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【国内試乗】世界中で愛され続ける、どこへでも行き生きて帰ってこられるクルマ「トヨタ・ランドクルーザー 250/70/300」

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【国内試乗】世界中で愛され続ける、どこへでも行き生きて帰ってこられるクルマ「トヨタ・ランドクルーザー 250/70/300」

トヨタBJ型に端を発し、1954年に「ランドクルーザー」という車名がついて73年。その間ランクルは、世界中の使用実態に基づき、信頼性・耐久性・悪路走破性を鍛え進化させ続けてきた。このほど新型250シリーズの登場により3シリーズが出揃い、今回その実力を試す機会を得た。ここでは250シリーズ中心に、それぞれのオフロード性能を紹介していく。

300・70シリーズに加え250シリーズの3兄弟

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1951年に誕生したランドクルーザー(ランクル)は「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」として世界中で愛されている。悪路走破性の高さに加えて、トヨタならではの信頼性、耐久性の高さを世に知らしめたモデルでもある。フラッグシップであり最新技術と豪華装備で高級感もある300シリーズ、悪路走破性に特化したヘビーデューティな70シリーズに加えて、昨年発表されたライトデューティの250シリーズがいよいよ街を走り始める。 

ライトデューティ系はこれまでランドクルーザー・プラドが存在していたが、世界的なSUVの盛り上がりとともに高級・豪華な路線にいきすぎたという反省があったという。質実剛健で実用的なランクル本来の姿に原点回帰するべく、コンセプトをThe Landcruiserとして、車名も新たに250シリーズとしたのだ。300シリーズは象徴、70シリーズは普遍、そして新しい250シリーズは生活実用としてランクルの中心的な存在になる。

プラットフォームは300シリーズと同様のGA-F(ラダーフレーム構造)を採用。フレームの板厚などは専用設計で300シリーズほどには頑強ではないが、従来のプラドに比べるとフレーム剛性は50%向上、車両全体でも構造用接着材の採用などで30%の向上が図られている。フロントがハイマウント・ダブルウイッシュボーン、リアがトレーリングリンクとなるサスペンションは新開発で、ジオメトリーの最適化によって悪路走破で重要なホイールアーティキュレーション(タイヤの浮きづらさ)を向上させたという。

ランクル初の電動パワーステアリング、トヨタ初のSDM(スタビライザーのオン・オフが可能)が採用され、オフロードでの走破性や走りやすさも向上させている。ホイールベースは300シリーズと同一の2850mmだが、全長が70mm短くなっているのはスタビライザーの位置を変更するなどしてフロントオーバーハングを切り詰めたから。合わせてフロントバンパーの角を削り落とすなどして取り回しに配慮されている。全幅は1980mmで300シリーズよりは10mm狭いとはいえプラドに対しては+95mm。しかしながらミラーtoミラーの実用全幅はマイナス65mmになっている。試乗したのは2.8Lディーゼルターボだが、2.7Lガソリンも用意され、後にはハイブリッドも投入予定だ。

試乗の舞台は愛知県のさなげアドベンチャーフィールドという本格的なオフロードコースで、300シリーズに70シリーズ、それにプラドも用意されていた。
まずは比較的に過酷ではない林間コースを走る。道幅が狭いところもあって取り回しのしやすが肝になるが250シリーズはフロントのボディの感覚が掴みやすい。ボンネットの端が見やすく、オーバーハングも短いのでボディの大きさを持て余す感じがしないのだ。それに比べると300シリーズはボディが大きく感じられて狭いところでは慎重さを求められた。

電動パワーステアリングは路面からのキックバックが抑制され、悪路での運転がしやすいと感じる。70シリーズはコンベンショナルな油圧パワーステアリングで明確なキックバックがあり、路面が荒れているとステアリングをしっかりと握っていることが求められる。300シリーズは油圧パワーステアリングに電動アクチュエーターを加えてあり、キックバックは幾分抑制され、取り回しが良くなっているが、250シリーズのほうが洗練されている。

