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「バチッ!」なぜ給油前「黒パッド」タッチ 乾燥時は特に注意が必要な理由とは

掲載 更新 3
「バチッ!」なぜ給油前「黒パッド」タッチ 乾燥時は特に注意が必要な理由とは

■黒いパッドの正体とは

 セルフ式のガソリンスタンドで給油する際、静電気を除去するための黒いパッドに触れるアナウンスが表示されます。しかし、給油する人のなかには触れずに給油を開始する人も多いようです。では、黒いパッドにはどのような役割があるのでしょうか。

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 セルフスタンドにある黒い物体の招待は「静電気除去パッド」と呼ばれるもので、人体に帯電している静電気を除去する役割をもっています。

 一般的に静電気といわれる現象は、「乾燥」と「摩擦」によって発生するため、冬場は発生しやすくなるもので、金属製のドアノブなどに触れた際、パチッと軽い感電する状態です。

 この感電している状況では、わずかに火花が発生しているため着火の原因となってしまう場合があります。一部の帯電体質の人からは「ピカチュウ人」という表現もされています。

 着火源になるということは、ガソリンに引火する可能性もあります。ガソリンは、なんとマイナス40度ほどの低温下でも気化するため、寒い地域でも油断できません。

 実際に北海道札幌市などでは、ホームページ上でガソリンの引火点をアナウンスするなど、注意喚起を徹底しています。

 また、気化したガソリンは空気よりも比重が重いため地面に滞留しやすいという特徴を持っています。ガソリンは、気化しやすく上に登っていきにくいため、液体に触れていないのに引火したといった火災事例もあります。

 ガソリンスタンド内では火気厳禁となっているため、喫煙やエンジンをかけたままの給油は絶対にしてはいけませんが、静電気を帯びた状態というのも大変危険です。

 そのため、静電気除去パッドに触れることで体に溜まった静電気を除去します。なお、長い時間や何度も触る必要はなく、基本的にはワンタッチで放電することができるとのことです。

 静電気除去パッドの使用に関する注意点について、ガソリンスタンドのスタッフは「必ず素手で触れてください。静電気除去パッドに触れた手が手袋をしている状態だったため、火災が発生した例があります。ノズル等の誤操作を防ぐためにも、給油は素手でおこなってください」と注意喚起します。

 また、そのほかの静電気対策について、JAFは以下のように述べています。

 静電気を逃がしてやることも主要です。クルマに乗り込む際には、まずキー(鍵)でボディに触ってからドアノブに手をかけると、この時点で放電が起こるので、バチッとこないで済みます。またシートカバーやクッション類、キーホルダーなどの静電気防止グッズを利用するのも有効です」

■店員は静電気除去パッドに触れない? ほかのトラブルは?

 通常のガソリンスタンドでは、店員が静電気除去パッドに触れている姿を目にすることがありませんが、その理由は店員が着用しているユニフォームが関係しています。

 ガソリンスタンドの店員が着ているユニフォームは「静電気帯電防止作業服」と呼ばれているもので、JIS規格の基準を満たした静電気が帯電しにくい仕様です。

 ユニフォーム着用時は摩擦による静電気の発生がないため静電気除去パッドに触れる必要がなく、安全に給油作業をおこなうことができます。

 帯電は自覚が難しく、「パチッ」となるまで気が付きにくい現象です。とくに、クルマに乗り降りする際はシートとの摩擦によって簡単に静電気が発生してしまいます。

 また、静電気は完全に把握しきれていない現象のようで、細かい部分では研究者の間でも意見が分かれるとのことです。冬だけでなく夏も静電気は発生しますので、季節を問わずに給油時は静電気除去パッドへ触れるようにしましょう。

 セルフスタンドではドライバー自身のミスによって起こるトラブルが増加しているそうです。

 たとえば、指定燃料の入れ間違えです。一般的なクルマの燃料は「レギュラーガソリン」「ハイオクガソリン」「軽油」の3種類があります。

 慣れないクルマであれば、レギュラー車なのかハイオク車なのかディーゼル車なのか、とっさに思い出せない状況があるでしょう。

 たとえば、レギュラー車からディーゼル車に買い替えた際、無意識にレギュラーを入れてしまっては、重大なエンジンの故障を招いてしまいます。

 入れ間違いを防ぐには、給油ノズルの色を確認します。ノズルの色は法令によって決まりがあり、軽油は緑、レギュラーガソリンは赤、ハイオクガソリンは黄色と定められています。

 また、燃料をあふれさせるというトラブルもあるようです。

 給油ノズルは給油口の奥まで差し込むことで満タン時に自動停止する設計となっています。しかし、差し込みが甘く抜け落ちてしまったり、ギリギリまで満タンにする目的でノズルの先端が見える状態で給油する人も存在します。

 少しの量であっても気化したガソリンは引火しやすいため、あふれた際は必ず店員に声をかけるようにしましょう。

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みんなのコメント

3件
  • 給油ノズルの色分けは
    セルフ始まって、しばらくしてから決めたのかな、緑のハイオク?入れたことある

    全部黒もあったよーな

    軽油は←軽自動車て人もいるとか
  • パッドに鼻くそついてたらと思うとゾッとする。
    またインフルエンザの感染も怖い。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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