安くても本格的なスポーツ走行が可能なモデルたち
若者のクルマ離れという便利な言葉で片付けられてしまってはいるが、もちろん現代にもクルマ好きの若者は一定数存在している。そんな彼らを悩ます問題がスポーツモデルの高騰だろう。未だに人気が高い日産シルビアや日産180SX、トヨタ・マークII3兄弟など10年前から定番の人気車種は大きく変わっておらず、タマ数ばかりが減る一方で程度の良い個体は高値安定というのが現状なのである。そこで今回は、それ以外の車種で手ごろな価格で購入でき、スポーツ走行も可能な車種をご紹介しよう。
お金がないクルマ好き必見! 名車なのに底値で買える不遇のスポーツカー3選
1)スズキ・スイフトスポーツ(2代目)
スズキのコンパクトカーというと昔は軽自動車をベースにしたものが中心だったが、2004年に登場した2代目(グローバルでは初代)は世界戦略車ということもあり、クルマづくりが変わって大きくレベルアップしたモデルであった。そんな2代目スイフトに設定されていたスイフトスポーツは、専用の1.6リッターエンジンを搭載し、専用マフラーを装着するためにフロアも専用設計。ハブもより剛性の高い5穴とし、リヤにもディスクブレーキを備えるなど、かなり力の入ったモデルとなっていた。
それにもかかわらず、1,564,500円という低価格でリリースされたスイフトスポーツは、もちろん中古車となっても手ごろな価格をキープ。やや過走行のモデルであればMT車でも総額30万円台から狙うことができる。タマ数もMT車に絞っても200台弱とそこそこあるので、お気に入りの一台を探しやすいはずだ。
2)トヨタ・ヴィッツ 1.5RS(2代目)
トヨタのコンパクトカーであるヴィッツも、先代のスターレットから引き続きスポーツグレードが用意されている。スターレットのときのようにターボモデルは標準ラインアップされなかったが、初代と2代目モデルにはTRDが手掛けたボルトオンターボ仕様が用意されていた。スポーツグレードの1.5RSはワンメイクレースのベース車種となっていたこともあり、パーツは豊富。スタンダードグレードも含めればかなりの台数が売れた車種だけに、万が一のときのパーツ入手も安価で容易というのも嬉しいところだ。
そんなヴィッツ1.5RSは安いものでは総額30万円程度から、高くても総額70万円程度となっている。またタマ数は少ないがTRDターボも流通しており、こちらは大体総額80万円~100万円といったところ。なお、RSはモデル途中で1.3リッターにも設定されたが、こちらはCVTとの組み合わせのみとなるので注意されたい。
3)日産マーチ12SR(3代目)
実用車であるマーチにもスポーティグレードが歴代設定され続けている。中でも3代目マーチに用意されていた12SRは、見た目をスポーティに装った見かけだけのものではなく、エンジン内部にまで手が入れられた本格的なものなのだ。それもそのはず、この12SRを手掛けたのはあのオーテックジャパンであり、高回転まで回す楽しみを実現するために専用カムやバルブスプリング、ピストンまでもを交換。さらに軽量フライホイールとチューニングコンピューターで、実用エンジンだったとは思えないレスポンシブなエンジンに変貌させているのである。
もちろん足まわりは強化され、それに対応するべくボディ補強もなされているので、吊るしのままでもスポーツ走行が可能なモデルに仕上がっていた。さすがに手ごろな価格で狙える車両はやや疲れが見える部分もあるだろうが、それでもその実力の片りんは感じ取れるハズ。価格帯も総額20万円台からと超お手ごろとなっている。
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