BEV(バッテリー式電気自動車)として復活した新生「ハマー」に、小川フミオがアメリカで試乗した。
さらにパワフルになった!
あのハマーがBEVになって帰ってきた! GMCが開発したハマーEVは、まずSUTなるピックアップトラック仕様が2021年晩秋に発売され、1000psを誇るパワフルな「エディション1」はわずか10分で完売。幸いに、このモデルに試乗ができた。こりゃ異次元!とビックリする性能ぶりだった。
かつて、一部で絶大なる人気を誇ったハマー。2010年に親会社ゼネラルモーターズ(GM)がブランドの廃止を決めたあと、ファンにとっては長い空白があった。
復活は2020年。2040年にカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量の均衡)をめざすGMが開発した、ピュアEVのフレキシブルプレットフォーム「アルティウム」を使って、ピュアEVとして最新モデルが発表されたのだった。ただし、パワフルで鳴らした特徴はそのまま。さらにパワフルになっている。
まず4ドアのピックアップ仕様が発売され、追ってSUVなるクローズドボディの仕様が加わる。後者のほうがホイールベースを含めてすこしコンパクトになるようだ。今回乗ったのは、繰り返しになるけれど、ピックアップの「エディション1」なるグレード。
ハマーEVは、アルティウム最大の24モジュールのバッテリーを使う。最高出力はエディション1で合計1000psに達し、最大トルクはGMCによると1万1500パウンドフット。
1万1550パウンドフットって、換算すると、1万5640Nmに相当する。さすがにアメリカの自動車メディアも「そりゃいくらなんでも数値が高すぎる」なんて書いているのを私は読んだ。
ICE(内燃機関搭載)搭載のハイパワーSUVを探してみると、4.0リッターV8ツインターボのメルセデスAMGの「G63」や、ランボルギーニ「ウルス」などがすぐ思いつく。
両車とも、最大トルクは850Nm。ハマーEVのトルク値はこれらのスーパーSUVを凌駕し、ダッシュ力でも電気モーターのハマーが勝る。静止から100km/hまで3秒フラットなのだ。
4.5tを意識させない走り
ドライブの印象はものすごくスムーズ。別の言い方をすると、どんな道でも安定していて、加速性にすぐれ、そして快適なのだ。
私はおなじタイミングで、6.2リッターV8を搭載するシボレー「シルバラードZR2」(最大トルク623Nm)にも試乗した。路面を踏みしだいていくような、パワフルな走破性に感銘を受けたが、ハマーEVに乗ったら、いきなり感動が上書きされてしまった。
全長5506mmのボディを、3444mmという長いホイールベースのシャシーに載せ、車重は約4.5t。超ド級ともいえるサイズだ。ボディ全幅は2202mm、左右輪の感覚であるトラック(トレッド)は1861mmもある。日本だとコインパーキングにいれるのも無理だろう。
それなのに、太いトルクで気持よく走ってくれるので、サイズ感も車重も意識させない。重めの大容量バッテリーを床下に搭載するため、重心高も低く、ハンドリングは軽快ともいえるほど。アクセルペダルを軽く踏んだだけで、さっと加速するし、カーブを曲がるときの身のこなしも重さを感じさせない。
ハマーEVは電子制御ダンパーを備えているし、3モーターのエディション1ならば、後輪を左右別々にモーターで駆動し、トルクを制御する。トルクベクタリング機能も使い、操舵性を高めているのだ。さらに、後輪操舵システムをもつため、低めの速度なら狭い場所での取りまわし性もよい。
4.5tもの車重に対してオールテレインタイヤのグリップの限界がどのへんにあるかわからないので、頭のなかでは「無理をしないでおとなしく(走れ)」と、自分に言い聞かせたが、期待以上に軽快だったので、ついついアクセルペダルを踏み込んでしまった。
価格は、ベーシックモデルともいうべき650psで7400パウンドフットのトルクを持つ「EV2」が8万4650ドルから(約1134万円)。それに後輪操舵システムやエアサスペンションなどをそなえ航続距離が250マイル(約402km)から300マイル(約482km)に延びた「EV2X」が9万4650ドルから(約1267万円)。そして、3モーターでトルクベクタリング機能を持ち、出力も830psと1万1500パウンドフットに上がった「EV3X」が10万4650ドル(約1400万円)からとなる。
日本への導入は「未定」と、ゼネラルモーターズ・ジャパン。入ってきたら、道路の王者になるかもしれない、よ。
文・小川フミオ
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みんなのコメント
ハマーじゃないわよ、これ、、、
H2を持ってましたが完全に違う車だわ、これは
ベンツのGクラスみたいに前のデザインに近いままにすれば良かったのになぁ
それたら買ってたわ