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新型クラウンのすべて【1】コンセプト&プロフィール

掲載 更新 10
新型クラウンのすべて【1】コンセプト&プロフィール

車種別・最新情報 [2022.08.30 UP]


新型クラウンのすべて【1】コンセプト&プロフィール

【新型クラウンvs輸入車】クラウンクロスオーバーのライバルとなる輸入中古車をチェック!

新型クラウンのすべて
【1】コンセプト&プロフィール
【2】エクステリア
【3】インテリア
【4】メカニズム&機能
【5】おすすめグレード/ライバル

かねてから噂されていた新型クラウンは、従来の王道セダンから路線変更。4つのモデルを展開する新世代ハイブリッドモデルシリーズとして登場することになった。まず最初に投入されるのは、SUVとセダンを融合させた「クロスオーバー」。その実力はどれほどのものだろうか?

●文:渡辺/陽一郎 ●写真:澤田和久/トヨタ自動車(株)

TOYOTA 新型クラウン クロスオーバー
第一弾はクロスオーバーを発売
2022年秋頃に発売予定!


コンセプト&プロフィール
生き残るために
SUV路線へ方針転換
 今回登場した新型クラウンは、コンセプトからメカニズムまで、これまでの路線とは大幅に変更された。従来のクラウンは4ドアセダンだが、新型はクロスオーバー、スポーツ、エステート、セダンの4種類のモデルが展開される。そのうち、セダン以外はSUVの流れを汲んだもので、大径のタイヤを装着し、ややハイトなスタイリングでまとめられている。
 発売スケジュールは、秋頃にクロスオーバーを投入して、その後、約1年半を費やして残りの3タイプを順次追加するという。3タイプの発売時期や順番は公表されていない。
 開発者曰く、「クラウンは当初、従来型のマイナーチェンジを予定していたが、豊田章男社長の提案でフルモデルチェンジに変更した。2年半という短い期間で、クラウンクロスオーバーを開発している。従ってほかの3タイプは開発途中にある」。そんな理由もあってクロスオーバー以外の詳細は確定していない。
 そこで発売されたクラウン クロスオーバーを見ていきたい。メカニズムで最も注目される点は、従来のクラウンが後輪駆動と4WDを採用したのに対して、新型クラウンクロスオーバーは、前輪駆動をベースにした4WDになることだ。プラットフォームは、TNGAの考え方を踏襲するGA‐Kとされる。パワーユニットはハイブリッドのみで、直列4気筒2.5ℓと、2.4ℓターボをベースにした仕様が用意される。
 クラウンがセダンからSUVに変更された理由は、販売の低迷だ。クラウンは好景気だった1990年に、8代目を中心として20万8016台を登録した。1か月平均は約1万7300台で、2021年に当てはめると、国内販売の総合1位になったヤリスシリーズ(ヤリス+ヤリスクロス+GRヤリス)と同等だ。
 ところが2021年におけるクラウンの登録台数は、2万1411台(1か月平均は約1800台)、1990年の約10%に留まる。セダン離れが進み、高価格車の需要がアルファードやハリアーに移ったことがその理由。従来のクラウンオーナーの高齢化が進んだことも原因だろう。
全世界で年間20万台が目標
トヨタの新世界戦略車へ
 ちなみにほかの伝統あるトヨタのセダンは、コロナ(後のプレミオ)、マークII(マークX)など、いずれも廃止されている。クラウンを残したのは、1955年に初代モデルを投入したトヨタの基幹車種になるからだ。特別な存在だから、ほかの車種と違って廃止はできず、売れ筋カテゴリーのSUVへの方向転換を選んだ。表現を変えると、好調に販売できる上級SUVを新開発して、そこにクラウンの車名を当てはめた。クラウンのフルモデルチェンジというより、車名を踏襲した新規車種だ。
 新しいクラウンは、従来とは違って海外でも積極的に売る。クラウン クロスオーバーの国内販売目標は1か月に3200台だが、今後登場する3車種も含めた世界販売台数は1年間に20万台(1か月平均は約1万7000台)を予定している。従来型のクラウンも海外で売られたが、その比率は販売総数の30%以下だった。つまり国内と海外の販売比率が今後は完全に逆転する。クラウンの車名を残すため、日本のユーザーに向き合ってきた貴重なセダンが、海外向けの商品に変わっていく。


クロスオーバーと今後登場するエステートは、ホイールベースが2850mm。スポーツは2770mmと短く、セダンは3000mmと長い。注意したいのはセダンで、フロントピラーと前輪の間隔が、ほかのボディに比べて離れている。後輪駆動を連想させるスタイルで、セダンはパワーユニットや駆動システムが異なる可能性もある。

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