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岡崎静夏がPCX HYBRIDに試乗「優しく後押ししてくれるハイブリッドシステムが◎」

掲載 更新 10
岡崎静夏がPCX HYBRIDに試乗「優しく後押ししてくれるハイブリッドシステムが◎」

岡崎静夏がじっくり乗ってみました!

全日本J-GP3で絶賛奮闘中の岡崎静夏さんが、いろいろなタイプのバイクに1か月かけてじっくり試乗するコーナーです。今回はPCXハイブリッドを1ヶ月テスト。レーシング女子の鋭い眼差しでフルチェックした!

レーシング女子・岡崎静夏のCBR250RR試乗インプレ【どこを走っても楽しめる、バイクの理想型】

●まとめ:高橋 剛 ●写真:楠堂亜希 ●取材協力:ホンダモーターサイクルジャパン

加速、旋回、デザイン……すべて上質でハイグレード

全日本ロードJ‐GP3では、性別に関係なく全力で戦っています。男子ライダーに負けるのは悔しいし、女子ライダーに負けるはもっと悔しい。

勝つためにどうするべきか24時間考えているレース一辺倒の私ですが、カテゴリーは一応女子。ちょっとオシャレにバイクを楽しみたいという気持ちだってあるんです、もちろん。

だからPCXには憧れがありました。スタイリッシュで、コンパクトすぎず大きすぎず、通勤からツーリングまで幅広く使えそうですからね……。

実際、約1ヶ月にわたりPCXハイブリッドをテストして、私の憧れは正しかったことを確信しました。

まずは皆さんが気になるハイブリッドシステムについて。これは素晴らしいのひとこと!停車状態からスロットルを開けると、タイムラグやギクシャク感がまったくなく、思った通りスムーズに加速してくれます。

リッターバイクのようなスゴイ加速というわけではありません。怖さは一切なく、だけど頼もしい。この「もたつかないし、出過ぎない」という加速は、交差点での右折時など「ちょっと前に出て、止まって、また前に出る」といった小刻みな加速と停止を繰り返すシーンで、すごい安心感をもたらしてくれます。

まっすぐに加速できる場面でも強みを発揮します。PCハイブリッド、シンプルに速い(笑)。いまどきシグナルGPでもありませんが、通勤時の発進加速では負け知らずでした。

トルク特性がスムーズなので加速感に気になる段がなく、エンジンとモーターの切り替わりもまったく気付きません。すごく上質です。感覚的な表現になりますが、前からグイッと引っ張られてのけぞってしまうのではなく、後ろからそっと後押しされる感じ。自分を超えていかないって言うのかな。ぜひ皆さんにも体感してほしいですね。

おっと、ひとつ言っておきたいことが。私は全日本ライダーですが、公道でのインプレッションはあくまでも一般ライダーと同じ目線。ごく普通のペースで走り、ごく普通の使い勝手をチェックしています。だから「思い通りのスムーズな加速」も、ごく普通の女子ライダーの感覚です。

通勤でも思わず遠回りしたくなる!

加速感だけではなく、PCXハイブリッドは全体的に上質なスクーターだと感じました。正直言って、「スクーター」というカテゴリーには収まらないんじゃないかと思うほどです。

特に強くそう感じたのは、ハンドリング。小径ホイールのスクーターはどうしてもフラつきがちですが、前後14インチのPCXハイブリッドはビシッと安定しているんです。

わだちに足元をすくわれることもないし、高速コーナーなどは本当に気持ちよく走れて、私の中では「単車」と呼びたくなるほどスポーティ。ワインディングを走って面白いスクーターってそうそうないと思いますが、PCXハイブリッドは確実に楽しめます。

なおかつ、渋滞の中などの極低速では原付二種らしいキビキビ感があり、サイズもコンパクトなので街中はとても軽快に走ることができました。この安定感と軽快さのバランスは見事です。

足まわりで言えば、ギャップのいなし方も見事。コーナーの減速帯にブレーキングしながら進入しても、腰砕け感はなく、タイヤとサスペンションがしっとりと衝撃を吸収してくれます。

車体の下回りでショックをいなしてくれるから、シートやハンドルに嫌な振動が伝わりにくくて疲れにくいのも特長ですね。思わずツーリングに出かけたんですが、疲れ知らずなのでいつまでも乗っていたかった。

―― (Honda PCX HYBRID)●価格:44万円(10%税込) ●色:濃青 125ccエンジンに量産2輪車世界初のハイブリッドシステムを組み合わせた。モーターアシストならではのトルクアップにより、PCX本来の利便性に加え、より力強い加速フィールと機敏なスロットルレスポンスを実現している。モード切り替えも装備。 主要諸元■全長1925 全幅745 全高1105 軸距1315 シート高764(各mm) 車重135kg■水冷4スト単気筒 SOHC4バルブ 124cc エンジン[12ps/8500rpm 1.2kg-m/8000rpm] モーター[1.9ps/3000rpm 0.44kg-m/3000rpm] 無段変速 燃料タンク容量8L■タイヤサイズF=100/80-14 R=120/70-14

―― コンパクトなボディサイズながら、伸びやかなフォルムを実現。ヘッドライトはLED。ハイブリッドはフロントのポジションランプ裏側のブラケットおよびテールのインナーレンズをブルーとしている。

◆アイドリングストップを活用したハイブリッド

―― リチウムイオンバッテリーを追加し、もともと搭載されているACGスターター(アイドリングストップシステム)を用いエンジンをアシスト。スロットル操作はパワードライブユニットを介してモーターに伝わる仕組みだ。

