最高出力600ps。シャシーはサーキットスペック
GT-Rニスモは、現行R35型の最強版。GT-Rのスポーツポテンシャルを極限まで磨き込んだスペシャルモデルだ。
エンジンは、一段とリニアかつレスポンシブな特性を目指し専用ターボを採用。それに合わせてエンジンと6速DCTの制御が見直されている。エンジンスペックは600ps/652Nm。標準モデル比30ps/15Nmパワフルだ。
シャシーはサーキットスペック。軽量高剛性のアルミホイール、強力な制動力を生むカーボンセラミックブレーキを導入。サスペンション設定は専用になる。車体回りではルーフ/ボンネット/フロントフェンダーを軽量カーボン製に変更。さらにレカロ製バケットシートを装着する。
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大きな期待を抱いて走り出す。試乗の舞台はドイツのベルリンだ。一般道では、スーパーモデルにもかかわらず乗り心地のよさにびっくり。短いストロークながら軽やかな足さばきとしなやかさは見事である。初期型の標準車よりもすべてが優しい。アウトバーンでもその印象は変わらない。直進安定性と微舵の正確性、さらには空力デバイスのアシストで、250km/h以上の超高速域でもステアリングに軽く手を添えているだけでOKだった。
ニスモはGT-Rの「ファイナルアンサー」かもしれない!
サーキットはニスモの主戦場。驚いたのは、車両重量が1.7トンを超えるにもかかわらず、ひと回り軽量でコンパクトなクルマのような身のこなしを披露したこと。ステアリングを切れば、素直にノーズがインに入る。しかもアンダーステアの量は確実に少なく、S字のような切り返しでも上屋がグラッと動く心配はない。
カーボンセラミックブレーキも最高だった。絶対的ともいえる制動Gや優れたコントロール性はもちろん、何周走ってもまったく変化のないタッチとフィーリングにほれぼれした。
エンジンはアクセル操作に対する応答性、滑らかなトルクの立ち上がり、そしてトップエンドまで一気に吹き上がるレスポンスの鋭さを実感。圧倒的にパワフルなだけでなく、応答性もいい。6速DCTはRモードのシフト制御が素晴らしい。Dレンジのままでサーキットでも最適なギアをセレクトしてくれる。下手にマニュアルシフトするより速く走れる。
ニスモは速さのレベルアップだけでなく、その性能を誰でも楽に安心して引き出せる懐の深さを手に入れていた。GT-Rのコンセプトは「究極のドライビングプレジャーの追求」であり、ニスモはその頂点にある。長きにわたり進化と熟成を行ってきたGT-Rの「ファイナルアンサー」かもしれない。
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