初代フェアレディの輸出モデルを徹底モディファイ!
帰国子女モデルSRL311のモダン仕様ここに極まれり
「2代目フェアレディにメカチューン仕様のSR20DEを換装」超レアなSRL311をいじくり倒すオーナーに乾杯!
1967年にデビューしたSRL311。Zの付かない2代目フェアレディの輸出バージョンだ。
ベースモデルのSP310は1962年にデビューし、第一回日本グランプリでクラス優勝を果たすポテンシャルを持っていた。そして派生モデルのSR311は、世界のライトウエイトスポーツをリードする高性能。トライアンフやオースティン、MGなどを凌駕する性能にコストパフォーマンス良さが重なり、北米市場で高い評価を得たのだ。
車重910キロに145psというパッケージは現代でも十分通用するものだが、実際には50年以上前のモデルだけに機関のコンディションを保つだけでも一苦労。しかも取材車両は輸出用のため、メンテナンスパーツも簡単には手に入らない状況。そんな背景もあり、趣味と実用性を求めるオーナーは独自のモディファイを続けてきた。
事の始まりはオリジナルエンジンがブローしたこと。そこから壊れずに楽しめるエンジンを求め続け、FJ20換装→2.2L化&キャブ仕様→またもやブロー→SR20DE換装→VEヘッド化…と、仕様変更を繰り返しながら現スペックに辿り着いたそうだ。
心臓部を見ていく。腰下はFR用のSR20ブロックに、RNN14クランクとSR16VEのピストン、旋盤で軽量加工したコンロッドを組み合わせて強化。ヘッドは面研したVEヘッド&ハイカム(IN&EX260度 12mmリフト)をセットし、圧縮比は11.5:1の設定だ。これらの製作は、オーナーが周囲の力を借りながらDIYで行ったというから恐れ入る。
吸気系はしばらくキャブ仕様で遊んでいたが、快適性を追求して東名パワードの多連スロットルとフルコン(レイテック)を投入してスポーツインジェクション化。ポートはフィーリング重視で段差を取る程度の加工が施されている。
EXマニはワンオフ品。「エンジン搭載位置とスペースの関係で完全な等長を製作することができなかったのが心残りです」とオーナー。
エンジンの制御は東名パワードのレイテックで行われる。インジェクション化した上で緻密なセッティングが取られているため、クラシックカーにありがちなトラブルはゼロだ。
マフラーは純正形状の社外品で、燃料タンクは補修目的で製作したステンレスのワンオフ品となる。
トランクに移設されたヒューズボックスは、建築用のヒューズやリレーの組み合わせで作られている。スペースの問題と重量配分の改善のため、バッテリーもトランクに移設。
Z32キャリパーを前後に流用してストッピングパワーを強化。ちなみにローターは15インチホイールが履けるように小径化が行われている。
コクピットはパルサーGTi-Rのメーターパネルをインストール。それに合わせて、革とアルミパネルでダッシュボードのイメージを一新。ミッションはシルビア用を導入している。
エクステリアは可能な限りオリジナルをキープする方向性だが、ボンネットだけはスペース確保と熱対策のために作り直されている。
度重なるアップデートの末に目指していたフィーリングと快適性能を手に入れたというオーナーだが、慣れてしまえばさらなるリメイクも…と考えてしまうのがチューニング好きの性。この美しきフェアレディの進化はまだまだ終わりそうにない。
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