ルノー・ヒストリックが競売に
2022年10月18日から一般公開が始まったモンディアル・ドゥ・パリことパリ・モーターショー。
【画像】ルノー・ヒストリックカーなど【出品された名車たち】 全23枚
市内では同時多発的に、「パリ・オートモーティブ・ウィーク」の枠組みで自動車に関するさまざまなイベントが開催されている。
週末にその皮切りとしてシャンゼリゼ通り近くでおこなわれたのが、アールキュリアルによるヒストリックカーのオークションだ。
アールキュリアルはレトロモビルの公式オークショネアでもあり、70年代にBMWへアートカーの企画をもち込んだ画商で元レースドライバーのエルヴェ・プーランが競売人を務めることでも知られる。
これまでも有名なプライベート・コレクションから珠玉の個体を引き出してきたが、今回はルノー・ヒストリックから、数百台におよぶヒストリックカーの一部を競売にかけることになった。いわば公式のお蔵出しだ。
名車が出迎え 癖ある出品車両
車両展示の会場となったのは、シャンゼリゼ通りとモンテーニュ通りが交わるすぐ脇、アールキュリアル本社の駐車場。
普段は地下駐車場へのアプローチ通路となるスロープからレッドカーペットが敷かれ、サイズの関係もあってイセッタやムルティプラ、ヌォーヴァ500Dトランスフォーマブルという、リアウインドウまで畳めるタイプの希少なキャンバストップ仕様が出迎えてくれた。
もちろんすべて、競売にかけられる売り物の個体で、その日午後にイセッタから順に、1万3112ユーロ(約190万円)、2万8608ユーロ(約415万円)、1万9688ユーロ(約285万5000円)でそれぞれ落札された。
スロープの奥には英国のミドルウェイト・ロードスター3台、ローバー時代のMG RV8と1961年式MG-Aツインカム、そして1959年式オースチン・ヒーレー3000 Mk.Iが3すくみで並べられていた。
それぞれの落札値はRV8から順に、4万1720ユーロ(約605万円)、4万528ユーロ(約588万円)、7万328ユーロ(約1200万円)だった。
大抵、競売前に公示される落札予想値の下限は約6割ほどの価格から始まることが多く、安いからと入札するつもりのなかった入札者を増やして、コールを釣り上げてもらう意図がある。
しかし上に挙げた中で、ヌォーヴァ500以外は落札予想値幅の上限を超えることはなかった。
今回の競売車のセレクトはレアなモデルは無論、一部を除けばほぼエンジンにひと癖あり、しかもシリーズ中でもなるべく強大なスペックのパワートレインを積んだモデルが優先的にフィーチャーされたことは明らかだった。
メルセデスの190シリーズならエボI、ベントレーの新しいコンチネンタルならW12エンジンのスピード、といったロジックだ。
ポルト・ドゥ・ヴェルサイユにおけるモーターショーの方では、EVが主役になるであろうことを見越してのカウンター采配ともいえる。順当というよりはやや低調の気すら感じられた。
ルノー・ヒストリックは失速
その一方で会場の入り口すぐ、今回のオークションの華を担ったクラシック・エキゾチックの2台、グリーンの1974年式フェラーリ365GTB4デイトナは87万160ユーロ(約1億2600万円)、赤い1969年式ランボルギーニ・ミウラSは141万6000ユーロ(約2億532万円)と、落札予想の上限をわずかながら上まわった。
他にも予想をわずかに上まわる値をつけたのはディーノ246GTSの44万1040ユーロ(約6400万円)で、ポルシェ911はむしろ落札予想幅の中間ほどで落札が熱を帯びることはなかった。
数年前の過熱ぶりを思うと、明らかに風向きが変わりつつある。
そうした中で、競売を迎えたルノー・ヒストリック・コレクションだが、まず1991年シーズンのF1用V10エンジン、RS3の展示用モデルというのに、驚きの6万5560ユーロ(約950万円)の値付けがなされた。
予想落札値は、3000~6000ユーロだったにも関わらず、だ。
