機能性重視の広々としたインテリア
フォルクスワーゲンID.バズのスタイリングが放つポップな印象と比べて、インテリアは機能性重視。とはいえ、ライフ・グレードの試乗車のようにポップな配色が施されれば、リアシートに乗っていても明るく陽気な気持ちで移動できるはず。
【画像】思わず欲しくなる フォルクスワーゲンID.バズ ID.3からID.5 他銘柄のBEVミニバンも 全123枚
フロントシート側はトランスミッション・トンネルがなく、非常に広々している。いい換えると、運転席と助手席は離れている。大きなフロントガラスも遠く感じる。内装にはリサイクル素材を積極的に採用する一方で、レザーは指定できないそうだ。
車内には、手持ちの小物をしまえるポケットなどの収納があちこちに用意されている。USB-Cポートは最大8個まで装備可能だから、家族全員がスマートフォンの充電をしても困ることはない。
ダッシュボードの中央には大きなインフォテインメント用のタッチモニターが据えられる。システム・バージョンは最新の3.2で、フォルクスワーゲンのCEO、トーマス・シェーファー氏は従来より遥かに安定して動作すると自信を見せる。
同時に、少々扱いにくいことも認めていた。従来のクルマなら、ボタンを1つ押せば済む機能が、このシステムではメニューを掘り下げる必要がある。運転中のことを考えれば、煩雑な操作は避けたいところ。改良の余地はあると思う。
タッチセンサー式のエアコン用操作パネルには、バックライトが内蔵されていない。夜間に温度を変えようと思っても、暗くてどこを触れて良いのかわかりにくい。こちらも再考するべきだろう。
乗用車のようなドライビング体験
インテリアには気になる部分もなくはないID.バズだが、走り出せば楽しい気分で満たされる。バッテリーEV(BEV)は、ミニバンとの相性がとてもいい。特に静寂性や洗練性は、内燃エンジン・モデルでは実現し難いだろう。
ドライビング体験自体は、フォルクスワーゲンID.4やアウディQ4 eトロンなど、MQBプラットフォームをベースとするモデルと大きな違いはない。加速力が恐ろしく鋭いわけではないものの、極めて活発。回生ブレーキの効き具合も丁度いい。
ステアリングコラムから伸びるセレクターでBモードを選択すれば、ワンペダル・ドライブも可能になる。アクセルペダルの加減で発進から停止までまかなえる。
日常的な条件なら、必要に応じて不満ない中間加速も引き出せる。モーターの回転速度が速くなり、速度域が高くなっても、太いトルクが湧き出てくる印象だった。
ステアリングホイールには適度な重み付けが施され、反応は正確。大きなミニバンに乗っているというより、乗用車のような感覚を受ける。風切り音も小さい。
ID.バズ全体の操縦性にもそれは当てはまり、低い位置の駆動用バッテリーが叶える低重心のおかげで、カーブでのボディロールは想像より遥かに抑えられている。見た目の印象を良い意味で裏切るほど、意欲的に曲がりくねった道を駆け抜ける。
リアモーターの後輪駆動というパッケージのおかげで、小回りも効く。最小回転直径は11.1mだそうだ。
価格度返しで欲しくなるニューモデル
サスペンションはリアにマルチリンク式を採用し、乗り心地も良好。高速道路ではソフト傾向の設定が影響して緩やかに揺れるものの、路面の凹凸を滑らかに均していた。
全体的な印象としては、既存のID.モデルより熟成された印象がある。大きなボディサイズと軽くない車重が、秀でた洗練性や落ち着いた味わいをもたらしているのだろう。
今回の試乗では市街地のほか、高速道路も多く走った。天気は良く適度に温かいという、駆動用バッテリーには理想的な条件で、320kmを超える航続距離を確かめている。
現在のBEVの傾向として、気温が下がる冬場では20%ほど保ちが悪くなる。英国で発売される年末に乗れば、260km程度へ短くなるだろう。急速充電能力は170kWと充分に速い。
エントリーグレードのライフで5万7115ポンド(約942万円)からと、ID.バズは安いクルマではない。しかし、すこぶるカッコいい。デザインに惹かれるあまり、価格度外視で欲しくなるニューモデルの典型といえる。
インフォテインメント系の操作性は今ひとつだが、それを理由に諦める必要はないと思う。筆者としては、待望のフォルクスワーゲンのバスとして、凡調なシートレイアウトが少し肩透かしではあった。追って登場するキャンピングカー仕様に期待したい。
まずは今回の復活を祝福しよう。フォルクスワーゲンは、BEVの新時代に見事な再発明を成し遂げた。これからのID.バスにどんな展開があるのか、続報が楽しみだ。
フォルクスワーゲンID.バズ・スタイル(欧州仕様)のスペック
英国価格:6万1915ポンド(約1021万円)
全長:4712mm
全幅:1985mm
全高:1937mm
最高速度:144km/h
0-100km/h加速:10.2秒
航続距離:410km
電費:5.3km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2502kg
パワートレイン:AC永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:76.6kWh(実容量)
最高出力:203ps
最大トルク:31.6kg-m
ギアボックス:−
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みんなのコメント
洒落てる。