生誕70周年を迎えた、ブランド史上最も成功したスポーツカーのヴァンテージ。後編では、これまでよりモダンでアグレッシブなスタイルながら、中身は正統派スポーツカーな最新モデルの実力を紹介する。
アストンの他モデルと一線を画すデザイン
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現行のアストンマーティンのラインアップは、最上級グランツーリスモの「DBSスーパーレッジェーラ」、DBの名を受け継ぐ「DB11」シリーズ、4ドアの「ラピード」、初のSUVである「DBX」、そして「ヴァンテージ」となっている。
ヴァンテージの特徴は、アストンの他のモデルがGTであるのに対して、2シータースポーツカーであること。したがってエクステリアデザインは、他とは一線を画すものだ。とくにフロントまわりは写真ではプレスラインが見えづらく抑揚がなくイルカの顔のようにも見えるが、実際に目の当たりにすると筋肉質で獰猛さを感じさせる。例えるならばサメだ。そういえば、CLSにはじまったメルセデス・ベンツの新しいデザインも、マクラーレンの全車に共通するデザインも、キーワードは“シャークノーズ”だ、とそれぞれのデザイナーが話していたことを思い出した。
近年のアストンマーティンのデザインは、副社長兼チーフクリエイティブオフィサーのマレク・ライヒマンの陣頭指揮によって、デザインの黄金比率に基づきながらも従来のクラシックなスタイルから、よりモダンでエレガントかつアグレッシブに変容している。おそらくこのヴァンテージにも、そうした野生動物へのオマージュが取り込まれているはずだ。
プラットフォームはホイールベースを短縮し2シーター用に
インテリアもまた生き物のようだ。フラットボトムデザインのステアリングホイールをはじめ、2色のレザーを組み合わせ、複雑なステッチを施した肉厚なシートや、ドアの内張りの意匠まで徹底的にこだわっている。センターコンソールにはトランスミッションを含め、さまざまなボタンを配置。ナビゲーションやタッチパッドなどのインフォテインメント系はメルセデス譲りのものが採用されている。
プラットフォームはアストンが得意とするアルミ押し出し材を接着してスペースフレームを構成するタイプの新型で、DB11やDBSと基本的に共通のもの。ホイールベースはDB11比で100mm短縮し、2シーター用に仕立てている。
縦の継ぎ目をなくすためフェンダーと一体となったボンネット(それゆえ写真では抑揚がなく見える)をガバっと大きく開くと、まるでバルクヘッドにめり込んでいるかのように、奥にエンジンが見える。最高出力510ps、最大トルク685Nmを発揮するAMG GT譲りの4リッターV8ツインターボをフロントミッドシップに搭載。トランスミッションは8速ATで、デフと一体化して後部に配置するトランスアクスル方式を採用している。車検証をみても、フロント850kg、リア880kgで49:51と限りなく理想的な重量配分を実現していることがわかる。
センターコンソール中央に配置されたアストンではおなじみのクリスタル製ボタンをおせばV8エンジンが目覚め、重厚なサウンドを奏でる。高回転型というよりは、2000~5000回転までフラットにトルクが出るタイプで、ルーズな運転にも寛容。どの回転域からでもすぐに加速してくれる。気がつくと速度計の数字が大きくなっているから注意が必要だ。ドライブモードは、ノーマルとか、コンフォートなんてものはなく、ベーシックが「スポーツ」で、それよりハードな「スポーツ+」、そしてサーキット仕様の「トラック」の3段階で、これ以外にもエンジンやトランスミッション、足回りの減衰特性など、それぞれ任意に組み合わせることも可能だ。
フロントミッドシップのFRという正攻法
ベースがスポーツモードというくらいだから、DB11などに比べれば乗り心地はかためだが、街乗りもそれほど苦でない。このモードであればデートにも使えるだろう。さらに「スポーツ+」を選択すれば、しっかりと戦闘モードになる。ワインディングなどで楽しみたいなら、このあたりがちょうどいい。「トラック」はさらに獰猛な設定になるが、公道では控えたほうがいいかもしれない。
それにしてもよく曲がるクルマだ。コーナーの進入ではしっかりとノーズが向きをかえ、出口でアクセルペダルを踏みこむと呼応するようにトラクションがしっかりとかかる。アストンとしては初となるEデフ(電子制御式LSD)とトルクベクタリング機構が備わった効果もあるだろうが、やはり低い重心や前後重量配分など基本骨格のよさが伝わってくる。
いまどき500psを超えたエンジンを搭載するモデルでは、二輪駆動での制御に限界を感じどのメーカーも4WDを採用するのが一般的だ。しかしアストンマーティンは、フロントミッドシップのFRという正攻法でそれを成立させている。そういう意味では、ヴァンテージはエンスー向けの正統スポーツカーといえるものだ。\
文・藤野太一 写真・柳田由人 編集・iconic
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みんなのコメント
欲しければどちらも買ってしまう
記者のレベルが低いんだよ。