日本車に限らないが、いまどきのクルマは2ペダルのみで3ペダルの設定のないクルマがほとんどだ。自動車評論家 斎藤 聡氏が、そんな2ペダル専用車の中から特に走りの楽しいクルマを8台厳選・解説!!
※本稿は2022年5月のものです。「2ペダル楽しい度」は、もし3ペダルMTがあった場合の相対的な楽しさ指数を表します
文/斎藤 聡、写真/ベストカー編集部 ほか、撮影/池之平昌信 ほか
初出:『ベストカー』2022年6月10日号
GT-R スープラ LC500… 2ペダル専用でも、いやむしろ2ペダルだからこそ絶対楽しいクルマ8選!
■2ペダルだから楽しめるクルマたち
マニュアルミッションでは運転の難易度高すぎというクルマが存在する。そう、2ペダルだからこそ走りが楽しめるのが日産GT-Rだ。570ps/65.0kgmものパワー&トルクは4WDでも容易には受け止めきれず、場合によっては盛大なホイールスピンを引き起こしてしまう。
そもそもあの素早く正確なシフト操作をマニュアルでできる気がしない。GT-Rに限って言えば、このパフォーマンスを楽しいと思えるのは2ペダルだからこそなのだ。
タイヤのグリップを振りほどき暴れまわろうとするハイパワー車は、GT-Rと同じく“2ペダルだから楽しいクルマ”のカテゴリーに入ると思う。具体的にはレクサスLC500、スープラなどがここに入ってくる。
LC500はV8、5Lを搭載。いうや世界的にも希少なエンジンだ。組み合わされる10速ATは発進以外ほぼロックアップ状態となり、ダイレクトなエンジンフィールが楽しめる。
スープラRZは直6ツインターボの心地よい吹き上がりが魅力。ATだからこそ落ち着いてエンジンを楽しめる。
暴れるほどにパワーがあるスープラ(トヨタ)は2ペダルだから楽しいクルマと言える。直6ツインターボの心地よい吹き上がりはATだからこそ楽しめる
スバルWRX S4といえばMTで乗りたいイメージだが、新型WRX S4の2ペダルを走らせてみるとすこぶる速くて楽しいスポーツセダン。CVTが組み合わされているが、ギア比が固定されるMTモードはS4の楽しさを充分に引き出していると思うのだ。
またスポーツモデルではないけれど2ペダルで楽しいクルマもたくさんある。
RAV4PHVやアウトランダーPHEVといったプラグインハイブリッドや、ノートオーラe-4WDのリアモーター駆動4WDの駆動トルク配分。
一見リアに駆動用モーターを取り付けているだけのように見えるが、前輪との協調制御や旋回時の駆動配分バランスなど、すごく緻密な制御をしているのだ。
良好な舗装路ではわかりにくいかもしれないが雨や雪、ダートなど悪路になると、その真価が発揮される。2ペダルだからこそ運転操作に集中でき、また駆動配分の制御の巧みさにきっと驚かされると思う。
このほかにも、例えばRRモーター駆動のホンダeは、EVのためもはやトランスミッションさえ存在しないけど、RRならではの走りのテイストがちゃんと生きていて、運転しているとほのぼのと楽しい気分になれると思う。
つき詰めてみるとクルマの運転する楽しさは、どれだけ作り手がそのクルマの走りにこだわっているか、それを乗り手に伝わるかなのでしょう。
パワーユニットの出力を路面に伝える技術が進化したことで、加減速が容易になったぶん、作り手が走りをどうデザインするかが重要になってきているのだろう。
■日産 GT-R(2ペダル楽しい度:200%)
GT-Rは最高出力570ps、最大トルク65.0kgmと簡単にホイールスピンできるパワーを持っている。このパフォーマンスを楽しいと思えるのは2ペダルだからこそだ
3300rpmで最大トルク65.0kgmを発揮するV6、3.8Lツインターボのパフォーマンスを引き出すには、3ペダルのHパターンではドライバーの技量が追いつかない! 2ペダルだからこそなのだ。
●日産 GT-Rピュアエディション主要諸元
・価格:1082万8400円
・全長×全幅×全高:4710×1895×1370mm
・ホイールベース:2780mm
・車重:1760kg
・エンジン:V型6気筒DOHCツインターボ、3799cc
・最高出力:570ps/6800rpm
・最大トルク:65.0kgm/3300-5800rpm
・トランスミッション:6速DCT
■スバル WRX S4(2ペダル楽しい度:120%)
2000rpmで最大トルク38.2kgmを発揮する2.4Lターボ。WRX S4は2ペダルCVT専用だが、アクセルに対するレスポンスにも遅れを感じさせず、ダイレクト感がありアクセルで姿勢制御ができる。
●スバル WRX S4 STI Sport R EX主要諸元
・価格:477万4000円
・全長×全幅×全高:4670×1825×1465mm
・ホイールベース:2675mm
・車重:1600kg
・エンジン:水平対向4気筒DOHCターボ、2387cc
・最高出力:275ps/5600rpm
・最大トルク:38.2kgm/2000-4800rpm
・トランスミッション:CVT
■レクサス LC500(2ペダル楽しい度:160%)
5LのV8NAは低回転から大トルクを発揮。緻密にロックアップ制御をする10速ATで「オイシイ」エンジン回転をキープして、ドライバーはステア操作に集中できる。
●レクサス LC500 Sパッケージ主要諸元
・価格:1450万円
・全長×全幅×全高:4770×1920×1345mm
・ホイールベース:2870mm
・車重:1950kg
・エンジン:V型8気筒DOHC、4968cc
・最高出力:477ps/7100rpm
・最大トルク:55.1kgm/4800rpm
・トランスミッション:10速AT
■トヨタ GRスープラ(2ペダル楽しい度:120%)
3Lの直6ターボを3ペダルMTで扱いたいという方には、間もなくMTが追加されるのでご期待を。しかし、トルコンスリップを感じさせないダイレクトな8速ATはかなりスポーティだ!