岩場やモーグルで3台の実力を検証

林間コースでは4台とも走破性には余裕があってさすがランクルと感心させられたが、岩石が多い過酷なトライアルコースでは、限界域を使うのでそれぞれの特性が感じられた。左右交互に大きな凹凸が連続するモーグルではホイールアーティキュレーションがモノを言う。250シリーズはプラドに対して基本的なサスペンションの改良で約10%、SDMの効果でさらに約10%の向上がみられるのでその差は歴然。対角線上のタイヤが浮いてしまっても電子制御で空転を防いで接地しているタイヤに駆動力を配分していくので、ランクルならばどのモデルでも軽々とモーグルをクリアしていく。ただし、制御の細かさと音には違いがあり、最新の250シリーズはスムーズで洗練された印象を受ける。意外だったのは70シリーズも静かだったことだ。また、SDMはフロントのみだが、300シリーズのGRスポーツが装着するE-KDSSは前後のスタビライザーを可変させることもあってホイールアーティキュレーションはもっとも有利だ。

過酷だったのは岩場の登坂路面。前日の雨によって泥がのっていることもあっていつも以上に滑りやすくなっていた。プラドでは慎重にゆっくりと行きすぎたこともあって途中でスタック。少し後退し再び登り直す。タイヤが少しくらい滑ってもアクセルを踏み続け、グリップする路面を探りながら走らせればプラドでも無事に登坂できた。250シリーズは少し楽になって危なげなく登坂可能。さらにクロールコントロールを使えばもっと楽ができる。アクセルとブレーキを自動調整して設定した速度を維持してくれるので、ドライバーはステアリング操作に集中できるのだ。微速前進をキープしてくれることがこんなにもありがたいなんて、過酷なコースだからこそわかることだろう。同じ場面で300シリーズは、やはりサスペンションのストロークが深いことが功を奏して路面をしっかりと掴んでいる頼もしさがあった。面白かったのは70シリーズで軽快に登りをクリア。限界付近では、ステアリングのキックバックもある種のインフォメーションとなり、タイヤが滑って進まなくなっても左右に動かして路面を探るのがやりやすい。多少の腕力は必要だが、それさえもオフロードを攻めている感じがして楽しいのだ。

厳しい悪路を走らせるとそれぞれのモデルで違いはあったが、どのランクルも悪路走破性が世界トップレベルであることは間違いない。そのなかで新しい250シリーズは中心的存在というだけではなく、ベストバランスのモデルだ。これだけオフロードが走りやすいうえに、オンロード中心の普段の生活でも、走り、装備ともに快適に過ごせそうだからだ。日本でもスマッシュヒットになることは間違いないだろう。

【SPECIFICATION】トヨタ ランドクルーザー250 ZX
■車両本体価格(税込)=7,350,000円
■全長×全幅×全高=4925×1980×1935mm
■ホイールベース=2850mm
■トレッド=前後:1665mm
■車両重量=2410kg
■エンジン形式/種類=1GD-FTV/直4DOHC16V+ターボ
■内径×行程=92.0×103.6mm
■総排気量=2754cc
■最高出力=204ps(150kW)/3000-3400rpm
■最大トルク=500Nm(51kg-m)/1600-2800rpm
■燃料タンク容量=80L(軽油)
■燃費(WLTC)=11.0km/L
■トランスミッション形式=8速AT
■サスペンション形式=前:Wウイッシュボーン/コイル、後:トレーリングリンク/コイル
■ブレーキ=前後:Vディスク
■タイヤ(ホイール)=前後:265/60R20
問い合わせ先=トヨタ自動車 TEL0800-700-7700

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みんなのコメント

8件
  • ヤフオ
    どこへでも行き生きて帰ってこられるクルマ「トヨタ・ランドクルーザー 250/70/300」

    スーパーで買い物をしていたら車が無くなって帰れないとかありそう。
  • nai********
    サスペンション構造的に無理があるんじゃ、、。
    昔のハイラックスの方が断然タフだと思われ、、。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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