イタリアGPとトスカーナGPの間に、セルジオ・ペレスが今季限りでレーシングポイントF1チームを離れることが発表された。そしてその翌日、後任には現フェラーリのセバスチャン・ベッテルが加わることも明らかになった。
ペレスは、レーシングポイントにとっては功労者であると言える。同チームの前身であるフォースインディア時代、財政難に陥っていたチームを憂い、破産申請をするように忠告した人物でもある。その結果、チームの人員や設備等を引き継ぐ形で、レーシングポイントが誕生した。そしてこのレーシングポイントは、来季からアストンマーチンとチーム名称を変更することになっている。
■ペレスはベッテルとの交渉の進捗を知っていたはず……レーシングポイントの主張
ただ新生レーシングポイントは、そのドライバーにベッテルの起用を決定。そのチームメイトはまだ発表されていないが、チームオーナーのローレンス・ストロールの息子であるランス・ストロールが残るのは間違いないと思われる。
このペレス放出には、各方面から非難の声も上がっている。現在マクラーレンのドライバーであり、来季はフェラーリに移籍することになっているカルロス・サインツJr.も、そう主張するひとりだ。
「チェコ(ペレスの愛称)の件が示しているのは、パフォーマンスが最重要ではないということだ。純粋なパフォーマンスから判断すれば、彼がレーシングポイントを離れなきゃいけない理由や、チームが彼を望まない理由はないはずだ」
サインツJr.はそう語った。
「F1では、興味深いことが起きることがある。パフォーマンスは、最も重要なことだと思っている。そして僕にとっては、チェコがチームを離れるのは非常に残念なことだ」
「彼はチームのことを長年信頼していたし、チームを破産から事実上救ったのは、彼だ。そして良いクルマを生み出したのも彼の功績だ。にもかかわらず、今ではチームが、彼と共に歩みたくないと考えるのは、本当に残念なことだ」
サインツJr.は、今回のレーシングポイントの決断に怒りを感じていると語る。
「彼とは良い関係を築いているし、ドライバーとしても彼のことをとても尊敬している。だから、僕は少し怒っているんだ。ただ、このスポーツにはそういうところがあるということも事実だ、それは、何の利益ももたらさない。でも、それは僕らがプロになるために選択したモノであり、それを受け入れる必要がある」
「彼がモチベーションを保ち、2022年には良いポジションになると思えるようなシートを手に入れられることを願っている」
サインツJr.も、レッドブルのシートを手に入れられず、他に活躍の場を求めたことがある。それが高じて来季のフェラーリのシートを手に入れられたわけだが、当時の彼は、そのことをかなり不満に思っていたという。
「僕もかなり不確実な瞬間を経験した。それは、コースでのパフォーマンスとは何の関係もない非常に政治的なモノであり、スポーツ性が低く、アスリートがコントロールできるようなモノではなかった」
「誰もそんな状況にはなりたくないよ」
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