【MotoGP】バスティアニーニ、復活告げる今季初優勝に感無量「勝利だけを望んでいた。信じ続けてくれた皆に感謝したい」

　セパン・インターナショナル・サーキットで行なわれたMotoGPマレーシアGPで勝利したエネア・バスティアニーニ（ドゥカティ）は、久しぶりの勝利の喜びを噛み締めている。

　バスティアニーニは昨年グレシーニで大活躍したことで、今年からドゥカティのファクトリーチームへと加入。しかし開幕戦でクラッシュして怪我を負うという幸先の悪いスタートを切り、GP23への適応にも苦しんだことで昨年のような強さを見せることができずにいた。

　ただマレーシアGPで彼は復調を果たした。予選で3番手を確保すると4位でスプリントを完走。決勝レースではスタートで先頭に躍り出ると、その後はライバルに一度もオーバーテイクを許すこと無くトップチェッカー。今シーズン初優勝を果たした。

　レース後バスティアニーニは、マレーシアGP決勝では勝利以外は望んでいなかったと語った。

「本当に素晴らしいよ。苦しい時期を経てきたから、また勝者に戻ることができて良かった」

「今日、僕は勝利だけを望んでいて、他は何も望んでいなかった。他のことは気にしていなかったんだ。自分にはそれができると分かっていた」

「予選みたいにレースは最初からプッシュして、ラスト数周はギャップを維持しようとしていた。もう余力もなかったんだけど、なんとかフィニッシュできたよ！」

　バスティアニーニはマレーシアGPでの復活について、スプリントレース後には親指でのリヤブレーキ操作を活用していると話していた。それに加え、エンジンブレーキの設定を変更したことも効果的だったと語っている。

「エンジンブレーキの設定を結構変更したんだ。これが鍵のひとつだったのは間違いないだろう。タイGPから考えていたことで、ここで変更を実施したんだ。でもセットアップという面では同じだよ。変わったのは再現性で、ブレーキングで最近まで毎周のように起こしていたミスがなくなった。それでまた楽しめるようになると、強くなれるんだ」

「ここで何ができるか、それを考えながらマレーシアに来ていた。僕のチームスタッフも自分も、レースのセットアップやレース全体についてより自信を持っていたんだ」

「チーム皆に感謝を伝えたい。皆、僕のことを信じ続けてくれていた。クルーチーフはレース前に『僕は君のことを見てきたし、理解している。レースで状況が変わることが君にも分かるだろう』と言われたんだ。そして、それはこういう（優勝するという）ことだった」