8月24~26日に開催されるERCヨーロッパ・ラリー選手権の第6戦バウム・チェコ・ラリー・ズリンに向け、ヒュンダイ・モータースポーツはR5規定『i20 R5』のドライバーに、WRC世界ラリー選手権でファクトリードライバーを務めるダニ・ソルドを起用すると発表した。
すでに2017年シーズンから散発的にカスタマープログラムを開始している新型『ヒュンダイi20 R5』だが、ヒュンダイ・モータースポーツとしてはこのマシンの販路拡大のため、ライバル陣営のフォード・フィエスタR5やシュコダ・ファビアR5との直接対決を狙って、ソルド招聘を決断する形となった。
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かつてイタリアのJASモータースポーツでWTCC世界ツーリングカー選手権用のホンダ・シビックWTCCのチーフデザイナーを務め、現在はヒュンダイ・モータースポーツで副ジェネラルマネージャーに就任しているアンドレア・アダモは、今回の施策を「どのERCラウンドで実施するか」、ここまで慎重に検討を重ねてきたと説明する。
「バウム・チェコ・ラリー・ズリンはシリーズ随一のメジャーイベントであり、開催国のチェコには非常に熱心なラリー文化が存在している」とアダモ。
「ERCのシーズンにおけるキーイベントのひとつであり、R5カテゴリーで争われるラリーとしても最大規模のイベントだと言える。そのため我々のようにカスタマー・ラリー・プログラムを持つマニュファクチャラーにとって非常に重要な1戦となる」
「ERCのような高いコンペティションレベルのなかで、稀代のターマック・マイスターであるダニを起用し、我々のヒュンダイi20 R5がどれだけのパフォーマンスを秘めているか。それを証明する最高の機会になるはずだ」
「もちろんターマックラリーでの地の利があり、地元勢が優位に戦いを進める可能性があることも理解しているが、それでもダニとi20 R5の組み合わせなら勝利を狙って戦うことが可能なはずだよ」
■ソルドにとってERC参戦、R5マシンのドライブはともに初めての経験となる
ソルドはまだヒュンダイの最新R5カーのステアリングを握った経験はないものの、WRCでのチームメイトであるティエリー・ヌービルは、地元ベルギーのイプルー・ラリーに2年連続の参戦を果たし、イギリス選手権でもR5カーの開発ドライバーとして競技参加を果たしている。
ソルドはこの後、ズリンを前に単独でのテストを実施し、そこで初めてR5カーをドライブする予定となっており、彼にとっては今回が初のERC参戦となる。
一方、ヒュンダイとしてもまだERCでのフルシーズン・プログラムを実施するカスタマーは獲得できておらず、今季はヒュンダイ・スペインが支援するWRC2ドライバー、ピエール-ルイ・ルーベが開幕2戦にエントリー。さらにプジョー・アカデミー出身のホセ-アントニオ・スアレスがカナリア戦で総合4位に入ったのが、i20 R5のベストリザルトとなっている。
このバウム・チェコ・ラリー・ズリンは、これまで地元のシュコダが圧倒的な強さを披露してきた歴史があり、このホームイベントでは直近の9年で8勝をマーク。そのうち昨季までの3連覇を含む6勝をエースのヤン・コペツキーが記録しており、ヒュンダイにとって高い壁となることが予想されている。
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