毎月200店以上の新車ディーラーを回り、「生」の新車情報を届けてくれる流通ジャーナリストの遠藤徹氏。
今年は東京モーターショーの開催年で、9月末といえばどんなコンセプトカーや市販前提車が登場するのかと、ショーの話題で盛り上がってくる頃だが、残念ながらすでに中止が決定している。
出来が悪いわけじゃないけれど……販売台数に哀愁が漂う『不器用ですから』なクルマ
いまだ先が見えないコロナ禍におけるクルマの販売動向について鋭く切り込みつつ、2022年秋までに登場するニューカー情報をピックアップ!
※本稿は2021年9月のものです
文/遠藤 徹 予想CG/ベストカー編集部 写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2021年10月26日号
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■ノートオーラが販売好調でシリーズ1万台突破確実
ノート オーラの販売好調により、ノートシリーズ全体で月販1万台が見えてきた
ノートシリーズはプレミアムバージョンのノートオーラを加えたことで、どこまで販売を伸ばせるかに注目されています。月販計画は5ナンバーサイズのノートが8000台、3ナンバーサイズのノートオーラが3000台で、シリーズ全体で1万1000台が当面の目標になっています。
ノートオーラの発表1カ月後の受注累計は計画を5倍以上も上回る1万7000台と好調な滑り出しですので、9月は計画を大幅に上回るのが濃厚となっています。
首都圏にある日産店の営業担当者は、「ノートオーラは日産の小型セダンや輸入車のコンパクトカークラスからの代替えが目立っている」とコメントしています。
■トヨタ、ライズに1.2Lハイブリッドを追加!!
マイナーチェンジを受け、新開発の1.2Lハイブリッド&1.2LガソリンNA車が設定されるトヨタ ライズ(写真は現行型)
トヨタは11月1日にライズをマイナーチェンジし、新開発の1.2Lハイブリッド&1.2LガソリンNA車を設定します。ОEM供給元のダイハツ独自開発のハイブリッドユニットは1モーター&リチウムイオンバッテリーの組み合わせとなるようです。
今回は2WD車のみで4WD車は1Lターボ車を継続販売します。姉妹車のダイハツロッキーも同日、同じ内容でマイナーチェンジをし、メカニズムのみで内外装のデザイン変更はしない見込みです。
車両本体価格は1.2LのNAが1Lターボ車並み、ハイブリッドはNAに比べて30万円程度のアップになりそうです。従来モデルはすでにオーダーストップし、在庫もほとんどない状況です。
改良モデルは10月中旬にも事前の予約受付を開始する見込みです。1Lターボはトヨタルーミーやダイハツトールにも搭載しており、こちらは2022年秋のマイナーチェンジで両ユニットに切り替えられるものと思われます。
パッソ/ブーンのハイブリッド化も同様に1.2Lで対応する見通しです。1モーター方式を採用するのは2モーターに比べてコストアップを可能な限り抑えるためです。
■カローラクロスの余波でC-HRはどうなる?
カローラクロスの登場によりますます存在感が薄くなるトヨタ C-HR
カローラクロスの登場でほぼ同クラスのC-HRの影がさらに薄くなりそうです。トヨタは「カローラクロスはRAV4とC-HRの中間をカバー」と説明していますが、価格帯がほぼ重なっています。
首都圏にあるカローラ店の営業担当者は、「カローラクロスは絶好調の立ち上がりでC-HRの購入希望者はますます少なくなり、必要がない状況になりつつある」とコメント。今後の売れゆき次第ではモデル廃止の可能性もありそうです。
■減産で人気モデルの納期がさらに先送りに!!
