“アルティメットスポーツ”の未来やいかに?
環境規制の端境期にあり、世代交代の節目を迎えているバイク。ラインナップに大変動が起きるのは必定だ。そこでヤングマシン創刊48年の知恵とカンをベースに、願望&妄想も織り交ぜながら、バイク未来予想を導き出してみた。本記事ではパワードマシンが規制時代を生き抜く手法=大排気量化/過給機搭載を取り入れた、ハヤブサ、エリミネーターH2、VMAX/LMWについて予想する。
ミドルスーパースポーツの近未来もハイスペック最終章!? CBR600RR|YZF-R7予想
パワードマシンで他では味わえない加速を楽しむ
メガスポーツやドラッガー系の持ち味である豪快なビッグトルクは、実に魅力的だ。しかし個性を堅持しつつ、強化される規制をクリアするには対策が必要。それが「大排気量化」と「過給機」だ。まず前者は、昔ながらの王道で、排気量を上げるほどパワーは増大する。規制でパワーダウンしたとしても、その分を排気量アップで補うことができるのだ。現にハーレーの大排気量化が進んでおり、’20年にはBMWから1800ccのR18が投入される。
―― ’20年に市販化されるR18のボクサーツインは空冷OHVという往年の機構ながら、同社史上最大の1800ccと最新技術で規制をクリア。
動向が注目されている次期ハヤブサに関しても、従来の1340ccユニットを改良するとヤングマシンでは予想。また剛力モデルとして名高いヤマハVMAXが、前2輪+後1輪のLMWとして復活する噂があり、規制対応のために排気量アップの可能性も。ここは当然、新型二輪版もお願いしたい。
過給機については、排気量を抑えつつパワーを絞り出せるため、ダウンサイジングできるのが利点。現在は唯一、二輪車用スーパーチャージャー(SC)を市販するカワサキの独壇場だ。SCを搭載したエリミネーターの復活を推したい!
スズキ HAYABUSA:正常進化型でいよいよ’21発進か?!
次期型が最も待望されているマシンのひとつがハヤブサだ。3代目はターボ化の噂もあったが、従来型を基盤に自然吸気のままで進化と予想。GSX-R1000で培った電子制御スロットルやIMU&コーナリングABSなどの電脳を与え、新作フレームで軽量化を果たすと思われる。またセミオートマも期待できるが、“アルティメットスポーツ”の根本は変わらないだろう。スズキ創立100周年の’20年に発表し、’21年発売となる?
―― SUZUKI HAYABUSA[予想イメージCG]
【ベース車両:’18 スズキ ハヤブサ】豪快な加速と優れたハンドリングが魅力。国内や欧州では’18年型でラストとなったが、独自の規制を敷く北米は今も継続販売中だ。
―― ■水冷4スト並列4気筒 1340cc 197ps 266kg(装備) ●当時価格:176万400円
【ライバル:カワサキ ニンジャ H2カーボン】ハヤブサと覇を競った自然吸気1441ccのZX-14Rは終了。今後はスーチャーで怒濤の231psを誇るH2がライバルとなる。
―― ■水冷4スト並列4気筒 998cc 231ps 14.4kg-m 238kg(装備) ●税込価格:363万円
カワサキ エリミネーター H2:エリミ・ブランド復活の噂あり。ここは是非ともスパチャで!
H2に端を発するカワサキのスーパーチャージャー(SC)モデルが勢力を拡大中。’20年春に登場したネイキッドのZ H2に続くSC第4弾として、クルーザーを妄想してみた。抜群に似合う元ネタがエリミネーター。旗艦は900cc水冷直4を積む異色作だったため、H2のユニットを搭載しても全く違和感がない。そしてドラッグレーサー風スタイルとSCの親和性は最高! VMAXなき今、ぜひ欲しい筋肉系クルーザーだ。
―― KAWASAKI Eliminator H2[予想イメージCG]
【ライバル:トライアンフ ロケット 3R】二輪量産車最大の2.5Lエンジンを搭載する怪物。’19年に登場した限定仕様が、’20年に通常モデルとして登場した。
―― ■水冷4スト並列3気筒 2458cc 167ps 22.5kg-m 318kg(装備) ●税込価格:265万3000円
ヤマハ VMAX/LMW:三輪とともに二輪版復権も熱望
’17年で殿堂入りしたプレミアムドラッガー・VMAXをベースにしたLMW(リーニングマルチホイール)の登場が噂されている。845ccのナイケンを超越したLMWの親玉として楽しめそうだ。VMAXはユーロ4に対応せず終了したが、エンジンに手を入れ、クリーン化すると見る。LMWとして市販できるなら、当然二輪版も出すべきと声高に主張したい。サイズは初代と同程度にコンパクトだとウレシイ。
―― YAMAHA VMAX/LMW[予想イメージCG]
―― ヤマハは数年前からVMAXをベースにしたLMWの特許を申請中。並行して傾くフロント機構は、操舵アシスト付きでラグジュアリー系のようだ。
創刊48年のヤングマシンが蓄えた知恵とカンをベースに、願望&妄想も織り交ぜながら導き出すバイクの近未来予想。次ページでは胸アツ’80年代車・CB998F、GPZ900R、FZ900 Fazerについて予想する。 〈特集〉バイク新車近未来予想
●文:沼尾宏明 ヤングマシン編集部 ●CG:白圡学
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みんなのコメント
250とかで速いバイクがあったら面白いと思うけどなー。
V-MAXは北米で販売を再開しています。日本にも並行輸入で少量入ってます。
次期V-MAXがLMW化されるなら現行型を購入したい。初代にも乗ってましたが、コーナーでねじ伏せる走らせ方が好きなので、安定を求めるならV-MAXを名乗る必要はありません。