Aston Martin Vantage F1 Edition
アストンマーティン ヴァンテージ F1 エディション
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ヴァンテージの最速バージョンが登場
アストンマーティンは、新型「ヴァンテージ F1 エディション」を発表した。このニューモデルは、アストンマーティンが60年以上の歳月を経てF1世界選手権に復帰したことを記念し開発。真のスポーツカーとしてのヴァンテージのキャラクターをさらなる高みへと引き上げた存在だ。また、アストンマーティン最高経営責任者(CEO)のトビアス・ムアースの意向を直接反映させた、最初の主力モデルでもある。
ヴァンテージ F1 エディションは、ヴァンテージのラインナップの頂点に君臨するモデル。今月末に開催される開幕戦バーレーンGPでデビューする、F1オフィシャル・セーフティカーのヴァンテージに採用されたエンジニアリングが直接フィードバックされた。パフォーマンスとダイナミズムを極限まで追及しており、サーキットに焦点を合わせたアップグレードを施す最速バージョンとなる。
レーシングタイヤでなくてもパフォーマンスを発揮
史上もっともパワフルなヴァンテージでもあり、アストンマーティンの経験豊富なエンジニアリング・チームによって開発された専用シャシーを搭載。さらにエアロダイナミクスも見直された。
今回、アストンマーティン・コグニザント・F1チームがF1への復帰作業に専念するなか、アストンマーティンのエンジニアリング・チームはロードカーをベースにした究極のヴァンテージであるF1オフィシャル・セーフティカーを製作した。
トビアス・ムアースCEOによって設定された要件とは、F1が開催されるサーキットでセーフティカーとしての役割を果たすことができるよう、オンロード性能を損なうことなくパフォーマンスを大幅に強化してラップタイムを短縮することだった。特にレース専用タイヤを装着しなくても、そのパフォーマンスを発揮できることが重要になったという。
これらの目標を達成した後、ムアースCEOはオフィシャル・セーフティカーで開発したエンジニアリングを量産車へと導入し、ヴァンテージ F1 エディションを新たに開発するように指示を出した。その結果、ヴァンテージ F1 オフィシャル・セーフティカーのレプリカモデルとして、公道走行可能でアストンマーティン史上もっともスポーティなヴァンテージが誕生した。このモデルはアストンマーティンのカスタマーにとって、非常にエキサイティングな選択肢となるだろう。
最高出力は25ps増加し、535psを発揮
エンジニアリング・チームはヴァンテージ F1 エディションを製作するにあたり、ヴァンテージのあらゆる側面に改良のメスを入れた。その範囲はパワートレイン、シャシー、エアロダイナミクスへと及び、走行フィールやキャラクターを改善しながら、パフォーマンスの徹底的な強化が図られた。
4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンの最高出力は25ps増加して535ps。最大トルクは685Nmで変更はないが、ピークトルクの持続範囲を拡大。扱いやすさと粘り強さが改善されている。この圧倒的なパフォーマンスは8速オートマチック・トランスミッションと組み合わせることでさらに強化。シフトアップ時のトルク損失が最適化され、シフト時間を短縮してダイレクト感と正確性が向上した。
このトルクデリバリーは特に激しいブレーキングを伴うシフトダウンにおいて、車両のコントロール性とドライバーとの一体感を高め、トラクションの限界で走行しているときに、より精密なコントロールを可能にする。この特性はあらゆる状況で体感できるが、とくにサーキットを走行する場合にメリットをもたらす。
サスペンションとステアリング性能を強化
シャシーの面では、サスペンションとステアリングの改良に焦点が当てられた。アンダーボディに細かい修正を加えることによって、フロントの構造剛性を高め、ステアリングフィールとレスポンスをさらに向上。ダンパーの内部にも改良を施し、ダンパーの有効範囲を拡大した。
作動領域が増加したことにより、低速における追従性を低下させることなく、高速走行時におけるコンプレッション及び突き上げ感の両方で、垂直方向のボディコントロールが大幅に改善されている。
