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増えたクルマの変形ハンドル なぜ? 楕円 D型 四角に近いのも その理由・メリットとは

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増えたクルマの変形ハンドル なぜ? 楕円 D型 四角に近いのも その理由・メリットとは

コンパクトからミニバンまで広がる楕円やD型

 ハンドルの形状が楕円だったり、下端部がフラットな「D型」を採用していたりするクルマが増えました。真円に近い形状のハンドルと比べ、回したり戻したりする際に違和感を覚える、といった声も聞かれますが、どのようなメリットがあるのでしょうか。

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 たとえばトヨタでは、2代目および3代目の「プリウス」や、「アクア」などで、やや左右方向に長い楕円形のハンドルを採用しています。古くは2003(平成15)年発売の2代目「ラウム」で見られ、メーターの視認性や、乗り降りのしやすさを高めるものとして紹介されていました。

 近年特に採用が増えているのは、下端部がフラットになったD型のハンドルです。日産がコンパクトカーの「ノート」、ミニバンの「セレナ」、SUVの「エクストレイル」、EV(電気自動車)の「リーフ」まで幅広い車種で共通採用しているほか、スズキも現行の4代目「スイフト」において、3代目の円形ハンドルをD型に変更しました。これについてスズキは次のように話します。

「D型ハンドルは、真円に近い形状よりもスポーティさを表現できます。特に『スイフト』はハンドルをこまめに切るような、スポーティな運転を楽しむことに主眼が置かれており、D型にすることで、ハンドルをどれだけ切ったかを視覚的に認識できます。また、ひざ上からハンドルまでのスペースも広がり、乗降性もよくなります」(スズキ)

 D型のハンドルはもともと、コックピットが狭いレーシングカーで見られたもので、乗用車においては、実用性とスポーティさを両立するうえで採用されることがあるわけです。一方、前出したトヨタ「ラウム」の楕円ハンドルは、誰にでも使いやすい「ユニバーサルデザイン」の観点から採用されており、ともに変形ハンドルではありますが、発想の出発点を異にしていると言えるでしょう。なお、スズキでは「スイフト」以外でD型の採用はなく、今後もモデルごとの検討になるといいます。

「四角っぽいハンドル」メリットは?

 このようなハンドルの変形をさらに推し進めたメーカーのひとつが、フランスのプジョーです。現行モデルの多くで、「小径ステアリング」と呼ばれる小型のものを採用しており、車種ごとに形は多少異なるものの、下端部だけでなく上端部もフラットな、どちらかというと四角形にも見えるハンドルもあります。

 プジョー・シトロエン・ジャポンによると、小径ステアリングは「i-Cockpit」と称する、2010年代以降のプジョー車で共通した運転席の設計思想に基づくものだそうです。

「ハンドルを小さく、上端部をフラットにし、さらに取り付け位置を下げることにより、ハンドル越しではなくハンドルの上からメーターを見ることになります。これにより視線の移動が抑えられるほか、ハンドルに手をかけた際にひじの位置が下がり、リラックスした姿勢で運転できます。もちろん、小径なのでハンドルを回す際に腕の動きも小さくなります」(プジョー・シトロエン・ジャポン)

 一方、このような変形ハンドルを見直す動きも。トヨタは現行の4代目「プリウス」で、楕円から真円に近い形状のハンドルに変更したほか、幅広い車種でD型ハンドルを共通化している日産も、2019年に発売した「デイズ」や「スカイライン」の新型では、これを採用していません。新型「デイズ」においては、女性ユーザーの声を受け、あえて真円に近いタイプのものを新開発して採用したことが、複数のメディアで報じられています。

「『セレナ』などでは、おもに乗り降りを考慮してD型を採用しましたが、操作性も考慮しつつ、クルマの特性やジャンルによりそれぞれ検討しています」と日産は話します。

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みんなのコメント

6件
  • 実車で体験すればわかる。公道で乗る限りメリットは感じない。
  • 昔、モモが発売してたD型ハンドルはめたら丸じゃないとダメと言われて陸運局ではねられたことあるけど、なんでいまはOkなの?

    丸じゃなくてもいいなんて道交法改正全く聞いてない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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