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居心地ヨシ&走りヨシ 乗ってわかった! マツダ MX-30のSUV最激戦区を駆け抜ける魅力

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居心地ヨシ&走りヨシ 乗ってわかった! マツダ MX-30のSUV最激戦区を駆け抜ける魅力

 RX-8を彷彿とさせる観音開きドア、モノグレード展開でユーザーの好みによってパッケージオプションを追加していく「ユア・オリジナル・チョイス」など、これまでのクルマとは異なる存在感を放つMX-30。

 では肝心の走行性能はどうなのか? 国内初登場となる2Lマイルドハイブリッド「e-SKYACTIV-G」による走りを、MX-30についてちょっと懐疑的な視線を向ける自動車評論家 鈴木直也氏が鋭くチェック!

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■ここがMX-30のポイント!
・観音開きの「フリースタイルドア」を採用するクーペSUV
・まるでクリーンなリビングにいるかのような特別感ある内装
・2Lマイルドハイブリッドは国内初搭載。加速は伸びやかで気持ちいい
・豊富なパッケージオプション設定

【画像ギャラリー】ここでしか見られない写真多数! 新型MX-30試乗の様子をギャラリーで見る

※本稿は2020年10月のものです。試乗日:2020年10月12日
文/鈴木直也、写真/MAZDA、ベストカー編集部、撮影/平野 陽
初出:『ベストカー』 2020年11月26日号

■MX-30発表当初から鈴木直也が抱えていた疑問

「ツンデレ」という言葉がある。

 朝日新聞社発行の“知恵蔵”によると、「普段はツンツンとしているが、ある条件下になるとデレデレする様子」とのこと。そう、ぼくにとってMX-30はちょっとツンデレ的な存在だったのだ。

 デビューした時には「同じセグメントにマツダ3、MX-30と3種類も新車出して大丈夫?」と心配になったし、RX-8から継承したフリースタイルドアについても「サイズに余裕のあるSUVでどうなの?」という疑問がまず頭に浮かんだ。

156ps/20.3kgmを発生する2Lの「SKYACTIV-G」をベースに、6.9ps/5.0kgmのモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドシステムを搭載。マツダは「e-SKYACTIV-G」と呼ぶ

マツダのSUVのなかで最も強く寝かされたリアピラーを持つMX-30。観音開きドアと相まって、ほかのSUVとは大きく印象の異なるリアスタイルを持つ

 で、いよいよ国内デビューとなったわけだが、日本向けは最初マイルドハイブリッド仕様のみ。

 EVとレンジエクステンダーこそMX-30の売りなのに、肩透かしを食らったような感じ……。

 ボクにとってのMX-30は、そんな「ツン」ばかりで「デレ」な部分がなかなか見つからないクルマだったわけです。

MX-30の内装を特徴づけるもののひとつが、2階建てのように設置されるフローティングコンソール。必要な操作部はここに集約される。その下に見える明るいブラウンの部分はコルク。温かみのある素材感がいい

 そんな気持ちで試乗会に参加してみたのだが、やっぱりクルマってのは乗ってみないとわからないものですねぇ。

 実車に乗ってステアリングを握り、エンジンをかけて走り出してみて、ようやくMX-30のデレな部分が少しずつわかってきた。

シート色はオプションのインテリアパッケージを選択することで白とブラウンから選べる

■懐に飛び込んでわかる MX-30の魅力とは

 まず心地よかったのは、完全にゴーイングマイウェイなそのキャラクターですね。

2L+24Vマイルドハイブリッドの走りは、肩の力を抜いた気負わない「ふつうの走り」を演出してくれる

 最近のマツダのクルマはデザイン命なところがあるが、MX-30‌は肩の力が抜けてリラックスできるのがボクの好み。

 デザインの完成度はマツダ3やCX-30同様ハイレベルなのだが、居心地のよさを感じるという点ではコイツがいちばんなのだ。

 特徴的なフリースタイルドアについても、基本ふたり乗りと考えるならパーソナル感があってむしろOK。最近流行りのクーペSUVのバリエーションとして、キャラ作りの大きな武器となっている。

