どんなクルマ?
text:Shigeo Kawashima(川島茂夫)
【画像】レクサスRX、ホンダCR-V、ベンツGLB【3列シートも魅力のSUV】 全138枚
photo:Keisuke Maeda(前田恵介)
現在のSUVの主流は、一般的な乗用車と同じタイプのプラットフォームで開発されているクロスオーバーSUV。
そのハシリとなったモデルの1つが、レクサスRX(ハリアー)である。
初代は最低地上高の拡大やオーバーハングの縮小などにより悪路走破性を高めたカムリグラシアの発展型とも言え、上級ステーションワゴンの快適性と良質な走りを備えたSUVとして一世を風靡した。
その後、乗用車型SUVの台頭とプレミアム志向の高まりに応じてサイズを拡大するとともに、上級化が図られている。
4代目となる現行モデルは、2015年にデビュー。
SUV系レクサス車では上位モデルとして「LX」があるが、これはランドクルーザー(200系)の姉妹車となる本格オフローダーであり、オンロードでの走り重視した「RX」とは路線が異なる。
RXはクロスオーバー系SUVの最上位に位置し、FF系上級クラス用のトヨタKプラットフォームから開発された。
また、2019年のMCではリア・オーバーハングを延長して3列シートとしたロングキャビン仕様「RX450hL」を追加。同仕様はハイブリッド4WDの1グレード設定で、価格面の最上位モデルとなる。
標準系モデルでは試乗した「RX450h Fスポーツ」が最上位となり、RXの車種展開では2つの頂を構成している。
どんな感じ?
昨2020年のMCではPKSB(パーキングサポートブレーキ)やBSM(ブラインドスポットモニター)の全車標準化、ハイブリッド車にAC100V・1500Wの追加設定などの改良が加えられているが、その他は2019年のMC時と変わっていない。
車名が示すとおり、パワートレインには4.5L級の動力性能を備えたハイブリッドシステムを採用。
FFプラットフォーム用トヨタ系ハイブリッドでは唯一のV6ハイブリッドであり、搭載モデルはレクサスRXとなっている。
また、4WD(試乗車)は後輪を機械的に独立した電動系で駆動する「Eフォー」を用いる。
後輪駆動モーターの最高出力は、Eフォー車でも最大の50kW(68ps)となり、前輪駆動用と合わせればスペック上の電動系最高出力は173kW(235ps)となる。もっとも、制御系の容量の制限もあって実動力性能はFF車と大きく変わらない。
タイムラグが実質ゼロの電動の長所を活かし、浅い領域での少ない踏み増しにも即応。
ゆったりとしたペダルコントロールでは従順に、素早い踏み込みでは過渡域を適度に鈍して心地よい力強さを示す。
RX450h アクセルを踏み込む
ラフなペダルワークでもスナッチングに類するような挙動や加速の揺らぎがなく、全域で滑らかなコントロール性を維持。
内燃機/機械式変速機とは違ったハイブリッドならではの洗練されたドライバビリティである。
全開時の加速力は4L超級相応。
2tを超える車重を物ともしない俊足振りだが、エンジン回転の上昇が先行するためか、体感的には少々伸びやかさに欠いている。電気式CVTと称するのも理解できる。
ちなみに、エンジン回転数を擬似的にステップ変速様に制御するシーケンシャル・シフトを用いれば、Fスポーツに似合いの小気味よいスポーツドライビングも楽しめる。
RX450hは、走行状況およびナビの地図データと連動して電子制御ダンパーの減衰力を調整するナビAI-AVSを、標準仕様以外に搭載。
Fスポーツ専用装備として車体骨格の振動減衰と剛性を強化するパフォーマンスダンパー(前後)と最適なロール剛性に制御する電動アクティブスタビライザーを装着する。
いずれの装備も操安性と乗り心地の両立点を高めるのが興味深い。RX450h Fスポーツがスポーツ性に偏向したモデルでないことが、採用メカニズムからも読み取れる。
Fスポーツの魅力は?
先鋭的なスポーツ性をアピールしていた時期の設計の名残か、車軸まわりの振動などで多少洗練に欠く部分もあるのだが、車体サイズと重量を感じさせる重質な乗り心地はRXの最上級クラスのモデルに相応。
RX450h Fスポーツのキャラを考えるなら、洗練感についても不似合いな印象はない。
最上級クラスの高性能SUVを駆る自負心を満足させるには十分だ。
ハンドリングは高速コーナリングで不安感を覚える挙動を排除し、操舵に穏やかに追従するラインコントロール性が特徴。
多少腰高な印象もあるが、ツーリング&スポーティのセオリーに則った特性。
この「意のまま」感を高負荷域側に拡大しているのが、Fスポーツらしさである。
付け加えるなら、Eフォーを利した駆動力配分の効果もあって、大きな横Gを受けた状態での加減速による姿勢やラインの乱れも少ない。乗り心地と逆にサイズと重量を感じさせない操安性である。
RX450hLとの価格差はわずか
快適性とファントゥドライブの両立は、プレミアムクラスの高性能モデルの良識。
一昔前はスポーツ性の尖り具合を競っていた時期もあったが、主流となるプレミアム系車種は「良識」でまとまっている。
RX450h FスポーツAWDも例外ではない。
また、スポーツ性や走りの質感で、コンペティターに対して突出した部分もないのだが、これだけの性能をして省燃費という点では唯一無二の存在。
一桁燃費が当たり前のクラスで、RX450hのWLTC市街地モードは11.4km/L、高速道路モードなら16.2km/Lなのだ。
快適性/ファントゥドライブ/エコ性能の3点を合わせれば、上級プレミアムSUVで最も優れたモデルである。
ただ、RX450h Fスポーツがイチオシかというと悩ましいところ。
内外装のプレミアム感ではロングキャビン仕様の「RX450hL」に分があり、RX450h FスポーツAWDとの価格差は13万円でしかない。
プロポーションそのものが変わっているので、外観のアピール効果はRX450h Fスポーツよりも上。プレミアムとファントゥドライブのどちらに軸脚を置くかが選択の要点だが、いずれにしても両モデルの比較検討は必須である。
レクサスRX スペック
レクサスRX450h FスポーツAWD(カッコ内はRX450hL)
価格:783万円(796万円)
全長:4890mm(5000mm)
全幅:1895mm
全高:1710mm(1725mm)
最高速度:-
0-100km/h加速:-
燃費(WLTCモード):14.9km/L(14.7km/L)
CO2排出量:156g/km(158g/km)
車両重量:2130kg(2230-2240kg)
ドライブトレイン:V型6気筒3456cc+モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力(エンジン):262ps/6000rpm
最大トルク(エンジン):34.2kg-m/4600rpm
最高出力(前モーター):167ps
最大トルク(前モーター):34.2kg-m
最高出力(後モーター):68ps
最大トルク(後モーター):14.2kg-m
ギアボックス:電気式無段変速機
駆動方式:Eフォー
乗車定員:5名(6/7名)
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