納期の遅れによりガソリン車が2022年3月、ハイブリッド車が2022年5月の納車予定となっているトヨタ ハリアー
トヨタの人気モデルの納期の遅れが深刻化しています。
9月中旬現在、ハリアーはガソリン車が来年3月、ハイブリッドが5月で、最近2カ月以上も遅れています。
ランドクルーザー300に至っては、通常だと購入契約して申し込むとパソコンに納車年月が表示されるのですが、ランクル300は「不明」扱いとなり、「4年くらいかかります」と営業マンが説明しているのが実情です。
いずれにしても納期の長期化でいいことはありません。
■日産、今年終盤から来年前半の新型車投入が軒並み遅延
上海モーターショーで発表された日産 エクストレイルだが、国内の日産ディーラーには国内での販売情報は伝わっていないようだ
日産が今年終盤から来春にかけて投入すると噂されているニューモデルはノートのクロスオーバーバージョン、アリアの量販カタログモデル、次期型エクストレイル&フェアレディZ、軽自動車ベースのEVなどがあります。
ところが首都圏にある日産店、日産プリンス店を数件回ってみると、9月中旬現在ではメーカー筋からこれらについてまだ何も伝えられていないことがわかりました。
これまでの例だと発表1カ月前あたりから商品説明会やモデルチェンジだと、従来型の生産調整など、なんらかのアクションがあるのですが、今回はそれがまったくない状況にあるようです。
コロナ禍、半導体を中心とした部品の供給遅れがいまだ足枷になっています。従来モデルの納期遅れにも影響を与えており、正常化がいつになるか現段階では示せない状況にあるようです。
エクストレイルのフルモデルチェンジは来年初め頃が予想されているものの、従来モデルは通常どおり生産販売されており、グレード、ボディカラー、オプションなどの生産調整は行われていません。
■シビックに統合でインサイトの廃止が濃厚に!!
シビックとの統合が噂され、どうやら廃止の方向で検討されているホンダ インサイト
ホンダは来夏にもシビックにハイブリッド&タイプRを設定すると同時にインサイトを廃止する方向で検討を進めている模様です。
シビックハイブリッドはインサイトと同じ1.5L&2モーターを組み合わせたe:HEVになる見込みです。
インサイトはコンセプトが被ること、月販200台前後販売にとどまっていることから、モデル廃止はやむを得ないと、販売店の営業担当者は受け止めています。シビックハイブリッドは2Lを搭載するとの見方もありまが、最終的に1.5Lのe:HEVで落ち着いたようです。
いっぽうシビックタイプRは従来どおり2Lターボの搭載で進化させるようです。
■新型ワゴンRスマイルが好調な滑り出し!!
販売好調な両側スライドドア仕様のスズキ ワゴンRスマイル
9月10日に発売を開始した両側スライドドア仕様のワゴンRスマイルが好調な立ち上がりで、8月末時点での事前予約の段階では納期が2カ月待ちの10月下旬だったものが、発売後の9月中旬では来年初めにずれ込んでいます。
同モデルはファッションセンスの高い女性を中心としながら、男性を含めた幅広いユーザー層を狙っているのが特徴で、今のところほぼ狙いどおりのユーザーをメインに引き合いが多くなっています。
月販5000台の計画でワゴンRシリーズ全体で1万台以上を目指すことになりますが、9月は決算セールのキャンペーン期間でもあり、ライバルのムーヴシリーズに引き離されているぶんを一気に挽回することも予想されます。
■ジムニー&ジムニーシエラは再び1年以上の待ちに!!
コロナ禍によりまたまた納期が先送りとなったスズキ ジムニー
スズキジムニー&ジムニーシエラの納期がここに来てまた1年待ち以上と先送り状態になっています。
年初から今春にかけて一時10カ月程度に短縮していたのが、また逆戻りです。現行モデルは2018年7月5日にフルモデルチェンジし、すでに3年が経過しています。
ひと頃よりは両モデルとも受注ピッチは頭打ち傾向にあるものの、コロナ禍で一部部品会社の生産がストップし、国内工場の組み立てに支障が生じているのです。
■ホンダとマツダの新型EVの売れ行きは今一歩?
2020年8月登場のHonda e。売れ行きは月販50台前後と少数に留まっている
昨年8月にHonda e、今年1月にマツダMX-30EVと相次いで新型EVが登場していますが、いずれも月販50台前後と少数台数にとどまっています。充電後の航続距離が200kmそこそこと短いうえに充電インフラが整っていない、車両価格が高過ぎるなどがネックになっています。
日本での割り当て台数が少ないことも無視できません。
それに販売店があまり積極的に売ろうとしないのも、販売台数が伸びない要因として挙げられています。
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現実は6830台やんけ