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ガセネタを信じて小型化したら大失敗! いまなら評価される「ブサカワ」も当時はウケず1年で消えた「2代目ダート」って何?

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ガセネタを信じて小型化したら大失敗! いまなら評価される「ブサカワ」も当時はウケず1年で消えた「2代目ダート」って何?

 この記事をまとめると

■ダッジが1962年に発売した2代目ダートのスタイリングがブッ飛んでいた

中身はドイツ! デザインはイタリア! 世界をざわつかせた「カルマンギア」という衝撃の名車

■そのスタイリングが災いしてか、2代目ダートが生産されたのはわずか1年だった

■独創的なスタイリングと希少性から今後はその価値が上がっていくと予想される

 ダウンサイズのトレンド予測がハズれて大ゴケ

 およそ、不発に終わったとか、ヒットしなかったと紹介されるものは、それなりの原因があるものです。誰にとっても「これじゃない感」や「いくらなんでも」といった感想を持たれたら、なかなか満塁ホームランのような売り上げは期待できそうにありません。

 が、2代目ダッジ・ダートがヒットすることなく、わずか1年間の生産だけで終わってしまった原因というのは理解に苦しみます。だって、ぶっ飛んだスタイリングや、月ロケット並みのインパネだとか、ヒットの要因は満載のはず。もっとも、1961~62年のマーケットにブサカワなどという誉め言葉はなかったのですから、不発も致し方なかったのかもしれません。

 このダートが開発されているころ、1950年代のアメリカ車は華やかなテールフィンやフォワードルックと呼ばれる「未来的」「宇宙船やジェット機を思わせる」スタイリングが主流で、ボディもフルサイズ、巨大なクルマが大流行していました。

 初代ダートのデザインを担ったヴァージル・エクスナーがクライスラーに入社したのは、そんなころのこと。彼はレイモンド・ロウイの事務所やGMで研鑽を積んだ腕っこきのカーデザイナーで、1955年に発表したクライスラー300シリーズは「100億ドルのルックス」と称され、すぐさまGMやフォードが追従したほど。

 エクスナーは結局、デザイン担当副社長にまで昇り詰めるのですが、不運なことに心臓発作に見舞われ、一時期デザイン業務から遠ざかってしまうのです。時あたかも1961年モデルの開発作業中のこと。同時に、「GMがクルマのサイズを小さくするってよ」という噂がまことしやかに流れてくると、当時のトップメーカーだったGMがするならと、クライスラーの社長はエクスナーに「わが社もダウンサイジングじゃ」なるオーダー。

 1960年に発売された初代ダートこそ、フルサイズ、テールフィンを備えたデザインだったものの、ショートホイールベース化されたのが原因か、上級モデルのポラーラやインペリアルの売れ行きには到底届かなかったようです。そのため、初代は1年しか生産されず、1961年には2代目にバトンタッチするはめに。

 しかし、2代目こそ噂を信じてダウンサイズしたモデルであり、病に臥せっていたエクスナーが関わらなかったデザイン。それでも、テールフィンがないくらいで、フォワードルックのキャラ、すなわち特徴的なグリルや、ジェットノズルを思わせるテールランプ、ふくよかな曲線を見せるフェンダーラインなどはバッチリ健在。エクスナーお得意の低いルーフラインなども継承されていたので、クライスラー首脳陣は「してやったり」のドヤ顔を浮かべていたに違いありません。

 ところが、GMのダウンサイズ戦略はまったくのガセネタだったらしく、市場はフルサイズがますます幅を利かせていたわけです。2代目ダートは初代同様、鳴かず飛ばずの憂き目にあい、例によって1年だけしか生産されない不運なモデルとなりました。

 独創性と希少性からブレイク必至!?

 とはいえ、トレンドが一周まわってくると、2代目ダートのインパクトあふれるスタイリング、そしてガセネタを信じて構築されたスモールサイズの人気はジワリと上昇。生産台数が少ないために、オークションに出されることすらレアな存在となり、いまとなってはマニア垂涎のモデルということに。

 当時、あまりの不人気に困り果てたモーパーのセールススタッフが「ポリ公に安売りしよーぜ」と考えついたのか、なぜか2代目はポリスカー仕様になっているものが多いそうです。

 また、2代目は4ドアセダン、2ドアハードトップ、コンバーチブル、ステーションワゴンなど6タイプもラインアップしたのですが、これまた当時の口コミだと「小さくて使い物にならん」といった論調。まったく、ガセネタに踊らされるとロクなことがないこと、参考になりすぎです(笑)。

 テコ入れとういうわけでもなさそうですが、当初5.9リッターだったV8エンジンが途中で6.8リッターまでスープアップされていて、マニア的にはポリスカー仕様で多かった6.8が人気だそう。換装大好きアメリカ人のことですから、8リッター載せてるケースも散見できます。噂によれば、国内に1台だけ存在している2代目ダートもまたドラッグレース仕様になっているとか。

 ちなみに、ダートはオートマティックのシフトレバーはなく、1950年代のアメ車に見られたダッシュパネルのボタンを押すタイプ。レースでスタートする際は早押しクイズ的にプッシュ! なんでしょうかね。

 いずれにしろ、1950年代から60年代のアメ車黄金期から次の世代へと様変わりしていくタイミングでの「変わり種」的な評価は、いまとなっては的外れな気がしてなりません。今後、さらに評価が上がっていくこと、間違いないでしょう。

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みんなのコメント

4件
  • 横田・立川・厚木など、1960年代の米軍基地とその周辺を撮った
    写真集など見ると、こんなクルマがチラチラ映っていたりしますね。

    堂々とした車体の随所にギラギラのメッキパーツでデコレートされた
    Yナンバーのアメ車たちの横では、一回りも二回りも小さい国産車や
    サブロクの軽たちが…

    戦後しばらく経って生活も豊かになってきたとはいえ、60年代当時の
    人たちはそのアメ車に対して憧れと共に、日本との国力の差を感じて
    いたのかもしれません…
  • カートップのガセネタは、信じて大失敗なんてことが起こるほどの影響力はないから平和だな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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