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【動画付き】好きな音楽を聴きながらクルーズしたくなるキャデラックのラグジュアリーSUV「エスカレード スポーツ」

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【動画付き】好きな音楽を聴きながらクルーズしたくなるキャデラックのラグジュアリーSUV「エスカレード スポーツ」

連載/石川真禧照のラグジュアリーカーワールド

 2000年代に入ってから、ラグジュアリークラスのSUVを世界中の自動車メーカーが開発し、市場に投入してきた。その先がけとなったのがアメリカ。1997年にリンカーンが「ナビゲーター」というフルサイズの上級SUVを発売したことがきっかけだ。「ナビゲーター」はヒット作となり、アメリカのユーザーの人気を集めた。

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 その人気に目をつけたのがキャデラックで、1999年に「エスカレード」を発売したのだ。英国の「レンジローバー」を除けば、欧州のラグジュアリーSUV(BMW「X5」、ポルシェ「カイエン」)よりも早いデビューだった。北米市場で大型のラグジュアリーSUVが売れそうだということで欧州メーカーが動いたのだ。

 今回、取り上げた「エスカレード」は2020年2月に北米で発売され、日本でも2020年11月に販売を開始したモデル。初代から数えて5代目になる。本国では、ロングホイールベースやピックアップ、ハイブリッドモデルなどのバリエーションが用意されてきたが、日本市場には標準サイズ(とはいっても全長5.4m、全幅2m、全高1.95m、ホイールベースは3m以上)のみの販売となる。2021年モデルからラグジュアリーグレード「プラチナム」とスポーツ系「スポーツ」の2つのグレードを選べるようになった。

 両グレードの違いは、フロントグリル以外、アルミホイールのデザインやルーフレール、モールの色などごくわずか。走行性能に影響があるものはない。目の前に現われた新型「エスカレード」はかなりのビッグサイズ。4代目よりホイールベース120mm、全幅190mmも大きくなり、一層押し出しの効くフルサイズSUVに成長していた。



 試乗車は「スポーツ」グレードなので、大きなフロントグリルはブラックアウトされている。その上部左右にスリムで横長のホリゾンタルヘッドライトがデザインされている。グリルの左右にはタテに長いデイタイムランニングライトが装備されている。

 ラグジュアリーグレードの「プラチナム」は、横バーのメッキグリルがワイドにレイアウトされている。ボディーカラーも「プラチナム」は5色揃っている。「スポーツ」はブラックのみだ。サイドに回り込む。「スポーツ」はウインド周りやドア下のメッキ部分もすべてブラックアウトされている。それは22インチのアルミホイールも同じだ。ちなみにタイヤはブリヂストンの「アレンツァ275/50R22」を装着している。

 リアはバンパー上からルーフ近くまで縦に長いテールランプが「キャデラック」であることを主張している。ゲートの開閉はもちろん自動。さらにリアウインドだけでも開閉できる。室内も「キャデラック」らしく仕立てられている。日本仕様は左ハンドルだが、ドアを開けると床下からフットステップがせり出してくる。高めの着座位置からの前方視界はよく、広い面積のボンネットが見える。

 運転席の目の前には業界で初めて採用されたという湾曲型のOLEDディスプレイが拡がっている。対角線の長さが38インチ超という大型ディスプレイだ。快適装備もグレードアップしている。助手席との間にあるコンソールは、飲み物などを冷やせるクーラーボックスも兼ねている。



 前席にはマッサージ機能も備わる。オーディオもマイクやヘッドフォンで世界的に知られているAKGのオーディオテクノロジーを自動車に初めて採り入れている。このシステムには乗員の声を内蔵マイクで捉えてスピーカーから出力することができる装置も導入されている。大型な高級車をつくり慣れているメーカーだからこそできる装備だ。

 定員は7名。2列目はセパレートのキャプテンシート。3列目とのウォークスルーもラクにできる。3列目も背もたれ、ヘッドレストはしっかりしており、3名乗車もあまり苦にはならなかった。素晴らしいのはユーザーファーストのシートアレンジ。2、3列目は完全自動で可倒できるといってもよいほど。スイッチ操作で倒したり、起こしたりできる。これは便利だ。イージードライブの国の、高級SUVだけのことはある。



 ラゲージスペースも操作はラク。スイッチだけで広さは変えられる。スペースはフラットで使いやすいし、高級なカーペットが敷かれている。標準搭載のパワーユニットはキャデラックの母体であるGM伝統のV8、OHV、6.2ℓ。426PS、632Nmの性能の自然給気エンジン。これに最新の10速ATを組み合わせている。駆動方式は4WD。2WD、4WDのセレクタブル4WDだ。

 サスペンションはアダプティブエアサス。リアサスは新設計したマルチリンク式。フロントはダブルウイッシュボーンを組み合わせている。マグネティックライドコントロールは改良を加えた最新システムを採用している。センサーで路面を読みとることで、ほぼ瞬時にショックアブゾーバーの減衰力を調整する方式は、従来のコンピューター制御よりも反応が早く、キメ細かい制御ができるという。大きな車体が直線の上下動やコーナーでのロールを抑えながら疾走するのはかなり迫力だ。

 走り出す前にドライビングモードを選択する。ツーリングモードは2WD、スポーツは4WD、オフロードはルート外、さらにけん引モードが選べる。ツーリングモードでの乗り心地はやや硬めだが、275/50の22インチタイヤ装着車としては、快適な部類だ。

 V8、OHVエンジンは日常の走行ではせいぜい2500回転ぐらいまでしか使うことはない。100km/h巡航はDレンジで1200回転あたり。実に平和なクルージングを味わせてくれる。一方、0→100km/h加速を試みると、7秒台で走り切る。OHVエンジンはレッドゾーン手前の5500回転でシフトアップした。2.7tの車体が全開で走る姿は大迫力だが、そういうシーンは似合わない。

「エスカレード」は抜群のオーディオと快適なエアコンで、ハイウェイをクルーズしたり、街中をのんびり流すのが似合っているラグジュアリーSUVなのだ。



◆ 関連情報
https://www.cadillacjapan.com/escalade/model-overview.html

文/石川真禧照(自動車生活探検家)

雑誌「DIME」の連載「カー・オブ・ザ・ダイム」を長年にわたり執筆。取材で北米、欧州、中東、アジアをクルマで走破するなど、世界のクルマ事情に詳しい。国内外で年間に試乗するクルマは軽からスーパーカーまで200台以上。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)副会長。日本モータースポーツ記者会(JMS)監事。日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)選考委員。

撮影/萩原文博(静止画)、吉田海夕(動画)

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