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トヨタ「マークX」終了に続きレクサス「GS」も廃止!? FRセダン消滅の真相に迫る

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トヨタ「マークX」終了に続きレクサス「GS」も廃止!? FRセダン消滅の真相に迫る

■レクサスがラインナップ再編? GSは販売継続なるか

 スクープなど車種に関する将来的な情報は、公式情報を除くと大半が憶測を伴うという点は皆さんもご存知だと思いますが、車種の「廃止」になるとニュアンスが変わるでしょう。

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 当然ながらマイナスの印象が強く、特にそのクルマのユーザーは、愛車がメーカーから見放されたような気分になることもあります。

 GSの動向について、まずは複数のレクサス販売店に話を聞きました。

「今のところGSが廃止されたり、FFの大型セダンである『ES』に統合されるという話は、メーカーから聞いておりません。またマイナーチェンジを行う予定も聞いていません。

 納期は2リッターターボと3.5リッターが約2か月で、ハイブリッドは2.5リッター、3.5リッターがともに約3か月です」

 レクサス車は納期が全般的に長く、通常の車種でも2か月から3か月を要します。そのために1か月から1.5か月で納車できるトヨタブランド車に比べると、マイナーチェンジなどの情報も早めに伝わる傾向があります。

 販売店のスタッフがGS廃止の話を聞いていないということは、少なくとも直近の国内販売については変更がないと見てよいでしょう。海外での販売はどうでしょうか。

 北米市場のホームページには、今でもGSが掲載されていますが、欧州市場のイギリスでは、以前は掲載されていたのに今は削除されています。GSに関して閲覧できるのは、中古車情報のみです。

 この点をトヨタに尋ねると「ユーロ6の排出ガス規制に対応できないため、欧州市場では販売を終えました」とのことです。

 GSの場合、ハイブリッドを含めて排ガス規制への対応はユーロ5です。そしてユーロ6に対応して現在でも欧州で販売されるレクサス車は、大半がハイブリッドのみとなっています。

 日本におけるレクサスのセダンラインナップは、FRの『IS』、『GS』、『LS』とFFの『ES』で、いずれもハイブリッドとノーマルエンジンを選べます。しかし、欧州にはノーマルエンジンが用意されずGS自体がカットされました。

 将来的には、日本も欧州と同様のラインナップになる可能性があるでしょう。

 2019年6月3日に、経済産業省が新しい燃費規制の基準案をまとめました。これによると、2016年度実績に比べて燃費を32.4%向上させなければならないということになります。そこまで考えると、車種やエンジンの統合が行われる可能性が高いです。

 また日本におけるトヨタブランド車は、2025年をメドに全店が全車種を扱う方針を打ち出しております。これに伴って、姉妹車を中心に車種の削減もおこなう見通しです。

 車種数は30車種程度に減らされ、「マークX」は2019年12月に生産を終えることが発表されました。

 あくまでも可能性ですが、GSはESとボディの大きさが近いため、仮にレクサスが車種の削減に踏み出すとすれば、GSが統合の対象になる可能性があります。

 つまり最上級セダンを担うのはボディが大柄なFRのLS、上級のLサイズセダンは車内の広いFFのES、ミドルサイズはスポーティなFRのISという、欧州と同様の車種構成です。

■走りにこだわった「FR」は高級セダンに最適

 ただしGSやマークXのような上級セダンと、FRのプラットフォームは、機能的な相性が優れています。もともとセダンはSUVやミニバンに比べて重心が低く、後席とトランクスペースの間には隔壁があるため、低重心でボディ剛性も高めやすいです。

 この特徴により、セダンは走行安定性、乗り心地、静粛性などを向上させやすく、高級車に相応しいボディ形状です。

 このセダンボディに、FRのレイアウトを組み合わせると、高級感がさらに強まります。FRは前後輪の重量配分が優れ、操舵と駆動を分けることで操舵感も自然に仕上がるためです。

 そこでレクサスはFRセダンのIS、GS、LSをそろえ、トヨタブランドの上級セダンとなるマークXも、前身となる「マークII」の時代からFRで発展してきました。

 問題は今後の展開で、自動車メーカーは二酸化炭素の排出削減を中心とした環境性能、安全性や運転支援機能にも力を入れなければなりません。その一方でFFの運転感覚が向上し、販売面ではFFベースのSUVの人気が世界的に高まっています。

 これらの事情により、FRセダンは車種数を減らしていく可能性が高いです。フォードはセダン市場からの撤退という、大胆な方針を打ち出しました。

 クルマ好きとしてはちょっと寂しい、と感じる人も多いでしょう。確かにFFも上質になり、今ではFRと遜色はありませんが、これは実用面での話です。

 高級車がこだわる運転感覚の領域では、今でも駆動方式に基づく違いがあり、後輪駆動を好むユーザーもいるからです。

 そして床面をフラットに仕上げる必要のあるミニバン、空間効率を追求するコンパクトカーなどを用意せず、セダン/クーペ/SUVを開発するのであれば、FRでも車内の狭さなどの不都合が生じることはありません。

 GSに話を戻すと、日本においては従来と役割が違ってきました。LSが大幅にボディサイズを拡大して「新型になったLSは自宅の車庫に収まらない」という不満も生じているからです。

 その結果「LSからESへ」という乗り替えが進んでいます。ESはLSと同等以上の居住空間を備えながら、ボディは少し小さくなるためです。

 それでも前述のようにFFだから運転感覚が異なり、外観デザインもボンネットが相対的に短く見えます。車内の広さよりも走行性能と見栄えを重視するユーザーには、FRによる走りとカッコ良さに重点を置いたGSが、ESよりも魅力的でしょう。

 LSのサイズが一般的な使用環境から逸脱した日本では、GSが不可欠のラインナップになったともいえます。マークXのようにGSまで廃止とならないことを祈りたいものです。

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