新春恒例の7時間耐久レースとは
1月14日に富士スピードウェイにて、「2018 FSW第11回新春思いっきり7時間耐久レース」が開催されました。全国からプロやアマチュアのドライバーが参加し、車両もスーパーGTで活躍した純レーシング・マシンやカップカーから、旧車、ファミリーカーまで多種多様のクルマが集結しました。数年前に取材に訪れたメディアの方に「日本にもニュルがあった」と言わしめたレースです。レースのルールは主催者の大沼プランニング代表の大沼が考え出したもので、2000年に初めてスポーツランドSUGOで開催してから全国のサーキットでも取り入れられようになり、ドライバー交代時に車両を交換してトランスポンダを付け替えて走行ができるというものです。リスクは自分持ちで、スプリント仕様の車両でも耐久が楽しめるというものです。
今年もポルシェ997GT3RやアウディR-8 LMS ultraなどのスーパーGT参加マシンから、グンペルト・アポロ、ランボルギーニ・アヴェンタドール、BMW、アルファ・ロメオ、ケーターハム、ルノー、ランチアなどの外車勢に、R35 GTR、Z3Z、86、BRZ、NSX、レクサス、S2000、シビック、インテグラ、ロードスターなどの走りを楽しめる国産勢も含め270台余りがエントリーしました。ドライバーは400名を越えており、影山正美選手や上村優太選手、一ツ山レーシングの面々に、かつてGr-A・F3000で活躍した川本 篤選手はこのレースの常連です。他にもS-GTやS耐でよく見るドライバーも数多く参加し、アマチュアのドライバーのチームにプロのドライバーがサポートにまわっているのも特徴です。このレースに参加することで、レースの楽しさに目覚め、公認のレースにステップアップするドライバーも多いのです。
クラス分けはスリック・タイヤ使用車が「R-1」、レースカー仕様でもSタイヤまたはラジアルタイヤを履くと「R-2」、2700cc超でSタイヤを使用するナンバー付き車両は「NS-1」、2700cc以下のSタイヤ使用のナンバー付き車は「NS-2」、2700cc超のラジアルタイヤ使用のナンバー付き車は「NR-1」、2700cc以下のラジアルタイヤ使用のナンバー付き車は「NR-2」の6クラスに区分されています。
レースは6クラスに区分
当日は最低気温-4度と低いものの富士山には雲ひとつかかってない真っ青な快晴の絶好のコンディションの下、7時間のバトルが繰り広げられました。参加者は朝5時のゲートオープンと同時に入場し、受付を済ませた後、車検場で専門スタッフによる車両の検査を受けますが、それはまさに公認レースさながら。その後に出走ドライバー全員参加してのドライバーズ・ブリーフィングが行われルールなどが説明されました。
8時からはウォーミングアップ走行開始。グリッド順3組に分かれ15分ずつ、車両のチェック走行が行われました。9時からスタート進行開始となり、グリッド整列のためのコースイン開始です。スタートを任されたドライバーが装備の準備を整えて次々とピットを離れグリッドへ移動します。この時はチームスタッフもグリッドへの入場することができ、記念撮影などを楽しんでおりました。
9時15分になるとフォーメーションラップ開始5分前。チームスタッフはグリッド上から退去の指示がありドライバー以外は退去となります。グリッド上にはスタートドライバーが残り緊張の中、エンジン始動の合図を待ちます。
エンジン始動の合図が出され、9時20分グリーンフラッグと共にセーフティカー先導によるフォーメーションラップ開始です。気温及び路面温度が低いのでフォーメーションラップは2周回行い、参加車はタイヤを暖めようとウェーブしながら走行します。
2周目を終えセーフティカーが退くとグリーンランプが点灯。7時間先のゴールを目指して決勝の火蓋が切られました。オープンニング・ラップの1コーナーはダンゴ状態ながら混乱も無くクリア。その後も順調に周回を重ね、大きなトラブルもなく序盤から中盤へと経過します。最初の1時間は一昨年の覇者、チーム風の会が昨年の覇者であるPCJ Kansaiに0.6秒の差で首位をキープ、その後2時間目には1周リードし3時間経過時にはその差を3周まで広げるものの4時間目には同ラップに。そして6時間経過時にはPCJ Kansaiが11秒の差で逆転するも、チーム風の会が再度逆転し31秒の差で逃げ切り1年ぶりに優勝を勝ち取りました。
トップは193周してフィニッシュ
途中停止車両の回収によるセーフティカー導入となりましたが、短時間の作業でレースは再開。その後レースは進行するも二度、三度と同様のトラブルやオイル処理作業が発生し、たびたびセーフティカーが導入されます。車検時に細かくチェックしても、万全な整備を行っても予期せぬトラブルでオイル漏れも発生します。オイル処理後レースが再開され、終盤まで大きな混乱も無く、順調に周回を重ねます。
16時30分のゴール時刻を迎える頃になるとサインエリアも賑わい始めます。我がチームのゴールシーンを見届けようとクルーが集まります。16時31分過ぎ、総合トップ#25号車 チーム風の会が193Lapを走り切ってチェッカーを受けました。総合1位と2位の差は7時間を戦っても僅か31秒でした。「R-2」クラスはGulf TS恵比寿1号車が優勝、総合でも3位に食い込んだ。「NS-1」クラスは「NS-2」クラスから上級クラス挑戦となり、ケーターハムでポルシェに挑んだセブンスターズ・レーシングが185Lap走行し2位スペックスに同ラップで1分20秒の差をつけ優勝しました。「NR-1」クラスは今大会初参加のタツレーシングWith Arios & Carrapが186ラップを走り、ラジアルタイヤながら総合でも4位にはいる大健闘をみせてくれました。「NR-2」クラスはロータス・エリーゼと2-イレブンで安定した走りのアリコ・レーシングが今回も優勝しました。
レース後、ブリーフィング・ルームで正式表彰式が行われました。各クラス3位までのチームに正賞や大会スポンサーから協賛品が贈られ、2018年の始まりを飾るFSW新春思いっきり7時間耐久レースは無事に終了いたしました。初開催から11年目を迎え、沢山の方々に支えられ開催してまいりました。気の合う仲間と7時間レースを仲間と共有できることや、気軽に参加できるというのが、このレースの面白さ、楽しさではないでしょうか。
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