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運転すれば喜びの沼 アリエル・アトム 4R 容赦ない速度上昇 タイプR用4気筒で405ps

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運転すれば喜びの沼 アリエル・アトム 4R 容赦ない速度上昇 タイプR用4気筒で405ps

シビック・タイプR用4気筒で405ps

クルマへ詳しくない人がアリエル・アトム 4Rを初めて見たら、どんな反応を示すだろう。未完成のまま、高速ですっ飛んでいったと驚くかもしれない。そもそも、アトムは年間数10台しか生産されていない。

【画像】運転すれば喜びの沼 アリエル・アトム 4Rとノマド R 競合のスパルタン・スポーツも 全130枚

この「4R」は、グレートブリテン島の南西部、サマセット州の小さなワークショップで完成した、サーキットも公道も得意な最新モデル。通常のアトム 4と同じく、4Rのリアにそびえる大きなウイングはオプションとなる。

トラス構造のパイプフレームから突き出る、サイドポンツーンは標準装備。最高出力を355psから405psへ高めた、2.0L直列4気筒エンジンの冷却へ必要な装備らしい。

左側には、追加のラジエターが隠れている。これにより冷却能力を55%も高めたという。右側には、吸気を冷やすインタークーラーが隠れている。

その結果、ホンダ・シビック・タイプR用のターボユニットから、400馬力以上を引き出すことを可能としている。最大トルクは50.9kg-mと、排気量からは想像できない太さがある。

トランスミッションは、オプションだが、クワイフ社製の6速シーケンシャル・マニュアル。エア圧で作動し、1秒以内に5段も変速が可能だという。シフトダウンもシフトアップも、フルスロットルのまま受け付けてくれる。

スーパーカー以上の一体感と陶酔感

それに負けないくらい、ブレーキも強力。アンチロックブレーキの効きは12段階に設定できるというが、最もロックしにくくしても、巨大な何かに掴まれたかのように速度が落ちる。リアアクスルには、機械式リミテッドスリップ・デフも組まれる。

トラクション・コントロールも介入度を調整でき、ターボブースト圧は3段階に変更可能。405psを得るには、最も高める必要がある。

オプションとして、カーボンファイバー製ホイールとカーボンセラミック・ディスクブレーキを組める。通常のアイテムより、26kgもバネ下重量を削れるそうだ。

徹底的にこだわり抜かれた内容なだけに、価格はお安くない。英国ではベース状態のアトム 4Rで、7万7940ポンド(約1411万円)のプライスタグが付いている。

ちなみに、カーボンセラミック・ブレーキは5820ポンド(約105万円)。6速シーケンシャルMTを組むには、1万3500ポンド(約244万円)を上乗せしなければならない。試乗車は、14万ポンド(約2534万円)に達していた。

それでも価格価値は極めて高く、ランニングコストは低く抑えられる。同じくらいエキサイティングで特別なスーパーカーの半額といって良いだろう。お望みなら、走行距離5000kmの中古車が、約10万ポンド(約1810万円)で売りに出ている。

実際、並み居るスーパーカー以上の一体感と陶酔感を、アトム 4Rで謳歌できる。端的にいって、最高のドライバーズカーだ。

運転すれば喜びの沼 驚くほど乗り心地は良い

路面状態の良くない環境で開発されたスポーツカーは、往々にして素晴らしいバランスへ仕上がる。英国で生まれた4Rも、その1台に当てはまる。

古くからのAUTOCARの読者ならご存知かもしれないが、ベースとなったアトム 4は、2019年と2020年の英国ドライバーズカー選手権(BBDC)で優勝している。この4Rは、その能力のバランスを保ったまま、強化されている。

サスペンションのダンパーは、オーリンズ社製。フォーミュラカーのようにプッシュロッドで動き、専用の内部バルブが組まれている。

ウイッシュボーンの断面を空力特性へ最適化させつつ、キャンバー角を簡単に調整できる仕様にアップグレードもできる。オプションで。もっとも、パイプフレームが露出したボディであることを考えれば、効果は限定的だろう。

スプリングは、ロード/トラック(サーキット)仕様と、トラック専用の2種類から選べる。試乗車には、前者の柔らかいものが巻かれていた。

かくして、アトム 4Rの運転は喜びの沼。車重が700kgを切るようなモデルは、ケータハムを除いて、この世にほぼ存在しない。引き締まった姿勢制御のために、ハードなスプリングやダンパーは必要ない。

そのお陰で、4Rは乗り心地が驚くほど良い。不快な振動や突き上げ感は皆無に近い。

背中を蹴られるような容赦ない速度上昇

アトム 4では叶えられなかったペースで、4Rは疾走する。ブースト圧を最高のレベル3にし、トラクション・コントロールをオフにすると、恐ろしさを伴うほど速い。フロントノーズの向きも、アクセルペダルの加減で自在といえる。

ステアリングホイールには適度な重さがあり、ダイレクトでコレクト。豊かな感触が、手のひらへ伝わってくる。ペダル類の重み付けも理想的。コーナーではブレーキを引きずりながら姿勢を落ち着かせ、狙ったポイントから正確にダッシュを決められる。

シフトアップ時に、加速は瞬間的に鈍る。ギアが繋がると、タービンの悲鳴とともに、即座に容赦ない速度上昇が繰り返される。背中を蹴られるような勢いで。

最高速度は273km/hがうたわれる。だが、180km/h程度でもドライバーは激しい気流へ向き合うことになる。

シーケンシャル6速MTは、シフトダウン時にクラッチペダルを踏む必要はない。だが、あえて左足で押し込み、右足でブリッピングしながらタイミングを図る動作も楽しい。

高性能化された過去のアトムは、数少ないながらも、速さを求める中で喜びが多少犠牲になっていたところがあった。しかし、4Rは違う。何も失うことなく、更なる興奮へ浸ることを可能としている。

アリエル・アトム 4R(英国仕様)のスペック

英国価格:7万7940ポンド(約1411万円)から
全長:3520mm
全幅:1880mm
全高:1122mm
最高速度:273km/h
0-100km/h加速:2.7秒
燃費:8.9km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:700kg
パワートレイン:直列4気筒1996cc ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:405ps
最大トルク:50.9kg-m
ギアボックス:6速シーケンシャル・マニュアル(後輪駆動)

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みんなのコメント

7件
  • エコロ
    他社がせっかくの素晴らしいエンジンを活用しているのに、
    ホンダは何をやっているのかね。。
  • vtr********
    これで1400万は安いな。
    私には買えないけど。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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