舞台は筑波サーキット。中国最新ハイブリッドの実力を味わった
中国の浙江省を本拠地とし、1996年に設立された吉利汽車(ジーリー)は、グローバルで2023年に279万台(グループ全体)を販売した。これは中国のメーカーで初の同300万台超えを達成したBYDに次ぐ2番目の規模となる。
中国「節能車」が想定する日本車の省燃費技術と、普及プランの青写真
もともと写真館を経営していたという創業者の李書福氏は、家電の製造に進出すると、その後、中国政府が厳しい制約を設ける中で自動車産業への参入を果たし、1998年には初の量産モデルを完成。その後は急激な成長を遂げた。
2010年にはボルボ、2017年にはロータスを傘下に収めるなど、グローバル自動車メーカーに発展。現在は、メルセデス・ベンツ・グループの株を10%所有する大株主でもある。
そのジーリーが5月23日、日本の筑波サーキットで、ハイブリッド車の試乗会を開催した。持ち込まれたのは、星瑞(プリフェイス)Lいうセダンと星越(シンユエ)LというSUVだ。
どちらも走り系の車種ではないものの、中国では筑波サーキットが非常に有名であり、そこを走ること自体に大きな意味があるのだという。
2車は、ボルボXC40系と同じCMAプラットフォームを用いており、自社開発のBHE15-BFZ型1.5リッター直列4気筒ターボエンジンに、自社開発のハイブリッド用3速トランスミッション、DHT Proを組み合わせたシリーズパラレル式ハイブリッドシステムを搭載する。低速域ではモーターのみでの走行も可能である。
BEVイメージの強い中国市場だが、このところハイブリッド車の販売は右肩上がりで、この2台もよく売れているという。
2台をドライブして印象的だったのはエンジンフィール。小排気量ながら4気筒としたのは中国市場の好みもあってだろうが、実際に心地よいサウンドを楽しめる。
パフォーマンスも気持ちいい。それほどパワフルというわけではないが、アクセルを踏み込むとターボ付きらしい加速の伸びが楽しめるほか、3速のトランスミッションがシフトチェンジする感覚も伝わってくる。ブレーキフィールにも気になるクセはない。ステアリングは軽くハンドリングは素直。重心の高いSUVで多少攻めぎみに走っても姿勢を大きく乱すことはなく、乗りやすかった。
内外装にはボルボ車に通じるエレガントな雰囲気が感じられた。純白のホワイト内装も印象的だった。大型ディスプレイを多用したデジタルコクピットは、先進的なイメージを伝える。
ジーリーの日本進出予定はいまのところないようだが、この内容で手ごろな価格と、販売ネットワークが整ったら、日本や欧州勢にとってなかなか手強い存在になりそうに思えた。
・星越L(シンユエL)
星越Lは全長4795mm/ホイールベース2845mmのミドルクラスSUV。内外装はボルボに通じるエレガントな印象。室内は3基の12.3インチの液晶ディスプレイを配置した先進デザイン。HEVのほかPHEVや2リッターエンジン車もラインアップ
・星瑞L(プリフェイスL)
星瑞Lは2900Nm/degのねじり剛性を誇る強靭ボディ。HEV用の1.5リッターは熱効率44.26%を誇る最新エンジン。0→100km/h加速7.5秒を誇り、WLTCモード燃費は23.7km/リッターを達成。内装は13.2インチの縦型ディスプレイが目を引く
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で、なんで今になってこの記事なの?