続いては今回、ルノーの放出モデルの中で目玉といえた、1993年式のクリオ・ウィリアムズだった。
新車登録時からの唯一オーナーがルノー本体で、走行距離はたったの3万1000km。
もちろんサーキットその他のイベントなどで使われ、ラニョッティが何度も横向きに滑らせていた個体そのものに違いないが、整備コンディションは当然、完璧といえる低走行車だ。
予想値は2万5000~4万5000ユーロだったところ、なんと最終的に7万3904ユーロ(約1072万円)という、当初予想より7割近いプレミアムが付いたのだ。
やはりホットハッチはルノー、および現アルピーヌの体制に引き継がれた旧ルノー・スポールの金看板として安定した評価が与えられたといえる。
ただし、ルノー・ヒストリックの競売は失速して、やや尻すぼみ気味となった。
2011年のルノー4の誕生50周年の際に、ルノーがモンテカルロ・ヒストリック仕様に仕立てあげ、今もそのままでヒストリック・イベントに出られるはずのR4は、1万5000~2万5000ユーロ幅の予想だったが、1万9072ユーロで決着。
V6仕様のアヴァンタイムや16TXといった市販モデルは、ルノー本体によるメンテナンスやレストアが施されているにも関わらず、それぞれ2万8608ユーロ(約415万円)、1万7780ユーロ(約260万円)と、ユーズドカー市況に近い価格で落札された。
むしろ目に見えるプレミアムが付いたのは、2013年のコンセプトカーでF1のイメージをフィードバックしたトゥイジー・スポールF1で、予想上限の3万ユーロから+25%となる3万8144ユーロ(約553万円)でハンマープライスとなった。
やはりルノー・スポールF1のノウハウやイメージが注入されているモデルの強味といえる。
逆に、ドイツのチューナー、ハルトゲの手によるツインターボユニットを積み、計806台しか生産されなかったサフラン・ツインターボは希少性にも関わらず、2万~3万ユーロの事前予想レンジになんとか届く2万2648ユーロ(約328万5000円)での落札となった。
相場右肩上がり時代に陰り?
ちなみに今回のアールキュリアルの競売で、事前予想落札値からもっとも大きく最終落札値が跳ねたのは、1974年式VWコンビTI 1600。
9シーターでサンルーフとラック付き、アッパーウィンドウを含めれば23もの窓を備え、しかもレストアを昨年済ませたばかりの個体だ。
予想落札値の5万~7万ユーロから最終的に付けられたプライスはなんと、19万2852ユーロ(約2800万円)。
当初の中央値から3倍以上もの高値に到達したのだ。
先述のディーノ246GTSに対する296GTSもそうだが、ID.バズがいよいよデビューを控えている以上、直近で系譜の繋がりやすいニューモデルがあると、やはりヒストリックカーの価格動向も高々と跳ねる傾向は否めない。
もう1ついえるのは、オークション相場が右肩上がりだった時代は、欧州でも確実に終わり始めたということだ。
例えばルノーのコレクションではないが、1959年式ルノー・フレガートのカブリオレ、DSのオープンボディ製作でも知られるアンリ・シャプロンが手がけたコーチワークで、たった3台しかつくられなかったうちの1台という希少性にも関わらず、予想落札値の下限だった8万ユーロにごく近い、8万4632ユーロ(約1230万円)で決着した。
最終的に競売が成立せず取り下げられた個体も少なくなかった。
ただし、もしかして今回は小手調べなのかもしれない。つまり今後もルノー・ヒストリックがコレクションを整理することがあれば、EVモデルの登場と軌を同じくして、5ターボやサンク・アルピーヌの元ワークスカー、貴重なスポーツモデルが出てこないとも限らない。
オンラインでも競売への登録と参加は十分可能なので、円安の追い風は期待できないにせよ、その時を待ってみたい。
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