アストンマーティンのフェルナンド・アロンソは、現在42歳、21回目のF1シーズンの真っ只中にある。この長いキャリアを経てきたアロンソは、昔と比べると、今のF1は若いドライバーにとって楽になったと感じている。
2001年にミナルディからF1デビューを果たし、2度タイトルを獲得したアロンソは、F1の進化について独自の視点で語れる立場にある。
45歳でもF1で走ると決めたアロンソのモチベーションをライバルたちが称賛「長く続けてほしい」とハミルトン
技術の進歩により、かつて若いドライバーが直面していた特有の課題の一部が取り除かれたとアロンソは確信し、昔のドライバーたちには、英雄的なスキルと勇敢さが今よりも求められていたと感じているという。
「良い意味で、この世代のドライバーにとって、F1マシンをドライブすることは以前よりも簡単になっている」と、アロンソは『The Times』に語った。
「一方で、以前はもっと英雄視される部分があった。残念という感じではないけれど、僕がデビューしたころ、レースに行くと、敬意が寄せられたのを覚えている。超高速マシンをドライブするヒーローのひとりとして扱われた」
「今では16歳や17歳でデビューする若いドライバーがいて、誰にとっても昔よりは楽になったように思える。そうして、以前はあった英雄的な部分を少しばかり失ってしまった」
F1では長年にわたりデータ活用が増強され、それによって、チームやドライバーのレースへの取り組み方が変化してきた。ドライバーが本能と感覚だけに頼っていた時代は終わった。チームはあらゆるデータを綿密に分析し、マシンパフォーマンスとレース戦略のあらゆる側面を最適化している。
データ主導型のアプローチにより、一瞬の意志決定は束の間の直感だけでなく、綿密な分析に基づいて行われる。またパフォーマンス目標の観点から、F1ドライバーの仕事も合理化されている。
「20年前にF1に参戦した時、エンジニアがマシンについて、僕に何も説明できなかったことを覚えている」とアロンソは語った。「ドライバー自身がマシンの乗り方を理解できるようにならなければいけなかったんだ」
32回のグランプリ優勝経験を持つアロンソは、傑出したF1のデータ主導型環境が、レースの準備にどのような影響をもたらしたかについても語った。
現在は、シミュレーターとデータ分析によってコースに関する豊富な情報が提供されるため、ドライバーは実際のコースに足を踏み入れる前に、バーチャルで数百周を走破できるようになっている。
「(昔は)シミュレーターなんてなかったから、どのコースに行っても前日にそこを歩いて学ばなければならなかった」とアロンソは説明した。
「今のドライバーは準備万端整った状態で臨むことができる。レースをするコースを(シミュレーターで)200周から300周走っているので、すべてのバンプ、すべてのコーナー、すべての縁石を完璧に把握している」
「今のチームは以前よりもずっと洗練されているから、コーナーでのブレーキング、タイヤのウォームアップ、予選の準備、レースでのドライビングまで教えられるようになっているんだ」
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