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WRCを現地で見守った豊田章男チーム総代表が“異例”のコメント発表。ル・マン連覇にも言及

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WRCを現地で見守った豊田章男チーム総代表が“異例”のコメント発表。ル・マン連覇にも言及

 6月13~16日に行われた2019年WRC世界ラリー選手権第8戦イタリアを現地で見守ったTOYOTA GAZOO Racing WRTの豊田章男チーム総代表がコメントを発表。総合首位を快走していたオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)のトラブルには「私も言葉を失いました」と明かした。また“追伸”として、ル・マン24時間とWEC世界耐久選手権を戦ったチームにもコメントを贈っている。

 ラリー・イタリア・サルディニアでは、20秒以上の大量リードを築いて総合首位につけていたタナクが、最終ステージでステアリング系トラブルに見舞われ失速。目前に迫っていた勝利を手にすることができなかった。

ル・マン24時間は残り1時間でまさかの逆転劇。一貴組8号車トヨタが連覇。7号車は一瞬のタイヤトラブルに泣く

 また、下位カテゴリのWRC2では、トヨタの育成ドライバーである勝田貴元(フォード・フィエスタR5)がクラス首位で競技最終日に臨んだものの、エンジンから出火するアクシデントがあり、リタイアを余儀なくされた。

 これまで「優勝という結果ではない時にこうしたコメントは今まで出したことがありません」という豊田章男チーム総代表だが、「今回は、伝えたい想いがあり」、異例のコメント発表となったという。

 また、今回のコメントでは“追伸”として、同じ週末に開催されていたル・マン24時間レースを戦った中嶋一貴や小林可夢偉、フェルナンド・アロンソなどドライバー、チームへのコメントも発表されている。

 豊田章男チーム総代表のコメントは以下のとおりだ。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 

WRC第8戦ラリー・イタリアは最後の最後でとても悔しい結末を迎えてしまいました。

タナク選手、ヤルヴェオヤ選手が私を再び表彰台に連れていってくれようとしていた気持ちを感じていただけに、最後のステージでのスローダウンに私も言葉を失いました。しかし、一番辛い思いをしているのは、ドライバー、コ・ドライバーの本人達だと思います。最後まで走り切らせてあげられなかったこと本当に申し訳なく思います。そして、戦いを見守っていただいたファンの皆さまにも申し訳ない気持ちでいっぱいです。

優勝という結果ではない時にこうしたコメントは今まで出したことがありません。しかし、今回は、伝えたい想いがありコメントを出させていただきます。今回、イタリアの現地に来て、みんなの戦いを見れたことには大きな意味があったと思っています。

貴元はリタイアの後、私に申し訳ないと言ってくれました。決して申し訳ないことはないと思っています。私が見たいのは、貴元がヤリスに乗って表彰台に立つ姿です。その日のために、今日の経験を力に変えてください。

クリスは私にヤリスは乗っていて気持ちのいいクルマだと言ってくれました。嬉しかったです。気持ちよく走りきり、結果に結びつく日が楽しみになりました。

ヤリ-マティは私に今度こそ、良い結果を届けると言ってくれました。ヤリ-マティの苦しんでいる姿も多く見ていただけに、彼にも良い結果がもたらされることを本当に願っています。

そして、オット…彼がクルマから降りてきた時のやりきれなさそうな表情は忘れられません。しかし、その後、彼は、メカニック1人ひとりと抱き合い、チームのみんなの悔しさと向き合ってくれました。その姿に心を打たれました。なんとしてもオィットを、そして8号車の仲間達をチャンピオンにしてあげたいと心の底から思いました。私に今できることは、ヤリスを“もっと強いクルマ”そして“もっと安心して走らせ続けられるクルマ”にすることです。トミと共に、なんとしてもやり遂げます。

皆さま、これからもTOYOTA GAZOO Racing WRTを応援していただければと思います。よろしくお願いいたします。

追伸

一貴、ゴール後に涙しながらコメントをする君の姿を見ました。チームメイトを想う君の気持ちに感動した。ありがとう。WECのチームは本当に良いチームになってくれたなと思ったよ。可夢偉君には、また悔しい想いをさせてしまった。自分のことのように悔しい…。一貴、可夢偉、2人の気持ちを、しっかりと受け止めて、もっと強いチーム、もっといいクルマを目指すことを誓う。

セブ、フェルナンド、一貴、マイク、ホセ、可夢偉、6人は本当に素晴らしいチームだったと思う。みんな、2年連続のワンツーフィニッシュをありがとう!

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team
チーム総代表 豊田章男

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