ダンパーの変更を補完するためリヤスプリングレートと横方向の剛性を強化したことで鋭いターンインが可能になり、トラクション性能が大幅に向上(特にバンプの乗り越え時)。さらにフロントエンドの反応速度を補完するようリヤエンドにも調整が施されている。ステアリング入力に対するレスポンスと、ステアリングフィールを改善したことで、路面からのフィードバックがより明確に伝達されるようになり、グリップの詳細な状況をドライバーがより強く感じることができるようになった。
シャシーのハードウェアが最適化された上で、ホイールとタイヤにも焦点が当てられた。標準装備されるホイールは従来の20インチから21インチへと拡大。ヴァンテージに初搭載される21インチタイヤは、F1 エディションのためにピレリと協力して特別に開発された。
動的挙動の変更と同様にロープロファイルタイヤへの切り替えにより、ドライバーは正確なフィードバックが得られる。サーキットにおける限界走行時でも、プログレッシブなハンドリング特性によってドライバーは最大限の自信をもてるだろう。
標準仕様から200kg増加したダウンフォース
ヴァンテージ F1 エディションのパフォーマンスは、包括的なエアロキットによって完成の域に達した。この効果はドライバーが肌で感じることが可能で、ラップタイムも短縮される。エアロキットはフロントとリヤのダウンフォースを強化するように設計されており、最高速度では標準仕様のヴァンテージよりも合計200kg増加したダウンフォースを発生させる。
車両の全体的なバランスも最適化。エアロダイナミクスの変更には、車両全幅にわたるフロント・スプリッター、フロント・ダイブプレーン、アンダーボディ・ターニングベーン、そして新しいリヤウイングが含まれる。リヤディフューザーは変更されていないが、このディフューザーは新しいエアロダイナミクス機能と連携して、優れた空力性能を提供するために重要な役割を果たしている。
F1マシンをイメージしたカラーリング
ヴァンテージ F1 エディションは、その圧倒的なパフォーマンスを全身で表現する専用カラーとトリムオプションを設定。ボディカラーには、アストンマーティン・コグニザント・F1チームのF1マシンと、F1オフィシャル・セーフティカーのカラーをイメージした「アストンマーティン・レーシング・グリーン」も含まれている。
エクステリアカラーはサテン仕上げまたはグロス仕上げの両方が利用可能で、他のカラーオプションとして「ジェットブラック」と「ルナホワイト」も用意された。これらはすべて、ソリッドマット・ダークグレーのレーシング・グラフィックによってさらに強化されている。
クーペとロードスター・バージョンが用意されるヴァンテージ F1 エディションは、標準装備されるベーングリル、2×2ツイル・カーボンファイバー・エクステリア・ディテール、専用グラフィック、4本出しエキゾースト、新デザインのサテンブラック・ダイヤモンド旋削仕上げによる21インチ・アロイホイールによって、さらに際立った存在感を放っている。
インテリアを際立たせるコントラストステッチ
ヴァンテージ F1 エディションのインテリアには、新しいオブシディアン・ブラックレザーとファントム・グレーのアルカンターラ張りのトリムを設定。ライムグリーン、オブシディアン・ブラック、ウルフ・グレー、スパイシー・レッドのコントラスト・ストライプとステッチを選択することができる。
アストンマーティンCEOのトビアス・ムアースは、ヴァンテージ F1 エディションについて、次のようにコメントした。
「パフォーマンスはすべてのアストンマーティンの中心的要素ですが、F1の名前を冠する以上、真に優れたクルマでなければなりません。ヴァンテージは、アストンマーティン・ラインナップの中で特にスポーティなキャラクターに焦点を絞ったスポーツカーですが、F1オフィシャル・セーフティカーとしての重責を担うため、さらにパワフルで俊敏かつレスポンシブでエキサイティングなクルマにする必要がありました」
「そしてもちろん、サーキットでより速く走れなければなりません。私はパフォーマンスの向上は、レース専用タイヤを装着することによって達成するのではなく、クルマのダイナミクスを真に改善することによってもたらされるべきだと主張し、エンジニアリング・チームに厳しい目標を課しました」
「このクルマを見れば、その目標が達成されたことがお分かりいただけると思います。ヴァンテージ F1 エディションは、もっとも眼識のあるドライバーに訴求するだけでなく、アストンマーティンの歴史の中でもっともエキサイティングな瞬間を表現したニューモデルでもあります」
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