アルピーヌがF1開幕戦バーレーンGP予選で、Q1敗退を喫した。エステバン・オコン19番手、ピエール・ガスリー20番手。1週間前のプレシーズンテストから新車の不調が伝えられていたとはいえ、去年はいずれも3位表彰台を獲得していた2人が最下位に終わった結果は、やはり衝撃的だった。
「悲惨なアウトラップだ!」
敗退直後の無線で、ガスリーはコースインのタイミングが悪く、渋滞にはまってしまった不満をぶちまけた。しかしQ2進出に必要なあとコンマ3秒を絞り出すことは、「もしクリアラップを走れたとしても、到底難しかった」と、ガスリー自身も予選後の囲み取材で認めている。
一方のオコンは、「みんなを信じている。前に進み続けよう」と、スタッフたちに呼びかけた。穏やかな口調だったが、むしろガスリー以上の絶望さえ感じられた。
ではアルピーヌの新車A524の具体的にどの部分がライバルたちより劣っているのか。最も深刻と思われるのが、重い車体だ。チーム側はいうまでもなくA524の重量には言及していないが、カーボンファイバーの黒色が多く剥き出しになったカラーリングを見るだけでも、最低規定重量の798kgをクリアできていないことは明らかだろう。
マシンが重ければ、当然それだけで遅くなる。さらに、バラスト配置の自由度が下がることで運動性能も低下する。
噂ではA524は、規定重量を10kg以上超えていると言われる。それが事実なら、平均ラップタイムでコンマ3秒前後遅くなる計算だ。Q1トップだったカルロス・サインツから最下位ガスリーまでの20台が1.039秒の中にひしめく中、これはかなりのハンデキャップだ。
さらにアルピーヌに搭載されるルノー製パワーユニットが4メーカー中、最も非力であることはチームも認める弱点だ。パフォーマンス向上を目的とする開発凍結が禁じられている中、ルノーは吸排気系のレイアウト変更などで何とかエキストラパワーを搾り出そうとした。しかしストレート主体のセクター1、3での区間タイム(セクター1は10チーム中7番目、セクター3は最下位)の遅さを見る限り、その努力は結果に出ていない。
アルピーヌは昨シーズンの真っ最中に、チーム代表のオットマー・サフナウアー、スポーティング・ディレクターのアラン・パーメインを解任。チーフテクニカルオフィサーのパット・フライも自ら離脱を決めた。英国エンストンの車体開発部門への支配力を、ルノー本社が強めようとしたことによる確執が原因だった。
その後ルノーは新代表のブルーノ・ファミンを始め、生え抜きのスタッフをエンストンに送り込んだ。レース運営や車体開発の要職にあった主要メンバーがごっそり抜けた穴は、今も埋められていない。人望の厚かったサフナウアー代表が突然解任され、エンジン開発が専門のファミンが後任に坐ったことに、エンストンのスタッフたちは今も不満を抱えていると言われる。
重い車体、非力なパワーユニット、そしてチーム内にくすぶる不満。そんな三重苦を抱えたアルピーヌの今シーズン中の復調は、かなり厳しいかもしれない。
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