◆低中回転域でのトルクアップは日常ライディングに恩恵

―― モーターのアシストトルクは主に低中回転域で効力を発揮する。スタンダードのPCXに比べて4000rpmで約33%、5000rpmで約22%トルクアップ。これにより加速性能とレスポンスを向上している。

姿勢変化の少ないサスペンションで安心感アリ

そうそう、私のレースメカニック、弟の慎とタンデム走行してみたんですけど、前も後ろも快適でしたよ。後部座席は座面が広く、グラブバーは握りやすかったし、ライダーとの距離も窮屈感がなくて、「タンデムツーリングもいいな」と思っちゃいました。

ブレーキもしっかりと利いてくれます。フロントは「これ以上利いたらタイヤのゴムが負けちゃうかも」というぐらいの制動力でした。

PCXハイブリッドはサスが本当に優秀なので、スポーティに走りながら強めにブレーキングしても姿勢変化が少ないんですよね。フロントがペコッと沈んだりせず、しっかりと制動力を受け止めてくれるので、安心感があります。攻めはしないけど(笑)、その気になっても応えてくれそうなポテンシャルは感じました。

リヤの利き具合もバッチリで、なおかつとてもコントローラブル。渋滞の中などの極低速ではリヤだけでも走り続けられるほどでしたよ。

小回りが利いて、高速コーナーも安定していて、加速も滑らかで速いPCXハイブリッド。デザインも高級感があって、オシャレな街並みにも似合います。自分の生活の中に、いつもこういう原二があったら幸せだろうな~!

◆ライディングポジション

―― 身長158cmの私には少し大柄に感じるゆったりした車格。足着きは両足のかかとが少し浮きますが、車重自体が軽いので全然気になりません。着座位置の自由度が高い座面の広さはいいですね!

ウインドプロテクション

―― カッコいいショートスクリーンがしっかり風当たりを防いでくれます。車体全体で風防性が高いようで、ちょっとの雨なら下半身はほとんど濡れずに済みました。横風にも強かったですよ。

積載性

―― ハイブリッドシステムによりシート下容量は小さめ(STDの28Lに対し23L)ですが、ヘルメットが1個収納できるからOK。ヘルメットを入れなければ温泉用のお風呂セットぐらい余裕で積めますね。ペットボトルが収まるフロントインナーボックスが便利。

ブレーキ&サスペンション

―― 前後14インチにはワイドタイヤを履いて、安定していながら軽快。リヤサスには3段階のレートを持つスプリングを採用していて、フロントサスとのコンビネーションによりショック吸収性もバッチリです。ブレーキの利きやコントロール性の高さには驚かされました。

シート&ステップまわり

―― シートは前後とも座面が広く、とても快適です。グラブバーが握りやすい形状でタンデム性能も良好でした。ステップ位置も最適。とにかく自由度が高いので、好きなポジションで座れます。

メーター&メインスイッチ

―― ジャケットのポケットにキーを入れておけば、オン/オフやハンドルロックができるホンダスマートキーシステムは超便利! 反転液晶表示のデジタルメーターも見やすかったです。それぞれのデザインもオシャレですよね。

左右スイッチ

―― シンプルにまとめられたスイッチ類は違和感ナシ。アイドリングストップシステムや走行モード切り替えのスイッチが装備されていますが、パッと乗ってすぐに馴染むことができ、操作性は良好でした。

◆スタンド

―― 気軽に出し入れできるサイドスタンドに加えて、メンテナンス時などにとっても便利なセンタースタンドも標準装備。重くないPCXハイブリッドなら私でもセンタースタンドをかけることができます。

◆車載工具

―― シート裏側にバンド留めされている車載工具。ヘルメットホルダーワイヤー、緊急時にメインスイッチを解錠する際に使うEBモードカプラー、ドライバー、10/14mmスパナ、プラグレンチです。

平均燃費:51.7km/L

―― ほとんどカタログスペック通りの実燃費にはビックリ! 給油回数が減るっていうのはこんなにラクなもののかと驚きました。燃料タンクが8Lなので、400kmは走れる計算です。

SHIZU’s お気に入りポイント

―― 何と言ってもハイブリッドの気持ちいい加速感! これは病みつきになります。あとはハンドルバーエンドやハンドルまわりのメッキ感。こういうキラメキ、かわいいと思います!

SHIZU’s 評価

1 実用性:家から10kmちょっとの通勤に使いましたが、足としては文句なし! コンパクトで荷物も積めて、とにかく便利。
2 走りの楽しさ:原付二種らしい軽快さと、まるでビッグバイクみたいな安定感が両立していて、街乗りもワインディングも最高でした。
3 コスパ:スタンダードPCXとは9万円差ということですが、私ならちょっと頑張ってでもハイブリッドを選びます!
4 デザイン:ひとことで言ってカッコいい! 細部まで手を抜いていないし、私は女子受けするかわいさもあると思いますよ~。
5 長く乗れそう?:原付二種はすごく便利なので、もっと大人になっても乗り続けたい。PCXハイブリッドは高級感もあって長く乗れそう。

―― PCX / ELECTRIC /150 ホンダはPCXを積極展開。125ccエンジンのPCX、今回紹介するPCXハイブリッド、150ccエンジンのPCX150、そして法人企業や官公庁などに限定したリース専用の電動PCX ELECTRICを揃える。

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みんなのコメント

10件
  • 27歳には見えないね。
    ライディングフォームが素人じゃないなww
  • 車もそうだがハイブリットはバッテリーがヘタる5年後にかかる金が怖い。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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