2024年F1サンパウロGP(ブラジルGP)決勝で、メルセデスのジョージ・ラッセルは予選2番手/決勝4位、ルイス・ハミルトンは予選16番手/決勝10位だった。
2番グリッドのラッセルは、スタート直後にランド・ノリス(マクラーレン)を抜いてトップに立ち、ファーストスティントでレースをリードした。しかしバーチャルセーフティカー(VSC)終盤の28周目にタイヤ交換を行い、ポジションを落とした数周後に赤旗が出て、ピットインを済ませていないトップ3台が時間を失うことなくタイヤ交換を行うことができたため、ラッセルはレース再開後、5番手からスタートしなければならなかった。
スタート手順に違反したノリスとラッセル、罰金のみで順位変わらず。角田とローソンは情状酌量によりペナルティなし
ノリスを抜いて4番手に上がった後、後ろのシャルル・ルクレール(フェラーリ)とバトル、終盤には前を行くピエール・ガスリー(アルピーヌ)に迫ったが、抜くことができず、ラッセルは4番手でフィニッシュした。
なお、ラッセルは、スタートやり直しの際の手順に違反したことで、5000ユーロ(約83万円)と戒告(ドライビング関連)のペナルティを科された。
メルセデスはまた、最初のスタート中止後、グリッド上でラッセルとハミルトンのそれぞれのマシンに取り付けられているタイヤの空気圧を調整したことで技術指令への違反を犯し、1台あたり5000ユーロ(約83万円)の罰金を科されている。
予選でQ1落ちを喫したハミルトンは14番グリッドからスタート。1周目に10番手に浮上するが、その後、ポジションを落とし続け、一時は15番手を走行。VSC中の27周目にピットストップを済ませ、11番手を走行していたものの、その数周後に赤旗が出た。レース終盤は、リアム・ローソン(RB)、セルジオ・ペレス(レッドブル)と9番手争いを繰り広げ、結局ローソンを抜くことができず、ハミルトンは10位でフィニッシュした。
この日、ハミルトンは、アイルトン・セナが1990年に乗ったマクラーレンMP4/5Bでデモランを行うという特別な機会を得て、観客を楽しませた。
■ジョージ・ラッセル(メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム)
予選=2番手(Q1=3番手1分29秒121:ウエットタイヤ/Q2=8番手1分26秒307:インターミディエイトタイヤ/Q3=2番手1分23秒578:インターミディエイトタイヤ)
決勝=4位(69周/69周)
2番グリッド/タイヤ:インターミディエイト→インターミディエイト→インターミディエイト
緊張した難しいレースになった。振り返って学ぶべきことがたくさんある。僕はいいスタートを切って、最初のスティントでのペースは自分でも驚くほど良かった。あのタイヤセットは内圧が適正ではなくて、ドロップオフを予想していたから、自分のペースに勇気づけられたよ。
激しい雨でVSCになった時、僕としてはステイアウトしたかった。いずれ赤旗になると思ったからだ。あちこちに水たまりがあって、ストレートでもアクアプレーニングが起きていた。僕とランド(・ノリス)はピットに入り、最後は4位と6位でレースを終えたのに対し、ステイアウトしたクルマは僕らより前でフィニッシュした。
だが、レース後に振り返って考えるなら誰にでも正しい判断ができるし、僕らはチームとして、その時点で手に入る情報から最善の判断をしようと努めている。週末の始めの時点であれば、4位なら上出来だと思っただろう。けれども、予選で2番手につけ、レースの前半をリードした後では、やはり好機を逃したことを少し残念に思わざるをえない。
(レース直後にメディアに対して語り)ステイアウトしていたら、再スタート時に、(エステバン・)オコン、マックス(・フェルスタッペン)、(ピエール・)ガスリーの前のトップにいたと思う。先頭からリードする方がずっと楽だ。最終的にどういう結果になったかは分からない。でもあの時、僕自身はステイアウトすることを望んでいたから、すごく怒っていた。
あの時、コンディションがとても難しかったから、セーフティカーか赤旗が絶対に出ると確信していた。だからステイアウトしたかったんだ。実際、走行不可能なコンディションになって、セーフティカーが出動した。
■ルイス・ハミルトン(メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム)
予選=16番手(Q1=16番手1分31秒150:ウエットタイヤ)
決勝=10位(69周/69周)
14番グリッド/タイヤ:インターミディエイト→インターミディエイト→インターミディエイト
僕にとっては本当にタフなレースだった。正直に言って、今年一番の難しい週末のひとつだったかもしれない。週末を通じてクルマはひどくドライブしづらかったし、レース中のどの段階でもしっくり来なかった。
ただ、ブラジルの素晴らしいファンに会えたから、こんな成績ではあっても、悪くない気分でこの地を離れることができる。早朝から予選セッションが行われるという異例の一日だったのに、彼らは朝の4時から入口で列を作っていた。自分のコース上での成績がどうであろうと、彼らの熱意とポジティブさにはかなわないよ。そして、彼らの前でセナのクルマをドライブしたのは最高に感動的な経験だった。胸の奥にいる5歳の自分とつながるような気がしてね。僕にとってまさに特別な時間であり、こんなコンディションにもかかわらず実現できたことを心から感謝している。
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