はじめに 次世代レクサス第1弾
text:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)
6月12日。レクサスは新型NXを世界初公開した。NXは、レクサスのSUVラインナップの中では、UXの次に大きいクロスオーバーSUVだ。
海外ではコンパクトSUVに相当するが、日本ではミドルクラスSUVと呼んだほうが当てはまるようだ。
レクサスというブランドゆえ、日本でも海外でも競合車種はBMW X3やアウディQ5、メルセデス・ベンツGLCといったプレミアム・クロスオーバーSUVになるだろう。
NXは2014年に発表された現行型が初代となり、新型は2代目となる。
「プレミアム・アーバン・スポーツギア」をコンセプトにした現行型NXは、都会を機敏に駆け抜ける高い走行性能と、SUVらしい力強いデザインが好評となり、2021年4月末時点で90以上の国と地域で累計約100万台を販売。ひとクラス上のクロスオーバーSUVであるRXとともにレクサスのグローバル・コアモデルへと成長した。
そんなNXが、カーボンニュートラル社会の実現と、多様化する顧客のニーズやライフスタイルに寄り添うクルマづくりを推進させる次世代レクサスの第1弾モデルとして、新型にフルモデルチェンジされた。では、その概略を紹介していこう。
新型レクサスNX 外観
新型NXのボディサイズは、全長4660×全幅1865×全高1640mm。現行型と比べて、20mm長く、20mm幅広く、5mm高い。
ホイールベースは2690mmで、現行型より30mm長い。つまり、数値上はサイズアップしているが、それほど大きく変わったわけではない。
デザイン面では、レクサスのアイデンティティであるスピンドルグリルを起点に、大きく張り出しながらリアフェンダーに向かう立体でスピンドルアーキテクチャーを深化。新型NXのリニアな走りを表現している。
さらに、フロントフェンダーからキャビンに駆け上がる立体がリアフェンダーに向かう立体と交差し融合する造形で、レクサスの独自性を追求している。
グリル面は垂直に立てて、ボンネットフードをフロント先端間際まで伸ばし、かたまり感を強化。直立したグリルはラジエターの冷却性能を向上させる働きもある。
サイドビューでは、直立したグリル面に向かうボンネットフードで伸びやかさを表現し、リアオーバーハングを短くして軽快感を演出。またベルトラインの直線部を短くし、リアへ向かうキックアップを強調してキャビンに凝縮感を与えている。
車体後部は、バックドア中央に向けてスピンドル形状をモチーフに絞り込み、リアフェンダーがスピンドル形状を挟み込む造形が、キャビンまわりの凝縮感とタイヤの張り出しを強調する。リアコンビネーションランプは、中央に配した一文字ランプと左右のL字型を独立させて、NXの個性を追求した。
バックドア中央には、従来のL字ブランドマークではなくLEXUSロゴが配され、次世代レクサスを象徴している。
新型レクサスNX 内装
インテリアは、2019年に発表されたコンセプトカー「LF-30エレクトリファイド」で発表された「タズナ・コンセプト」に基づくコクピットが設計された。
これは人が馬を操るときに使う「手綱」に着想を得て、ステアリングスイッチとヘッドアップディスプレイを高度に連携させ、視線移動や煩雑なスイッチ操作をすることなく、ドライビングに集中しながら各機能の制御ができる空間を実現している。
ドライバーとパッセンジャーには最適な車室が演出され、ヘッドアップディスプレイからメーターへ前後方向につながる情報表示系と、ヘッドアップディスプレイからセンターディスプレイにつながる操作系の構成が、運転中のスムーズな視線移動を実現。
また、スタートスイッチ、シフトレバー、ドライブモード・セレクト・スイッチなどをステアリング周辺の自然に手が届く場所に配置した。
ヘッドアップディスプレイとステアリングのタッチセンサースイッチを組み合わせた「タッチトレーサーオペレーション」は、手元を見ることなく視線を前方に置いたまま直感的に操作できる。さらに大型のタッチディスプレイの採用で多くの機能をディスプレイ内のソフトスイッチに集約し、直感的に操作できる配置・形状を追求している。
ステアリングも新開発で、これまで培ってきた握りやすく操作しやすい形状を継承しつつ、ホーンパッドの小型化やスポークデザインの変更でスポーティさを向上。シフトレバーはバイヤイヤ機能用を新開発し、しっとりとした触り心地や操作しやすい形状を追求している。
新型レクサスNX シャシー
シャシーは、GA-Kプラットフォームを進化。駆動力をしっかり受けとめるために、サスペンションメンバーなどに補強ブレース/補強パネルを追加し、カウル形状を見直し、板厚も上げている。
骨格の接合には、レーザースクリューウエルディングや構造用接着剤に加え、レーザーピーニング溶接技術を新開発し、現行型より約35%接着長を伸ばすことで接合強度を高めた。
サスペンションも新開発で、フロントはマクファーソンストラット式、リアはトレーリングアーム式ダブルウイッシュボーン。新開発のダンパーは、摺動部品の変更で微低速の減衰力を確保している。
