WTCC世界ツーリングカー選手権の最年少優勝記録保持者で、TCRインターナショナルではフロントランナーとして活躍したペペ・オリオラが、古巣となるカンポス・レーシングとともに2018年創設のWTCRワールド・ツーリングカー・カップに参戦することを発表。先ごろ新ブランドへの刷新をアナウンスした『セアト・クプラTCR』をドライブする。
2014年までWTCCにエントリーし、その後の3年間はクラフト・バンブー・ルクオイル・チームでTCRインターナショナルに参戦。セアト・レオンTCRをドライブしてきた23歳のオリオラは、WTCRへの挑戦に際しWTCC時代をともに過ごした経験のある古巣カンポス・レーシングに復帰することを決めた。
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スペイン出身のオリオラが母国のチームで走らせるのは、こちらもスペインのマニュファクチャラーであるセアトとなり、同社の新たなパフォーマンス・ブランド『クプラ』の名を冠した2018年モデルとなる。
あわせて、そのオリオラのチームメイトには、こちらもWTCC経験のあるジョン・フィリッピが起用されることも決まった。
「僕にとって複雑で困難な1年になるかもしれないが、この機会が得られて光栄だ」と、慎重な言葉を口にしたオリオラ。
「クプラが与えてくれた機会を最大限に活かしたい。彼らはいつも僕を助けてくれて、当初から僕をドライバーとして信頼してくれていたので、その気持ちにトラックで報いたい」
「また、100%スペインのチームでWTCRに参戦できることも本当にうれしい。彼らとは長年、お互いをよく知る間柄だし、その事実がチャンピオンシップでは有利に働くボーナスになるだろう」
セアトスポーツの代表を務めるジェイミー・プイグも「オリオラとクプラTCRでWTCRに参戦できることを喜んでいる」と、歓迎の言葉を続けた。
「彼のレースをWTCRで見られるのは非常に楽しみだ。彼はドライバーとしてWTCC時代を通じて開発が進んだセアト・レオンWTCCで成長し、その後のTCRでは大きな成功を収めた。彼の加入はクプラにとっても大きな資産となるに違いない」
一方、フランス・コルシカ島出身でこちらも23歳のフィリピは、セバスチャン・ローブ・レーシングからカンポス・レーシングに復帰。自身5年目となる世界的ツーリングカー・シリーズフル参戦を決めた。
「またカンポス・レーシングとこうしてふたたび契約することができてうれしいよ。彼らは2017年の終わりに連絡をくれて、この魅力的なプロジェクトに関与しないかと誘ってくれたんだ」とフィリピ。
「新しいクプラのマシンに乗って、最初の数ラップを走るのが本当に楽しみだ。この2018年のWTCR参戦は、僕のキャリアのうちでも最大の挑戦のひとつになるだろうね」
また、これまでWTCC時代にはシボレー・クルーズTC1やシトロエン・CエリーゼWTCCを走らせてきたミュニッヒ・モータースポーツは、すでに発表されているエステバン・グエリエリのチームメイトとして、フランス出身の21歳ヤン・アーチャーに2台目のFK8型ホンダ・シビック・タイプR TCRのステアリングを託すことをアナウンスした。
長年にわたってIT企業のALL-INKL.COMから支援を受けるミュニッヒは、2017年のWTCCでRCモータースポーツのラーダ・ベスタTC1をドライブし、初優勝も経験した若手を起用。これにより、アーチャーは“偉大な叔父”であり、WTCRには自らのチームで現役復帰することを決めたイバン・ミューラーと、トラック上で直接対決の機会を得ることになる。
「WTCCでのデビューイヤーに続いて、この2018年の目標は明らかにWTCRへの参戦機会を得ることだった」と語ったアーチャー。
「ALL-INKL.COMミュニッヒ・モータースポーツが僕を選んでくれて本当に光栄だ。これは僕にとって大きなニュースで、彼らはモータースポーツ、とりわけツーリングカーで数多くの実績と経験を持っている」
「こんな素晴らしいパッケージがあれば当然期待は高まるし、個人的にもタイトルコンテンダーとして戦いたい。もちろん競争が激しいことは理解しているし、明らかに昨年よりもプレッシャーは高まっているけど、僕の準備はできているよ」
ミュニッヒのチームマネージャーを務めるドミニク・グレイナーは「論理的には、我々のリストには複数のドライバー候補が挙がっており、その決断は容易なものではなかった」と振り返った。
「しかしヤンを我々ミュニッヒ・モータースポーツに迎え入れる選択はベストなパッケージになるだろうし、彼をチームに歓迎する」とグレイナー。
「彼は才能があり高いモチベーションを持つ優れたドライバーで、(レーシングドライバーだった)母上と叔父に囲まれ、世界に類を見ない偉大なレーシングスクールの卒業生でもある。すでにヤンとエステバン(・グエリエリ)はともにプロフェッショナルとして働いており、彼らが2017年に経験したような素晴らしい瞬間を、2018年も再現してくれるに違いない」
これでWTCR側が発表したグリッド上限26台のうち、18台のドライバー&チームがアナウンス済みとなり、残るスロットはあと8台となっている。
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