オーストラリア・メルボルンのアルバート・パーク・サーキットを舞台に行なわれるF1オーストラリアGP。土曜日午後の予選セッションでは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンがポールポジションを獲得した。
この日のメルボルンは分厚い雲に覆われ、時折雨がコースを濡らす不安定な空模様。予選前には雨も降り注いだが、セッション開始を前に雨は上がった。現地16時00分の時点で気温は14度、路面温度は21度というコンディション。ただ路面コンディション改善の幅が大きいこともあり、コース上でタイムを出し続けることが重要になった。
■レッドブルは元々”フェルスタッペン1台体制”じゃない! ホーナー代表、ドライバーふたりの平等な扱いを強調
5台の足切りが行なわれる18分間のQ1に向けて、中団チームは開始前からマシンをピットレーンに並べた。Q1突破が比較的容易と考えられる上位チームの多くは、少し遅れてのピットアウトとなった。
各車が最初のタイム計測を行なう中で、ウイリアムズのローガン・サージェントが最終シケインの濡れた縁石に足を取られてスピン。続いてフリー走行3回目でもマシンバランスの問題を訴えていたセルジオ・ペレスが、ターン3への進入で右フロントタイヤをロックアップさせコースオフ……マシンはグラベルに埋まり、ペレスはマシンを降りた。これにより、前戦サウジアラビアGPの勝者が最後尾からスタートすることとなった。
ペレスのコースオフにより赤旗が提示され、マシン回収を経て、Q1は残り12分で再開された。
中団グループの多くはここで2セット目の新品ソフトタイヤを投入。一方で、レッドブルのマックス・フェルスタッペンやアストンマーチンのフェルナンド・アロンソ、メルセデス勢やフェラーリ勢はユーズドを履いた。
路面温度は24度とセッション開始時点よりも温かくなったものの、タイヤの温まりや路面の急速な改善から、多くのドライバーが2回目のタイム計測でラップを改善した。
フェルスタッペンは2回目のタイム計測で1分17秒469、1分17秒384と自身のトップタイムを更新。ジョージ・ラッセル(メルセデス)は3回目のアタックでタイムを上げ、フェルスタッペンに次ぐ2番手でQ1を通過した。
Q1の当落線に目を移すと、角田裕毅(アルファタウリ)が1分18秒471を記録して15番手でギリギリ通過。地元戦オスカー・ピアストリ(マクラーレン)が0.046秒及ばず16番手、以下アルファロメオ勢とサージェント、ペレスが脱落となった。サージェントのチームメイトであるアレクサンダー・アルボンは、直線パフォーマンスの良さを武器に一時2番手まで浮上するなど速さを見せており、Q1ではチームメイト間で0.595秒のラップタイム差が開いた。
晴れ間も差す中、トップ10入りを決める15分間のQ2が開始されると、多くのドライバーが比較的序盤からコースイン。アルボンを除き14台が新品のソフトタイヤを履いた。
各ドライバーがタイヤの温めに2周を要す中、1周の温めでタイム計測へ出たアストンマーチンのランス・ストロールが1分17秒616で暫定トップへ。アロンソが2番手で続いた。しかし、その2台をシャルル・ルクレール(フェラーリ)、そしてフェルスタッペンが上回っていった。
1セット目で3回タイム計測を行なったアロンソを除き、14名のドライバーはQ2後半へ向け2セット目のソフトタイヤにスイッチ。10番手付近のドライバーは精力的にタイム計測を続け、タイムシートも目まぐるしく変化していった。
その中、残り2分というところでアルボンはセクター2で全体ベストをマークして9番手へ。アルピーヌ勢やアルファタウリ勢、ランド・ノリス(マクラーレン)、ケビン・マグヌッセン(ハース)に対して先行した。
ガスリーがタイムを上げ、アルボンが10番手で踏みとどまる中、トラフィックに遭遇したエステバン・オコン(アルピーヌ)は0.007秒足りずにノックアウト。角田はセッション中の車検でアタックの機会を逃したこともあり12番手。ノリス、マグヌッセン、ニック・デ・フリーズ(アルファタウリ)がQ2で姿を消した。
なお、Q2トップタイムはフェルスタッペンの1分17秒056だった。
迎えたQ3では、ポールポジションを狙うフェルスタッペンを先頭に各車続々とピットアウト。Q2で晴れ間もあった空には今にも泣き出しそうな暗雲が垂れ込めており、雨が降る前にタイムを出しておこうと早々にアタックを実施した。
まずはフェルスタッペンが1分17秒578でターゲットタイムをマークしたものの、このラップでは最終セクターでのミスもあり、続けてアタックを行なったメルセデス勢やフェラーリ勢などが上回っていった。
1回目のタイム計測ではルイス・ハミルトン(メルセデス)が1分17秒271でトップに立つも、フェルスタッペンは2回目のアタックでタイムを1分17秒262まで上げ、再びトップを奪取した。
手持ちタイヤに余裕のあるドライバーは残り3分というタイミングで2セット目の新品ソフトタイヤを投入し、最後のタイム計測へ。天気も何とか持ちこたえ、フェルスタッペンが1周をまとめ上げ、1分16秒732でポールポジションタイムを記録した。
2番手にはふたり目の1分16秒台となるラッセル。フェルスタッペンから0.236秒差ながらもフロントロウに並び、チームメイトのハミルトンを3番手に従えた。今季メルセデスは苦戦が続いたが、第3戦にして1周のペースでレッドブルに迫ることに成功した。
4番手にはアロンソ、5番手にカルロス・サインツJr.、6番手ストロール、7番手ルクレールと、トップ3以下はアストンマーチン勢とフェラーリ勢が入り乱れた。
8番手にはアルボン。後方に沈みがちなウイリアムズを入賞圏内のポジションまで引き上げた。以下9番手にガスリー、10番手にニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)というトップ10だった。
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