思いに寄り添ってくれるのがSXだ。

あらためて、SXは街乗りが得意なやんちゃなストリートランナーの顔を持っている。と同時に林道ツーリングもこなせるオン・オフ両刀使いでもある。等身大のアドベンチャーを求めるライダーには是非おすすめしたい。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
ハンドリング:★★★★★
扱いやすさ:★★★★
快適性:★★★★
オススメ度:★★★★★

佐川健太郎|モーターサイクルジャーナリスト
早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。(株)モト・マニアックス代表。バイク動画ジャーナル『MOTOCOM』編集長。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

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