MotoGPに参戦するグレシーニ・レーシングには、2024年のライダーとしてマルク・マルケスが加入。創設者である故ファウスト・グレシーニの妻で現在チームを率いているナディア・パドヴァーニは、マルケスを迎え入れたことがすでにチームにとって勝利だと語っている。
MotoGPクラスで6度、他クラスも含めると通算8度の世界王者であるマルク・マルケス。まさに超大物なライダーが、サテライトチームのグレシーニへの移籍を昨年10月に発表したことは、近年のMotoGPの出来事の中でも最大級の驚きをもたらした。
■マルケス「ドゥカティですぐに勝てる……なんてフリはできない!」復活に向け高まる期待に釘を刺す
ファクトリーチームよりも注目を集める存在となったグレシーニは、1月20日にチーム体制発表会を実施。そこでグレシーニカラーのスーツを身にまとったマルケスが初めて姿を見せた。
パドヴァーニは発表会に登壇すると「私達チームはもう勝ちました」と口にした。
「インディペンデントチームとして、8度の世界チャンピオンのライダーを迎え、(弟のアレックス・マルケスと合わせて)タイトル10個が私達のチームにあることになります。これほど重大なことを成し遂げるとは、想像もしていなかったことです」
そしてパドヴァーニはマルケスとの契約は一時は諦めかけたときもあったと内情の一端を明らかにした。
「連絡があったんです」
「ただマルクはホンダとの契約がありましたし、手放すのは簡単なことではありませんでした。私達は彼のことを待ちたいと考えていたのですが、10月になってもその希望は僅かなモノとなっていました。ですが私達はそのつながりを強く待ち続けました」
「スタートしたいという気持ちが、プレッシャーをはねのけてくれます。ふたりのライダーと一緒にコースに向かうのが待ちきれませんから。今年、私達がどこへ向かえるのか、確かめるのが楽しみです」
なおマルケスはグレシーニとの契約の決断について「非常に難しい決断だった。だから長い時間がかかってしまった」と語る。
「僕はトップ5やトップ6を争えると感じている。キャリアを長く続けるためにもこの決断を下したんだ」
「ホンダに留まればもっと楽だっただろう。プレッシャーも少なく、お金だってよりたくさん貰えたはずだ。でも、それは目標じゃなかった」
「ホンダには本当に感謝している。繰り返しになるけど、僕らの道が将来また交わることを願っている」
パドヴァーニは2024年シーズンにマルケスがタイトルを争うことを期待していると明らかにしている。マルケス自身は控えめな発言も残しているが、こうしたチーム側からの期待は当然のものだとも語った。
「まったく普通のことだね」
パドヴァーニの見解について、マルケスはそう語った。
「グレシーニがライダーと契約するというのは、相手が競争力を発揮できると考えたからだ。さもなければ、彼らは僕を迎え入れなかっただろう。彼らは大きなリスクを負い、僕の決断を10月まで待ってくれたんだ」
「そういったリスクを負ってくれたのは、僕が競争力を発揮できると考えてくれたから。それは普通のことなんだ。僕も上手くやりたいと思っているけど、落ち着いたアプローチで向かいたい」
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