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【次期カングーと共同開発】メルセデス・ベンツ・シタン 試作車へ試乗 Tクラスに展開も 後編

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【次期カングーと共同開発】メルセデス・ベンツ・シタン 試作車へ試乗 Tクラスに展開も 後編

5シーターのほかに7シーターや純EV版も

text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)

【画像】ベンツのミニバン シタンとVクラス カングー、ベルランゴと比較 全80枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


開発の進む、次期メルセデス・ベンツ・シタン。ダッシュボード中央の高い位置からシフトノブが伸びる。ハンドブレーキはレバー式。フロントシートの間の低い位置にあった。

計画されているシタンの乗用車版、Tクラスでは5シーターのほかに7シーターも設定される予定で、車内のレイアウトは多彩。5シーターなら、リアシートをスライドさせなくても洗濯機や自転車を積めるだけの荷室が得られる。

新しいシタンが基礎骨格とするのは、ルノー製のCMF-Cプラットフォーム。次期カングーと同じもので、前輪駆動のみとなる。

エンジンのラインナップはまだ明らかになっていない。予想としては、1.3Lの4気筒ターボガソリンと、1.5Lの4気筒ターボディーゼルが英国の選択肢に入ると思われる。

またゼロエミッション版として、EQTというモデル名の純EVも2022年に英国ではリリース予定。カングーZEの兄弟モデルという位置づけになる。

今回試乗したシタンのプロトタイプに載っていたのは、130psと24.4kg-mを発生するガソリン・ターボエンジン。欧州ではAクラスやBクラス、CLAやGLBなどにも採用されている、ルノー製のユニットだ。

トランスミッションは6速MTが標準装備。滑らかに加速し、低回転域からフレキシブルで、丁度いい走りが得られる。余力があるわけではないものの、低速域からしっかり箱型ボディを引っ張り、中回転域では驚くほど力強い。

先代よりはるかに快適で洗練された走り

エンジンノイズはよく遮断され、車内でうるさく感じることはなかった。メルセデス・ベンツはMTが主力になると予想するが、エンジンによっては7速デュアルクラッチATもオプションとして選べるという。

一般道を走らせてみると、従来のシタンよりはるかに快適で洗練されたフィーリングに感銘を受ける。サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット式でリアがトーションビーム式ながら、とても良く働く印象だ。

スプリングとダンパーはメルセデス・ベンツ独自のもので、小さな細かい揺れも、大きな凹みのような衝撃も、しっかり受け止めてくれる。圧縮時の衝撃吸収性が特に秀でており、走りには滑らかさすら感じる。

サスペンションは、柔らかいレートのスプリングとダンパーに、硬めのアンチロールバーが組み合わされているという。ブッシュ類の強度も高められている。

「開発全体のゴールは、シタンにメルセデス・ベンツらしいドライビング・フィールを与えることでした。お客様の多くが求めていることです」。と、シタンのプロジェクトリーダー、ダーク・ヒップが説明する。

電動機械式のパワーステアリングは操舵感が軽く、切り始めからかなりレシオが高い。低速域での扱いやすさと、流れの速い郊外の道での正確なターンインにつなげている。

商用車としてもミニバンとしても期待

次期シタンは車高が高く、柔らかいサスペンションが支えているため、ボディロールは明確に生じる。タイヤは17インチで205/55というサイズのスタッドレスだったが、氷点下近い気温でもグリップ力は非常に高かった。

従来のシタンは、メルセデス・ベンツの割には、というヒトコトがつきものだった。だが、まったく新開発となる2代目シタンでは、しっかり気になる部分の改善が図られたようだ。

完成したメルセデス・ベンツ・シタンを試乗できるのは、2021年の後半になる予定。しかし開発中のプロトタイプといえども、動的性能は確実に大きな進化を遂げていると感じた。

ハンドリングや乗り心地は、大幅に改善されている。走行時の洗練性や快適性も、段違いに良くなっていると思う。

インテリアは素材の質感が高められており、デザインも現代的なものになる。家族で移動するミニバンとして、Tクラスの強みになるに違いない。メルセデス・ベンツによれば、搭載される装備や機能はクラスベストの内容になるという。

新しいプラットフォームの採用で、荷室空間が広げられ、実用性も引き上げられている。商用車としての訴求力も増すことだろう。ユーロNCAPの衝突テストで5つ星が付けば、新しいメルセデス・ベンツ・シタンの注目度は一層高まるに違いない。

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