ハースは今季、ドライバーラインアップを一新。エステバン・オコンとオリバー・ベアマンという、まったく新しいコンビとなった。しかし特にオコンの加入が発表された当初、チームプレイヤーではないという批判の声が複数挙がった。ハースはここ数年、チームプレイに徹してポイントを稼ぐというレースが何度かあったが、その役割にはオコンは向かないのではないかと思われたのだ。
しかしハースの小松礼雄代表は2025年シーズン前半を終え、その批判が正しくなかったことを証明できたと語った。
■”ワンチーム”としてまとまるハースF1とトヨタ、富士でのTPCが実現「今は一緒に、文化を作り上げている」
NetflixのF1を題材にしたドキュメンタリー作品「Drive to Survive(邦題:栄光のグランプリ)」の最新シーズンには、小松代表がチームスタッフのひとりから、オコンとの契約がチームとして正しい判断だったのかを問われるシーンがある。
「オコンが我々のチームに合っていると、100%確信しているんですか?」
オコンにはこれまで、”チームプレイヤーではない”という評価が付き纏っていた。そのためハースが2025年シーズンのドライバーとしてオコンと契約したことについては、メディアだけでなく、チーム内でも疑問視する声が上がっていた。しかもこの決定が発表される直前、当時まだアルピーヌに所属していたオコンは、モナコGPでチームメイトのピエール・ガスリーと同士討ち。アルピーヌの首脳陣はこれに激怒し、次戦カナダGPでオコンを出場させない可能性を示唆したほどだった。
スタッフの疑問に対して、小松代表は次のように答えた。
「私にとって一番大切なのは、彼の仕事に対する姿勢です。彼がレースできるのは明らか。だから、彼が最良の選択だったと、私は確信しています」
また別のインタビューでは、次のようにも語っている。
「ドライバーが良いパフォーマンスを発揮するには、快適に感じられる環境が必要です。そしてハースF1チームとして、我々はまさにその環境を提供していると信じています」
もはやそんな心配は皆無
それから1年。小松代表はオコンの加入について、もはや正当化する必要すらないと考えている。外部の批評家に対して、オコン自身のアプローチに対する疑念は杞憂だったと、十分に証明したと小松代表は自信を持っている。
小松代表によれば、オコンのチームプレイヤーとしての貢献ぶりをもっとも明確に証明したのは、ベルギーGPでのことだったという。当時オコンは、チームメイトのベアマンの方がペースが優れていると感じたため、自発的にベアマンを先行させたというのだ。
オコンがチームプレイヤーではないという疑念を全て払拭したかと尋ねられた小松代表は、motorsport.comの取材に対してこう答えた。
「もちろんですよ。ベルギーでそのことを感じなかったですか?」
オコンはベルギーGPの決勝レース序盤、11番手というポジションを走っていた。このレースでハースは、2台のマシンのセッティングを意図的に分けた。オコンはダウンフォースの低いセッティング、ベアマンはダウンフォース多めのセッティングであった。ベルギーGP決勝は雨に見舞われていたため、ダウンフォースが少ないオコンのセッティングでは苦戦。そのため、ベアマンに先行させ、前を追わせたのだ。
「ミドルセクターで彼(ベアマン)を抑えてしまい、その結果僕のタイヤへのダメージも大きくしてしまった」
レース後にオコンはそう説明している。
小松代表にとっては、これ以上に明確な、”チームプレイヤーとして優れている”ことの証拠はなかった。
「チームオーダーを出す必要すらありませんでした」
小松代表はそう語った。
「エステバンは自分の判断で、オリーを先行させました。それが、みなさんへの回答です。正直に言って、彼らはふたりとも、素晴らしいチームプレイヤーです」
「昨年末、メディア皆さんからこの件について質問された時、私は自信があると言いました。でもそれは、ただそう言っただけではないんです。ドライバーとチームの間に信頼と尊敬の基盤を築くことができれば、それが確立できると確信していたんです。常に全てのことが正しくできるわけではないですし、間違ったチームオーダーも中にはあるかもしれません。しかし信頼、透明性、そして尊敬の基盤があれば、問題がエスカレートすることはないはずです」
”トラブル”を避けるためにオープンな信頼感
小松代表は、ふたりのドライバーは常にチームプレイヤーとしての役割を果たす準備ができていると強調。チーム内部で、明確な戦略のルールが定められているとも語った。
「天候などの不確実性から、スパでは予選と決勝レースで、ふたりのダウンフォースレベルを分けざるを得ませんでした。そして日曜日の朝には、ダウンフォースレベルに大きな違いがあるため、ある時点では一方のマシンがもう一方のマシンよりも大幅に速くなってしまう可能性があると話し合いました。そこでは3人で話し合い、完全に明確にしました。そのため決勝レースでエステバンは、『オリーに先に行かせよう』とだけ言った。我々は何も尋ねなかった。それだけです。それが答えですよ」
イギリスGPの決勝レースでは、オコンとベアマンが同士討ちしてしまうシーンがあった。これによってポイントを失うことになったが、チーム内では何の論争も起きなかったという。
「シルバーストンでは、乾いた走行ラインが1本しかないという特殊な状況だったので、問題が起きてしまいました。でも、故意だったわけではないです」
そう小松代表は説明した。
「ドライバーたちとはしっかりと話し合い、問題はまったくありませんでした。しかしその前にも、チームオーダーや順位の入れ替えを指示する度に、彼らは即座に対応してくれました。素晴らしいことですね」
「もしミスが起きたら、シルバーストンでやったように、レース後に完全にオープンに話し合うつもりです。ふたりのドライバー同士で接触してしまうというのは、我々が望んでいたことではないです。しかし我々は座って話し合い、それぞれが見たことや意見を述べ合った。そして今後はこうすると言った。問題はまったくないです」
小松代表は、チームとドライバーがお互いに信頼し合っているという基盤の上に、こうしたオープンな関係を築き上げようとしている。オコンとはまだその関係を構築している最中である。
ただオコンはこれまでの所属チームでは、そういう関係を築くことができなかったからか、崩れてしまった。
「私にとってはそれが鍵です。まさに基礎ですね。信頼、透明性、そして尊敬です」
そう小松代表は付け加えた。
「誰もが人間です。ドライバーがチームを信頼できないなら、チームはドライバーを信頼できません。例えば『この決定は、自分に押し付けられた』と感じたら、もちろんひとりの人間としては、最善のことだとは言えません。これは、レースに限った話ではないと思います。もっと根本的な、人間性の問題です。敬意、透明性、誠実さ、そして包括性……正直なところ、これらの全てをチームの中で築こうとしているんです」
「エステバンは長くF1で経験を積んできました。いい時も悪い時もありましたが、今はその基盤を築くことができたと感じています。もちろん、毎回積み重ねていく必要がありますが、我々はそれを実践しています。根本的な信頼は、既に存在していると思っています」
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