現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 『JTCCニッサン・サニー』ニューツーリングへのもうひとつのアプローチ【忘れがたき銘車たち】

ここから本文です

『JTCCニッサン・サニー』ニューツーリングへのもうひとつのアプローチ【忘れがたき銘車たち】

掲載 更新 8
『JTCCニッサン・サニー』ニューツーリングへのもうひとつのアプローチ【忘れがたき銘車たち】

 モータースポーツの「歴史」に焦点を当てる老舗レース雑誌『Racing on』と、モータースポーツの「今」を切り取るオートスポーツwebがコラボしてお届けするweb版『Racing on』では、記憶に残る数々の名レーシングカー、ドライバーなどを紹介していきます。今回のテーマは、JTCCに参戦したニッサン・サニーです。

* * * * * *

『トヨタTS010』約30年前に繰り広げられたトヨタ VS プジョー【忘れがたき銘車たち】

 ニッサンが誇る大衆車、SUNNY(サニー)。サニーは、モータースポーツにおいても1970年代から重宝された車両だ。特にB110型や310型は、マイナーツーリングや富士フレッシュマンレースなどで、長きに渡って多くのファンから愛されたモデルだった。

 しかし、サニーとしては最後のFRだったB310型以降、なかなかメジャーなサーキットレースの舞台では活用されずにいた。だが1994年、B14型が2.0リッター4ドアセダンによるツーリングカーレースとして新たにスタートしたJTCC全日本ツーリングカー選手権にデビュー。ふたたびサニーがサーキットレースへと返ってきた。

 ニッサンはJTCCに向け、BTCC英国ツーリングカー選手権でも実績のあったプリメーラを開幕戦から投入していたが、シーズン終盤に新たにサニーでの参戦もスタートした。

 サニーは、JTCCなどと同規定で争われるアジア-パシフィック・ツーリングカー選手権を視野に入れて開発された。ニッサンに委託されたニスモが主導し、ニッサン系ユーザーが使用することを狙いに車両価格、信頼性、メンテナンス性など、走らせやすさと扱いやすさを考慮された。いわばワークス仕様だったプリメーラよりも手軽なニューツーリングカーとして生み出されたクルマでもあった。

 サニーをベース車両としたのは、プリメーラよりも軽量コンパクトであることに加え、前面投影面積が小さいために空力性能が有利になるだろうという思惑もあった。実際に車両重量に関しては、規定重量と比較し、30kgも軽く仕上がったという。

 サニーが初陣を迎えたのは1994年の第11戦、12戦 TIラウンド。このデビューレースでは後方に沈んでしまったものの、雨のなかでのサバイバルレースの様相を呈した第13戦、14戦筑波ラウンドでは躍進を果たす。第13戦で1台が4位、第14戦では参戦した2台が2、3位に入りダブルで表彰台を獲得する活躍を見せた。

 翌1995年には、前年車の反省点であった重心の高さをを是正すべく、20~25mmほどの車高ダウンに成功。その改良の効果もあってか、第9戦、10戦のMINEラウンドでは第9戦で初優勝を遂げた。

 第13戦、14戦の仙台ラウンドでもシュニッツァーのBMW勢と2レースともに激闘を繰り広げて、第13戦では2位、第14戦では3位表彰台を獲得するなど、さらなる好成績を記録した。

 しかしサニーは、有利になると目されていた車体サイズのコンパクトさからスペースに余裕がなかったことや、特徴ともいえたリヤのマルチリンクビームサスペンションがレーシングカーとして仕立てるうえで接地性に難があったことなど、問題点も多かった。

 さらに、1995年にサニーの熟成に携わっていたニスモが1996年はニッサンの要請でP11型プリメーラの開発を担当するようになった事情もあり、サニーは1996年の中盤戦を持って、JTCCからは姿を消すことになってしまった。

 JTCCというレースは、メーカーの競争が過激化していったこともあり、日本ではニッサン系のプライベーターなどに使われることはないまま終わってしまったが、ニスモの手腕もあり、サニーは初期JTCCにおいて、プリメーラと同等かそれ以上ポテンシャルを持つレーシングカーとして存在感を放った1台であった。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
AUTOSPORT web
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
Auto Messe Web
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
AUTOSPORT web
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
Auto Messe Web
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
乗りものニュース
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
レスポンス
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
AUTOSPORT web
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
motorsport.com 日本版
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
くるまのニュース

みんなのコメント

8件
  • JTCCが華やかだった頃、まだ日本の小型セダン市場も活気がありましたね。
    プリメーラやサニーだけでなく、カローラやコロナ、エクシヴなどがサーキットを疾走していたシーンが懐かしく思い出されます。
    セダンは運転が楽しくてかっこいい、そう胸を張って乗れる車が少なくなってしまったのは寂しいですね。
  • この型のサニーってトーションビームだったよね。別にいいけど
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

122.7186.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.9458.0万円

中古車を検索
サニーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

122.7186.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.9458.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村