●トヨタ スープラRZ主要諸元
・価格:731万3000円
・全長×全幅×全高:4380×1865×1290mm
・ホイールベース:2470mm
・車重:1530kg
・エンジン:直列6気筒DOHCターボ、2997cc
・最高出力:387ps/5800rpm
・最大トルク:51.0kgm/1800-5000rpm
・トランスミッション:8速AT
■ホンダ Honda e(2ペダル楽しい度:200%)
ホンダeはRR駆動のため走りのテイストがちゃんと生きていて、運転していて楽しい気分になれる
ピュアEVなのでそもそも「トランスミッション」がなく、クラッチもギアチェンジも不要。そんな話はともかく、2ペダルの後輪駆動EVのHonda eは運転が楽しい!
●ホンダ Honda e Advance主要諸元
・価格:495万円
・全長×全幅×全高:3895×1750×1510mm
・ホイールベース:2530mm
・車重:1540kg
・バッテリー:リチウムイオン 35.5kWh
・最高出力:154ps/3497-10000rpm
・最大トルク:32.1kgm/0-2000rpm
・トランスミッション:━
■トヨタ RAV4 PHV(2ペダル楽しい度:200%)
基本システムはTHSなので、「動力分割機構」で2ペダル。エンジンとモーターのパワーバランスの制御が洗練され、アクセル操作に対する感覚がナチュラル。
●トヨタ RAV4PHV G “Z”主要諸元
・価格:499万円
・全長×全幅×全高:4600×1855×1690mm
・ホイールベース:2690mm
・車重:1900kg
・エンジン:直列4気筒DOHC、2487cc
・最高出力:177ps/6000rpm
・最大トルク:22.3kgm/3600rpm
・モーター F:182ps/27.5kgm R:54ps/12.3kgm
■日産 ノートオーラNISMO(2ペダル楽しい度:200%)
駆動システム自体はEVと同じく、モーター直結でエンジンは発電専用。トランスミッションは存在しない。アクセルに対するトルクの出方がシャープでパワフル!
●日産 ノートオーラNISMO主要諸元
・価格:286万9900円
・全長×全幅×全高:4125×1735×1505mm
・ホイールベース:2580mm
・車重:1270kg
・エンジン:直列3気筒DOHC、1198cc
・最高出力:82ps/6000rpm
・最大トルク:10.5kgm/4800rpm
・モーター:136ps/30.6kgm
【番外コラム】ちょうどいいサイズの“2ペダル”FRスポーツクーペ! BMW 220iクーペ M Sport
FRならではのスムーズな操作感を持っているBMW 220i クーペ。GR86/BRZの操舵感をワンランクスムーズにした感覚
BMWの2シリーズの「家族構成」はちょい複雑。結論から言っちゃえば、今回の新型「クーペ」だけがエンジン縦置き、後輪駆動を採用。同じ2シリーズでもグランクーペをはじめ、他のモデルはすべてエンジン横置きの前輪駆動プラットフォームを採用する。
で、この新型2クーペ、乗ったらやっぱり楽しい!
今の時代、FFだから……とか、なにがなんでもFRがいい! みたいな固定観念はないんだけど、でも、操舵系に余計なフリクションを感じさせない滑らかで上質な操舵フィーリングは後輪駆動ならではなのよ。特に直4、2Lターボの220iはフロントが軽く、操舵に対するノーズの動きが軽快で気持ちいい。GR86/BRZの操舵感をワンランクスムーズにした感覚。
このエンジン、1350rpmで最大トルクの30.6kgmを発揮するから2ペダル8ATで乗って楽しいのよ! パワフルってエンジンではないんだけど“トルクに乗せて”軽快に小気味よく走るので、8ATとのマッチングがいいのだ。
●BMW220i M Sport主要諸元
・全長:4560mm
・全幅:1825mm
・全高:1405mm
・ホイールベース:2740mm
・最小回転半径:5.2m
・車両重量:1530kg
・エンジン:直列4気筒DOHCターボ、1998cc
・最高出力:184ps/5000rpm
・最大トルク:30.6kgm/1350-4000rpm
・トランスミッション:8速AT
・サスペンション:ストラット/マルチリンク
・タイヤサイズ:F:225/45R18 R:255/40R18
・WLTCモード燃費:13.3km/L
・価格:550万円
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みんなのコメント
やっぱりGT-Rクラスをサーキット走行楽しめるクラスの人は、高速域になればなるほど、操作する物が少ない方がいいってわかってるんだろうね。