ライズ、カローラ、ヤリス。トヨタのモデルばかり売れている!?

昨年4月からトヨタ車が登録車トップをキープ

一般社団法人 日本自動車販売協会連合会（自販連）は、毎月「乗用車ブランド通称名別順位」という新車販売のランキングを発表しています。そのトップとなることは「売れている人気のクルマ」の証明というわけです。

2019年4月に「トヨタ プリウス」が「日産 ノート」から月間トップの座を奪取して以来、ずっとトヨタ車がトップを守っています。しかも、特定のモデルではなく、複数のモデルが入れ替わりでトップを獲っています。

2020年に入ってからの4か月でいえば、1月～2月がコンパクトSUVの「ライズ」、3月は多彩なラインナップのCセグメント「カローラ」、4月は「ヴィッツ」から生まれ変わったBセグメントの「ヤリス」でした。ちなみに2019年4月～12月の9か月間でいえば、「プリウス」が4回、「シエンタ」が2回、カローラが3回となっています。

軽自動車では「ホンダ N-BOX」がゆるぎないナンバーワンモデルとなっていますが、登録車ではトヨタの様々なカテゴリー・キャラクターのモデルがトップを競い合っているのです。

各カテゴリーにトップを狙えるモデルが存在

これは考えてみれば恐ろしいことです。特定のモデルに開発リソースを集中しているわけではなく、まったくユーザー層が異なるモデルが、どれもナンバーワンとなる能力・魅力をもっているということだからです。

たとえばライズにはハイブリッドの設定がありません。コンパクトSUVですから燃費性能は悪くはありませんが、それよりも取り回しのよさや1.0Lターボエンジンのキビキビ感、SUVらしいスタイルで人気を集めています。

そして4月の月間トップとなったヤリスはクルマの骨格といえるプラットホームから、燃費性能や走行性能に大きく影響するパワートレインまで最新世代に一新された意欲作。ガソリン仕様、ハイブリッドともに3気筒エンジン専用車というのも、新世代を感じさせるところです。

ちなみに、カローラの場合は「カローラ」（セダン）、「カローラツーリング」（ワゴン）、「カローラスポーツ」（ハッチバック）の最新世代モデルと、フリートユーザーをメインターゲットとした5ナンバーサイズの旧世代モデルが共存している状態なのも数を稼ぐ理由ですが、こうしたラインナップができるのもトヨタの実力といえます。

というわけで、ひとつのエースモデルに頼るのではなく、各カテゴリーにトップを狙えるモデルが存在している事実からも、今のトヨタの強さが感じられます。

2020年5月からはモデルごとに分かれていた販売チャネルを統合して、全国のトヨタ車両販売店を通じて、どのモデルでも購入できるようになりました。ユーザーにとっては、購入時の利便性が増し、わかりやすくなったということでさらにトヨタ車全般の販売は伸びるタイミングです。

新型コロナウイルス（COVID-19）の影響で販売が落ち込んだ4月においても、ヤリスは登録車として唯一の1万台オーバーを実現しました。はたして5月の販売トップはどのトヨタ車になるのでしょうか。それとも、トヨタの勢いを止める国産メーカーが出てくるのでしょうか。

文：山本晋也（自動車コミュニケータ・コラムニスト）

Comments

トヨタ以上にクルマ造りに情熱持ってる会社が有るか？
三菱に至っては社長さん、自動車免許持ってないんだよ。
免許すら持ってない社長がどんなクルマ造りをするの？

一見お手頃価格のロッキーって、アダプティブクルーズコントロールが欲しいと思うと、結局は一番上のグレード買わなきゃならないから、価格的にはフィットのホームのハイブリッドと同じぐらいの感じになるよね。
こないだダイハツで実車見たけど、室内は圧倒的にフィットより狭いから、総合的には今一だよ。
まぁ、あの外観デザインが好きなら買いだろうけど、俺なら後ろが広々してるからやっぱりフィットかな。