スーパーバイク世界選手権(SBK)第3戦オランダラウンドがTT・サーキット・アッセンで行われ、レース1、スーパーポール、レース2でアルバロ・バウティスタ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)が優勝を飾った。
この優勝によって、ドゥカティはSBKで400勝を達成している。
スーパーポールではアルバロ・バウティスタ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)が1番手タイムを獲得した。しかし、ライン上をスロー走行したことで3グリッド降格のペナルティを受け、レース1のグリッドポジションとしては4番手となった。
バウティスタからわずか0.027秒差で予選2番手タイムだったジョナサン・レイ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)がポールポジション、2番グリッドがトプラク・ラズガットリオグル(パタ・ヤマハwith・プロメテオン・ワールドSBK)、3番グリッドがアレックス・ロウズ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)というフロントロウである。
■レース1:トップを快走のバウティスタが優勝
レース1は、気温19度、路面温度28度のドライコンディションで始まった。ホールショットを奪ったのはポールポジションスタートのレイ、そして2番手にはラズガットリオグルが続き、バウティスタは3番手に浮上する。
バウティスタの後ろにはロウズ、スコット・レディング(BMWモトラッド・ワールドSBKチーム)、アンドレア・ロカテッリ(パタ・ヤマハwith・プロメテオン・ワールドSBK)が続く。
2周目に入ると、トップのレイ、2番手のラズガットリオグル、3番手のバウティスタが後方を引き離し始め、トップグループを形成。この中で、5周目にバウティスタがラズガットリオグルをかわして2番手に浮上する。
トップのレイに対し、2番手のバウティスタのラップタイムはわずかに速い。バウティスタはじりじりとレイとの差を詰めていく。テール・トゥ・ノーズのトップ争い。だが、レイも譲らずバウティスタにオーバーテイクを仕掛けるすきを与えない。
しかし9周目、ついにバウティスタがレイをとらえた。バウティスタのペースはレイよりもわずかに速い、といったものだったが、レイとの差は周回ごとに少しずつ開いていき、終盤には2秒以上となる。3番手を走るラズガットリオグルは中盤以降、二人から離され、トップ3はそれぞれが単独走行となった。
2位はレイ、3位はラズガットリオグルが獲得している。4位はロカテッリ、5位はアクセル・バッサーニ(モトコルサ・レーシング)、6位にはルーキーのドミニケ・エガーター(GYTR・GRTヤマハ・ワールドSBKチーム)が入った。
■レース2:バウティスタ勝利でドゥカティがSBK400勝達成
スーパーポール・レースでは、レース前のウオームアップ・ラップでロリス・バズ(ボノヴォ・アクションBMW)にマシントラブルが発生し、このときコース上に飛散した液体のためにスタートディレイとなった。このため、レースは10周から8周に短縮して行われた。
レースは1周目にレイをパスしてトップに立ったバウティスタが優勝し、2位はレイ、3位はラズガットリオグルが獲得した。このため、レース2のフロントロウの並びはポールポジションがバウティスタ、2番グリッドがレイ、3番グリッドがラズガットリオグルという順となった。
レース2は気温18度、路面温度27度のドライコンディションで行われた。トップで1コーナーに入ったのはバウティスタ。ラズガットリオグルが2番手に浮上し、レイが3番手に続いていたが、3周目にレイがラズガットリオグルをかわして2番手に浮上した。
さらにレイはトップを走るバウティスタをオーバーテイク。しかし、バウティスタも負けじとレイを抜き返す。再び2番手となったレイは5周目に入るストレートでラズガットリオグルにもかわされた。激しいトップ争いが続く中、4番手にバッサーニが迫り、その後ろにはロカテッリがつけていた。
トップ争いを演じていたレイだったが、6周目の9コーナーで痛恨の転倒を喫する。レイはリタイアとなり、トップ争いはバウティスタとラズガットリオグルの二人に絞られた。ラズガットリオグルは1分34秒304というファステストラップを出しながら、トップのバウティスタを追従する。
しかし8周目にはバウティスタもラズガットリオグルのファステストラップを上回る、1分34秒133をたたき出し、ラズガットリオグルとの差を1秒以上に広げる。その差は周回ごとに大きくなっていき、バウティスタの独走態勢となった。
優勝はバウティスタで、オランダラウンドのレース1、スーパーポール・レース、レース2、全てのレースで勝利を収めた。 バウティスタはトップに立って以降、危なげない走りで優勝を飾った。バウティスタのこの優勝は、ドゥカティにとってSBKでの400勝目となった。
2位はラズガットリオグル。3位はロカテッリというヤマハライダーが獲得した。4位にはルーキーのエガーター、5位はバッサーニが入った。
スーパースポーツ世界選手権(WSS)では、レース1でニコロ・ブレガ(Arubaレーシング・ワールドSSPチーム)が優勝した。2位はマーセル・シュロッター(MVアグスタ・レパルト・コルセ)、3位はグレン・ヴァン・ストラーレン(EABレーシングチーム)だった。レース2でもブレガが独走で優勝し、2位はステファノ・マンジ(テンケイト・レーシング・ヤマハ)、3位はフェデリコ・カリカスロ(アルテア・レーシングチーム)が獲得した。
このオランダラウンドでWSSデビューとなった岡谷雄太(プロディーナ・カワサキ・レーシング)は、レース1、レース2ともに23位でゴールしている。同じくWSSデビュー戦となった阿部真生騎(VFTレーシング・WEBIKEヤマハ)は、スーパーポールにおけるトップタイムの105%以内のタイムを記録できず、予選不通過だった。
スーパースポーツ300世界選手権(WSS300)では、レース1でペトロ・スウォボダ(Fusport-RT・モータースポーツ・by SKM-カワサキ)が優勝した。2位はサミュエル・ディ・ソラ(プロディーナ・カワサキ・レーシング)、3位はディルク・ガイガー(フロイデンベルグKTMパリゴ・レーシング)だった。レース2もスウォボダが優勝を飾り、2位にウンベルト・マイヤー(ヤマハMSレーシング/AD78ラテンアメリカ・チーム)、3位にマッテオ・ヴァヌッチ(AGモータースポーツ・イタリア・ヤマハ)が入った。
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みんなのコメント
カワサキなんかマイナーチェンジが新型エンジンと認められなかったとか嘆く暇あったら、フルモデルチェンジでホモロゲ上限価格の超高回転型エンジンのマシンを開発してV4Rに対抗しろや。
会社規模はドゥカよりはるかに大きく、資金もあるんだし。
そういうと「ドゥカはアウディグループで」とか言い訳すらヤツいるけど、カワサキなんて重工業部門も含めたら大企業やんけ。
これはバウティスタの才能でしょう。2位のトプラクと5位のバッサーニは6秒以上の差だから、マシンの性能よりもライダーの才能だと思う。