航続距離700km 全長5.0m級の大柄なセダン
フォルクスワーゲンの新型EV「ID.7」が上海モーターショーで公式発表された。高級感を強調した大型のセダンである。
【画像】フォルクスワーゲンの上級セダン、新世代へ突入【新型ID.7をパサートやアルテオンと写真で比較】 全75枚
フォルクスワーゲンID.7は、「長距離用」として設計されており、現行EVではまだ使用されていない86kWhバッテリーを搭載した「プロS」仕様では、最大700kmの航続距離を誇る。同社のEVとしては最長距離であると同時に、最も速い充電が可能であり、最大200kWの充電速度に対応している。
標準の「プロ」仕様には、ID.4やID.Buzzでおなじみの77kWhバッテリーが搭載され、航続距離は615km、最大170kWでの充電が可能だ。
新開発のモーターと1速トランスミッションを採用することで、現行EVよりも効率とパワーデリバリーを向上させたという。このモーターは、これまでのフォルクスワーゲンの後輪駆動車の中で最も強力なもので、最高出力286psと最大トルク55.5kg-mを発揮し、0-100km/h加速は約6.0秒となる。
さらにツインモーターの「GTX」仕様も後日発表される予定だ。つまり、ID.7のパワートレインのラインナップは、シングルモーター/後輪駆動とツインモーター/四輪駆動の2種類が用意されることになる。これは、ライバルとなるテスラ・モデル3、ヒョンデ・アイオニック6、ポールスター2などと同じ構成である。
まだ詳細は不明だが、ID.7 GTXでは、286psのリアモーターと108psのフロントモーター(ID.4 GTXと同じ)を組み合わせ、合計395ps近い出力を持つことになると予想される。
室内は高級感を演出 使いやすさも重視
全長約5.0m、ホイールベース約3.0mで、内燃機関モデルである現行のパサートよりも大きく、アルテオンに近いサイズだ。
室内は実用性を重視しているが、ボタンを押すだけで不透明から透明に切り替わるパノラマルーフ、マッサージシート、拡張現実(AR)ヘッドアップディスプレイ、車載システム「MIB」の最新版を搭載した15.0インチのインフォテインメント・タッチスクリーンなど、さまざまな工夫で高級感を演出している。
フォルクスワーゲンは、新しいMIB(改良新型ID.3と共通)の使いやすさを強調している。タッチスクリーンの上部には、主要な機能に素早くアクセスできるダイレクトアクセスバーが新たに設けられた。例えば、使用中のアプリを閉じることなくメインメニューを開くことができ、ホーム画面ではよく使うアプリのアイコンを表示するよう設定することもできる。
また、室内温度とメディア音量を調節するタッチスライダーは照明付きで、夜間でも操作しやすいようになっている。
ID.7は、今年の秋に欧州と中国で発売され、2024年に米国でも発売される予定である。価格は未定だが、フォルクスワーゲンは5万ポンド(約830万円)前後のスタート価格を提示している。
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