もはやおなじみとなってしまったフリースタイルドアだが、やはりワクワクするものがある

 走りっぷりについては、いい意味ですごくふつうだ。

 SKYACTIV-Xの時には期待値が高すぎてその反動でガクッときた部分があったが、今回の2L+24Vマイルドハイブリッドはその逆。

 素直なトルク特性で回せば6000rpm以上まできれいに吹き上がり、久々にコンベンショナルな自然吸気も悪くないと実感した。

観音開きゆえ前席を開けねば後席は開けられないが、専用設計のヒンジの採用により、フロント82度、リア80度まで開くため、ひとたび全開にしてしまえば、乗降性自体はかなり良好

後席に乗り込むとこんな感じ。頭上まわりの空間は余裕たっぷりという感じではないが、膝まわりには余裕あり。後席窓は開かないので、そこは覚えておいたほうがいいかもしれない

 さらにいえば、こんなに個性的でグッドデザインなクルマが約250万円からと、価格も超リーズナブルだ。

 もちろん、真打はこれから登場するEVやロータリーエンジンを使ったレンジエクステンダーなどの電動モデルだけど、幕開けとなるこのマイルドハイブリッド仕様も、なかなかに魅力的なパーソナルカーに仕上がっている。

 こういう、あとからデレっとくるクルマは、長く愛されてロングセラーになる可能性大だと思うな。

試乗前は少し否定的だった鈴木氏も試乗後はこの笑顔。MX-30には理屈度外視の不思議な魅力があるのだ

■チョット気になる CX-30との走りの違いは?

 MX-30とCX-30は基本的に同じプラットフォームで、パワートレーンもほぼ共通。

 いちばんの違いは、これまでSKYACTIV-X専用だった24Vマイルドハイブリッドが、コンベンショナルな2Lガソリンエンジンと組み合わされたことだ。

 このマイルドハイブリッドに関しては、発進時のごく初期の蹴り出しなど差があるはずだが、注意深く観察してやっとわかる程度。

 事実上は主にアイドル停止からの復帰のスムーズさがメリットだ。

 それより、意外にその差が感じられたのは乗り心地と静粛性。足のセッティングはMX-30のほうがややまったり方向の味つけと言えそうだ。

全長と全幅、そしてホイールベースがMX-30と同寸のCX-30。だが走り味は微妙に異なる

■MX-30主要諸元
・全長×全幅×全高:4395×1795×1550mm
・ホイールベース:2655mm
・最小回転半径:5.3m
・車両重量:1460kg(1520kg)
・エンジン:直4DOHC+モーター
・総排気量:1997cc
・最高出力:156ps/6000rpm
・最大トルク:20.3kgm/4000rpm
・モーター出力:6.9ps/5.0kgm
・トランスミッション:6速AT
・WLTCモード燃費:15.6km/L(15.1km/L)
(  )内の数字は4WD

【画像ギャラリー】ここでしか見られない写真多数! 新型MX-30試乗の様子をギャラリーで見る

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みんなのコメント

7件
  • ユーザーのことを考えても組織のパワハラで誰一人疑問を抱かない大企業。
    そして、製品に問題があってもアタリハズレがあると言った解釈でユーザーに不具合を押し付ける販売ディーラー。
  • 実は面白いと思っている。が、リアの居住性がさすがに、、、大人4人がしっかり座れるホイールベースであり、車格なのだからこのサイズのボディーならばデザイン性と両立させてほしい。今のマツダはここを割り切っているのではなく、さぼっている。元来デザイン性と居住性利便性をさせ高レベルで両立させるメーカーだと思っていたのに、最近はデザインに振り過ぎ。それなら他をどうぞという事らしいが、さぼるなと言いたい。魂動をミニバンでは表現できないとか甘えるなと言いたい。それを何とかするのがデザインではないのか。志が高いのか低いのかわからなくなる。このちょっと奇妙で印象に残るデザインの車でしっかりつかえる車であって何が悪いのかと言いたい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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