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インディカー第17戦ラグナ・セカ決勝/接触頻発で8度のイエロー。戦況見切ったディクソンが最終戦を制す

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インディカー第17戦ラグナ・セカ決勝/接触頻発で8度のイエロー。戦況見切ったディクソンが最終戦を制す

 9月10日、アメリカ・カリフォルニア州のウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカでNTTインディカー・シリーズ第17戦モントレーグランプリの決勝レースが行われ、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)が今季3勝目となる優勝を飾った。

 新舗装で昨年よりポールポジション・タイムが5秒近くも速くなったラグナ・セカ。実際は、グリップするラインとそうでない部分の差が大きいことから、シビアなライン採りが要求されており、プラクティスから多くのドライバーたちがコースアウトを喫する場面が多くみられた。

スコット・ディクソンが今季3勝目【順位結果】インディカー第17戦決勝ラグナ・セカ

 レースも同じように荒れるのか、はたまたアクシデントのないクリーンな展開になるのか、まったく読めないままに決勝レースはスタートを迎える。

 1周目のターン1で、その答えは出た。多重アクシデントが早々に発生してしまったのだ。さらにこの後も接触やコースオフはひっきりなしに起こり、合計8度、計35周分のフルコースコーションが出された。

 そんな荒れたレースを制したのは、11番手スタートのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)だった。通算55勝、6度のシリーズタイトル獲得を成し遂げてきたベテランドライバーは、序盤に切り替えた作戦を見事に完遂し、今シーズン3勝目を挙げた。

 ディクソンは予選5番手だったが、決勝前のウォームアップを終えた後にエンジンを交換。そのペナルティから、スタート位置は11番手に下げられた。さらに、スタート直後に起きたリナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)との接触での責任を問われ、ドライブスルーペナルティ。ディクソンのレースは21番手から仕切り直すこととなる。

 レースは、彼のチームメイトでありすでに今年のシリーズチャンピオン獲得を決めているアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ)が、5番手スタートからアクシデントをすり抜けて首位に立つと悠々とリード。ポートランドからの連勝、シーズン6勝目に向けて周回を重ねていた。

 しかし、レース中盤、そして終盤にも重ねて出されたフルコースコーションは、プッシュを続ける彼へ無情にも牙を剥いた。

 ピットタイミングをずらしてコースの空いているところを走り、同時に燃料セーブも行いながらチャンスの到来を虎視眈々と待っていたディクソンは、95周のレースの76周目を終えたところでトップに立った。

 逆に、パロウは悪いタイミングで出たフルコースコーション中にピットインせざるを得ず、そこで順位を15番手まで落とした。

 最後のリスタートは残り18周で切られた。首位はディクソン、2、3番手にはスコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)とカラム・アイロット(フンコス・ホーリンガー・レーシング)がつけていた。マクラフランも序盤の接触で受けたペナルティを乗り越えての2番手走行だ。

 ニュージーランド出身ドライバー同士の優勝争いは、ベテランのディクソンに軍配が上がった。マシンの仕上がりも、残した燃料の多さでもディクソンは優位にあり、グリーンフラッグ直後からぐいぐいと差を広げていった。ゴール時のふたりの差は7秒3180にまで広がっていた。

 チェッカー後にマシンを降りたディクソンは、「ワイルドな1日だった。スタート前にペナルティ、レースが始まってからも他車との接触でペナルティと、良い展開ではなかった。しかし、ペナルティを課せられ、エンジンも交換すると優勝できるんだな」と笑った。

「最終的には、燃費セーブが必要な時にはそれに集中したことなどがプラスに働き、フルコースコーションのタイミングを活かして多くのマシンを一気にパスできたことが大きかったと思う」

「ショッキングだったのは、自分の前の1位、2位を走っていたライバルふたりがレース終盤ピットインしたこと。それで自分はトップに立ち、最終戦でも勝つこととなった。この勝利は来シーズンに向け、非常に大きな価値がある」と、荒れたレースを乗り切ったディクソンは振り返った。

 2位表彰台を獲得したマクラフランは、「凄いレースだった。これこそがインディカーのレース、という戦いだったと思う。絶対に諦めず、ひとつでも前のポジションを手に入れるよう全力で戦い続ける、そうして2位になることができたんだ」

「最後はディクソンにアタックしたかったが、彼はとても速かった。この2位フィニッシュで自分のランキングは3位に上がった。シリーズ3位は自分の目標で、それを達成できた。チームメイトたちとのランキング争いでトップとなれたことも嬉しい」とコメントした。

 3位で表彰台に上り、自身2度目のチャンピオンとなったシーズンの最終戦を締めくくったパロウは、「本当に素晴らしいシーズンだった。自分でも驚いてしまうぐらいだ」と喜ぶ。

「優勝は5回で、表彰台は10回。今日のレースも勝てそうだった。フルコースコーションは僕に助けをもたらしてくれなかったけれど、もちろんあのまま勝てるとは思っていなかったよ。アクシデントは起こるだろうと思っていた。だから、今日は3位でもハッピーだ」と語った。

 マニュファクチャラーズ・チャンピオンシップは逆転でシボレーが獲得した。第16戦ポートランド終了時点ではホンダが16点のリードを有していたが、最終戦でのホンダは、今シーズンの使用エンジンが5基目以上となっていることから、マニュファクチャラーポイントを獲得することができないドライバーたちが上位でフィニッシュした。

 対するシボレーは4基使用でポイントを獲得する権利の残るウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が4位、同じく4基目で走っていたアイロットが5位フィニッシュ。

 両メーカーのポイントはシボレーが1437ポイント、ホンダが1425ポイントとなって、シボレーは2012年のシリーズ復帰以来、通算8回となるマニュファクチャラーズ・チャンピオンシップ獲得を果たした。優勝数ではホンダが17戦12勝と圧倒的な数字を残したのだが……。

 タイトル争いが前戦で確定したことからさらなる注目を集めていたルーキー・オブ・ザ・イヤーは、今日のレースで8位フィニッシュしたマーカス・アームストロング(チップ・ガナッシ)が獲得した。

 ライバルのアグスティン・カナピノ(フンコス・ホーリンガー・レーシング)がラグナ・セカでは大健闘を見せ、3位入賞の可能性もあったが、他車との接触でマシンにダメージを受けたことから徐々に失速し13位フィニッシュとなった。アームストロングはオーバル5レースに出場しないスケジュールながら、チームのサポートも強力で、年間ランキング20位で栄えあるルーキー・オブ・ザ・イヤー賞を獲得した。

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