「高級車」のイメージがあるBMWはバイクもやっぱり高額
BMWは100年を超える歴史を持つドイツの車両メーカーである。
四輪の「高級外車」というイメージが強いかもしれないが、BMWモトラッドというブランドでバイクも製造しているのだ。
【写真8点】70万円台~300万円オーバーまで!意外に価格の幅があるBMW GSシリーズ
筆者は現在2019年式のBMWバイクに乗っているが、「お兄ちゃん、このバイクなんぼすんねん?」とか、「BMWってバイクも作っているんですね、きっと高いんでしょ?」……というのはサービスエリアや観光地の駐車場でおっちゃんおばちゃんからよく聞かれる問である。
一般人がBMWのバイクの価格について知りたがるのは「きっと高いのだろうけどどれぐらいするのだろうか」という興味本位だろうからよく分かる。これがライダーの視点になってくると、車体価格に加えメンテナンスや故障でどれぐらいの維持費がかかるのかを併せて知りたいのも当然のことだろう。
そこでこの記事では、比較的年式の新しいBMWを所有した場合、どれぐらいの維持費や修理費がかかるのか、今現在2019年式のBMWを所有している私の実例を元にご紹介したいと思う。まず最初に、私はフリーランスのライターであるが、BMWの専門誌「BMWBIKES」に長年携わっているので、多くのBMWユーザーから情報を得て知見を広めていることをお伝えしておく。
比較的安価な中型モデル「G310シリーズ」もあるが……
さて、まずは「BMWのオーナーはそれなりに金持ちなのか」という多くの人が知りたいであろう疑問の答えだが、それはやはり「YES」と答えるのが妥当だろう。
まずBMWは車両価格が高い。一番安いG310Rだと68万1000円~と、普通免許クラスとしてはこなれた価格だが、一般的にBMWの代名詞として人気のあるR1250GSあたりになると一番スタンダードなタイプで226万2000円、さらに高額なバリエーションモデルもあり、そこにハードケースなどのオプションを追加するとあっという間に300万円を超えてくる。
R1250GSと同じアドベンチャーカテゴリーのバイクでも、たとえばホンダのCRF1100Lアフリカツインのスタンダードモデルだと基本価格が163万9000円ほどなので、もろもろオプションをつけても200万円に収まるだろう。これがスズキのVストローム1050XTだった場合は151万8000円なので、もう少し安くなるはず。つまり国産と比べると100万ほどは高くなってしまうということになる。
車体価格は多くのユーザーがローンを組むはずだが、例えば総額が300万円となると金利を考えずに月に2万5000円の支払いをした場合は120回の返済となり、金利を入れると実に10年以上もローンを、払い続けることになる。独身の一人暮らしであればそこまでの負担ではないが、妻子があり住宅ローンなどを抱えていると、年収500万以上はないと余裕はなさそうだ。BMWではたまに1%を切るキャンペーンを実施しているので、もし購入するなら、そういったときが狙い目だろう。
「自力メンテナンス」がやり辛いのも維持費がかさむ原因に
続いてメンテナンスにかかる費用。私の場合は新車で買って、今年が3年目の初めての車検になるわけだが、これまでは年に1.5回ぐらいの割合で点検をしてもらうついでに、オイルやパッドを交換してもらっていた。
そのときのメンテナンス内容によっても異なるが、エンジン、ミッション、デフのオイル交換とプラスアルファでおよそ2万円前後。私はBMW以外にも国産バイクを数台所有しているが、それらはできるだけ自分でメンテナンスするようにしている。
しかしBMWは、車体のあらゆる制御や情報が内部のコンピュータと連結しており、メンテナンス毎に記録されているため、ユーザーがおいそれと手を入れられないという側面がある。結果、タイヤ交換は専門ショップでやってもらうのと、洗車、ある程度の外装パーツなどの取り付け以外は、ほとんどのメンテナンスをディーラーでお願いすることにしている。私が多くのBMWユーザーに聞いたところ、このようにメカや整備、メンテナンスに詳しくない人のほとんどがディーラーに「全てお任せ」状態であることが多いのも事実だ。
しかも正規BMWディーラーでの整備費用や純正パーツは国産に比べると3割~4割増しと推測できるので、やはり国産バイクよりも費用がかさんでしまうことになるのだ。それは車検での整備も同様だ。
ちょっとコケただけで修理費用が7万円近くなる恐怖
ちなみに私は少し前に林道でやや派手に転倒して、R1250GSのフロントフェンダーを割ってしまった。その時の修理見積が工賃込みで5万9000円だった。しかも純正のステッカーを追加すると+7000円とのこと。つまりひとコケで約6万6000円ということだ。正直面くらったが、戒めのためにキレイに直した。
擁護するわけではないがR1250GSは非常に頑丈なバイクで、普段多少林道で倒したぐらいでは故障や破損は少ない。今回はあくまで転倒した場所に木があってそこに突っ込んだのでフェンダーが割れてしまったという、自分の技量の無さが生んだ結果である。
ここまで「BMWに乗るにはお金がかかる」ということを強調してきてしまったが、個人的にはお金をかけてでも乗る価値のあるバイクだと思っている。
悪路でも心配のない走破性とキャンプ道具でも何でも気兼ねなく積むことのできる積載性を両立する快適さ、そしてBMWモトラッドが用意するメンバーズツーリング企画や手厚いアフターサービスなどの充実したバックアップは金額には代えがたいものだからだ。
BMW R1250GS 主要諸元
[エンジン・性能]
種類:水冷4ストローク水平対向2気筒DOHC4バルブ ボア×ストローク:102.5×76mm 圧縮比:12.5 総排気量:1254cc 最高出力:100kW<136ps>/7750rpm 最大トルク:143Nm<14.5kgm>/6250rpm 変速機:6段リターン
[寸法・重量]
全長:2205 全幅:965 全高:1490 ホイールベース:1510 シート高:850/890(各mm) 車両重量:256kg 燃料タンク容量:20L タイヤサイズ:F120/70-19 R170/60-17
[価格]
226万2000円~
レポート/写真●櫻井伸樹 編集●モーサイ編集部・中牟田歩実
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みんなのコメント
車の代わりに使う人なら全然アリと思うけど
「BMWは10万kmからが本領発揮」とか言われているけれども、
部品全部替えていたらそんなの当たり前だっつーの。