ホイールは、スタッドボルトとハブナット締結からハブボルト締結に変更。高剛性化とバネ下の軽量化により、すっきりとした手応えのある操舵フィールと質感の高い乗り心地に貢献する。
ステアリングにはレクサス初のバリアブルラックギアを採用し、高速域の安定性を保ちつつ、コーナリングでのクイックなレスポンスを両立させた。また、低速域での取り回しの良さにも寄与している。
ブレーキは人間工学に基づいて新形状のブレーキペダルパッドを開発。踏み替え/踏み込み操作のしやすさを追求している。さらにPHEVとHEVには、ペダル戻し減衰機構をレクサスで初採用し、ペダル抜き操作の動的質感を高めている。
新型レクサスNX パワートレイン
新型NXには、6種のパワートレインが設定されている。
まず、レクサス初のPHEV(プラグインハイブリッド車)となる「NX450h+」は、2.5LエンジンとTHS IIプラグインシステムとリアモーターを組み合わせたEフォー。前後駆動力配分は、100:0~20:80の間で可変する。PHEVは日米欧など一部地域のみで販売予定だ。
HEV(ハイブリッド車)の「NX350h」は、2.5LエンジンとTHS IIシステムを搭載。FFモデルと、リアにモーターを搭載したEフォー(前後駆動力配分はPHEVと同じ)の2種を設定する。
「NX350」は、新開発の2.4L直4ターボエンジンと高トルク対応型ダイレクトシフト 8速ATに新開発の電子制御フルタイムAWD(前後駆動力配分は75:25~50:50まで常時可変)を組み合わせる。このパワートレインは、Fスポーツのみに設定予定だ。
「NX250」は、高効率の2.5L直4エンジンとダイレクトシフト8速ATを組み合わせたエントリーグレード。FFモデルと、電子制御スタンバイAWD(前後駆動力配分は100:0~50:50まで可変)を採用したAWDモデルを設定している。
なお、地域限定ラインナップとして、「NX400h+」(中国のみ、2.5L PHEV/FF)、「NX260」(中国のみ、2.5L直4+ダイレクトシフト8速AT/FF)、「NX200」(台湾・ロシアのみ、2L直4+ダイレクトCVT/FF)なども設定される予定だ。
いずれも、詳細なパワースペックは今のところ公表されていない。
新型レクサスNX 装備
プレミアム・ブランド「レクサス」の新世代モデルにふさわしく、安全&快適装備は充実している。
先進安全技術では、人とクルマが互いにサポートし合うスムーズな共同作業の実現を目ざし、ミリ波レーダーおよび単眼カメラの検知範囲拡大により、各機能の性能向上や一般道での支援を行う新機能を追加した、最新の「レクサス・セーフティシステム・プラス」を装備している。
ドアのラッチ/アンラッチを電子制御で行うeラッチとブラインドスポットモニターを組み合わせた、停車時のドア操作に起因する事故防止に貢献する「安心降車アシスト(ドアオープン制御付き)」を世界で初搭載した。
スマートフォンを介してロック/アンロック、エンジンスタートなどの車両操作ができるデジタルキーや、スマートフォンにより車外からの遠隔操作を可能とし、不慣れな場所や狭い場所での駐車を支援する、レクサス初のリモート駐車機能付き「アドバンスドパーク」など、最新の予防安全技術と先進技術を採用。
そのほか、14インチのワイド・ディスプレイを採用した最新のマルチメディア・システム、コネクテッド・ナビ、マークレビンソン・プレミアム・サラウンドシステムなど、インフォテインメントの充実ぶりも、このクラスでトップレベルにあるといえるだろう。
新型レクサスNX Fスポーツ
ほかのレクサス・モデルと同様、新型NXにもスポーティグレードの「Fスポーツ(F SPORT)」が設定される。
エクステリアでは、20インチの専用アルミホイール、フロントバンパーロアのスポイラー、そして存在感のあるサイドガーニッシュなどを装備している。
インテリアでは新開発の専用ステアリングホイールに加え、フロントシート、アルミペダル、シフトレバーなどを専用設定し、Fスポーツの名にふさわしい走りのイメージを強化。
パワートレインでは、新開発の2.4Lターボ+電子制御フルタイム4WDの組み合わせは、Fスポーツのみに設定される。
足まわりには最新のAVS(アダプティブ・バリアブル・サスペンションシステム=減衰力可変サスペンション・システム)を標準装備し、操縦安定性と乗り心地を高次元で両立させた。
公表されたスペック
新型レクサスNXの日本における発売日は、2021年秋ごろを予定している。
主要諸元は、現時点では一部のデータのみ公開された。詳細なスペックおよび日本価格は、今後明らかになる。
ボディサイズ
全長:4660mm
全幅:1865mm
全高:1640mm
ホイールベース:2690mm
パワートレイン
・プラグインハイブリッド(NX450h+)
2.5L直4プラグインハイブリッド+CVT
・ハイブリッド(NX350h)
2.5L直4ハイブリッド+CVT
・2.4Lターボ(NX350 Fスポーツ)
2.4L直4ターボ+8AT
・2.5L(NX250)
2.5L直4自然吸気+8AT
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