今週末のF1中国GPは、2019年以来実に5年ぶりの開催となる。FIAの事前の発表では、コースの再舗装は行なわれていないということだったが、路面の色が明らかに変わっている部分もあった。
複数のドライバーはこれについて、路面を何かで塗ったんじゃないかと指摘したが、実際には路面の表面にアスファルトを追加で盛る処理が行なわれたようだ。
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5年ぶりのF1開催となる上海国際サーキットは、路面の凹凸を削るなど、久々の開催に向けていくつかの修復を行なってきた。しかしFIAが公開するレース・ディレクターズ・イベント・ノートには再舗装の記述はなかったものの、コース上の複数の場所で路面の色が変わっているのが認められた。
これについてRBのダニエル・リカルドは次のように語った。
「コース上か何かをペイントしたようだ。路面に何かしたみたいに見えるね」
そうリカルドは語った。
「コースがどう変化するのか? 同じなのか、それとも非常に滑りやすくなるのか、それは分からない。しかしおそらく、タイヤの挙動が変わるのは間違いないだろうね」
しかも今回のグランプリは、久々の開催にもかかわらず、スプリントフォーマットで行なわれる。そのため、しっかりとデータを取ることができる時間はわずか1時間しかなく、その影響を不安視するドライバーは他にもいる。
レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、「再舗装ではなく、ペイントしたようだ」と語り、フェラーリのカルロス・サインツJr.も「不明な部分がたくさんある。特に舗装は、非常に特殊な方法で処理されているように見える」と話す。
サインツJr.は、さらに次のように続けた。
「FIAもチームも、ここで何が行なわれたのか、完全に再舗装されたのか、それともコースに奇妙なアスファルト処理を施しただけなのか、しっかり理解していないと思う」
「とても特殊なことに見えるし、近年のF1のサーキットでは見られなかったことだ」
motorsport.comの取材によれば、上海国際サーキットの路面は、アメリカやアジアの一般道でよく見られるような、アスファルトの表面処理が行なわれたようだ。
これはアスファルトを路面に塗り、既存の路面としっかり結合させる工法。これにより粉塵の発生を抑えて、防水性も向上させることができる。また路面が崩壊するのを防ぐこともできる。
この作業は、昨年の段階で行なわれたモノであるという。しかしコースの路面の色がまばらであるのは、改修作業が行なわれた後の走行で、路面が摩耗した結果のようだ。
グランプリの週末にも、この摩耗が進行する可能性が指摘されていて、その結果セッションを追うごとにグリップレベルが刻々と変化する可能性がある。
ハースF1の小松礼雄代表は、コースの箇所によってグリップレベルが異なることが、頭痛の種になる可能性があると語った。
「ちょっと一貫性がないように見えます」
そう小松代表は語った。
「その一貫性のなさが、私が最も心配していることです。コーナーの進入から中間、そして出口まで一貫性がないんです。(グリップレベルが)変動してしまう場合は、かなり難しいことになると思います」
「しかも今回はスプリントが行なわれる週末です。フリー走行は1時間しかないので、おそらくマシンを整えるために、3回しか走行できないと思います。燃料の搭載量を変えてです。非常に難しい挑戦になると思います」
■トルコの再現はない?
路面の状況に苦しめられたという点では、2020年のトルコGPが思い出される。この年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、スケジュールが大変更された年。その結果、開催予定のなかったトルコで急遽グランプリを開催することとなった。
ただ当時のイスタンブールパーク・サーキットは、路面を再舗装したばかりであり、各チームは滑りやすい路面に悩まされることとなった。しかも雨が降るなどして、その状況に拍車をかけた。
しかし前出のサインツJr.は、今回はトルコの時のようにはならないだろうと確信しているが、タイヤにグレイニング(ささくれ摩耗)が起きる状況になった場合はどうなるか分からないと指摘する。
「トルコの時のようにはならないと思っている」
そうサインツJr.は語る。
「トルコは非常に特殊なケースだった。でも今回も、突然グレイニングが起きるなどすれば、週末の残りのセッションに疑問符がつく可能性がある」
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