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色っぽい20スポークが良く似合う アルピナD3 S ツーリング 長期テスト(1) 独立時代を締めくくる1台

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色っぽい20スポークが良く似合う アルピナD3 S ツーリング 長期テスト(1) 独立時代を締めくくる1台

初回 独立時代最後のアルピナ・ツーリング

最新世代のBMW 3シリーズをベースにした、アルピナの独立時代最後といえるD3 Sツーリングが、英国編集部へやってきた。素晴らしい数か月が始まるに違いない。

【画像】独立時代を締めくくる1台 アルピナD3 S ツーリング B3にB4、B5 GT BMW M3も 全140枚

ご存知の通り、アルピナは2022年の春にBMWへ買収されている。しかし、2025年まではブランド独自のモデルが販売される。

もっとも、これまでもBMWの量産ラインでかなりの部分までアルピナが作られてきたことは事実だ。だが今後は、これまでと違ったビジネスが展開されることだろう。大きく変化しないことを願う、ファンは少なくないはず。

3シリーズをベースにした同社のステーションワゴン、ツーリングは、クルマに求めるすべてを叶えられる理想的なモデルの1つといえる。そんなディーゼルエンジンのD3と、ガソリンのB3は、3シリーズのフェイスリフトに合わせて2022年に改良を受けている。

D3 S ツーリングの最高出力は360psへ向上し、最大トルクは74.3kg-mまで引き上げられた。電圧48Vで稼働するスターター・ジェネレーターによる、マイルド・ハイブリッドシステムも獲得した。望ましいステーションワゴンは、一層訴求力を増したといえる。

力強さと実用性とのバランス

アルピナは、小規模な1つの自動車メーカーとして英国では扱われており、平均燃費に対する規制が緩い。そのため、3.0L直列6気筒ディーゼル・ターボエンジンを搭載していても、グレートブリテン島で購入できる。他方、BMWは同等のユニットを販売できない。

公式の燃費は14.5km/Lで、CO2の排出量は182g/km。現在の基準では、優秀な部類には入らないだろう。しかし、高速道路なら17.0km/L程度まで伸びるはず。

0-100km/h加速を4.6秒で処理し、最高速度は273km/hに届く。ドイツのユーザーは、そんな力強さと実用性とのバランスを評価してきた。

D3 S ツーリングの価格は、英国で6万6000ポンド(約1195万円)から。標準装備は充実しているものの、オプションも幅広く用意されている。

長期テスト車両の場合、アルミホイールは19インチから20インチの鍛造品へアップグレードされ、ブラック・サファイアの塗装に控えめなデカールが貼られ、ブレーキも強化されている。落ち着いた、凛々しい見た目に仕上がっている。

車内には、ハーマン・カードン社製のステレオと、メリノ・レザー・インテリアが与えられている。今回は、ゴージャスなダークブルーが指定された。

第一印象は、もちろん良い。当然といえるが。BMW 3シリーズは優れたクルマで、アルピナはいつも見事な仕事をする。D3 S ツーリングが、素晴らしくないわけがない。

優秀な3.0L直6ユニット+8速AT+四輪駆動

昨今の欧州では、ディーゼルエンジンの人気は落ち込んでいるが、BMWの3.0L直6ユニットは優秀。マイルド・ハイブリッドのおかげで、スムーズにアイドリングストップもこなす。

組み合わされるZF社製の8速ATも、現在のユニットとしてトップクラス。頼もしい四輪駆動システムも備わる。ドライバーの疲労を最小限に抑えつつ、1度の給油で880kmほど走れてしまう。

英国では、会社からの貸与車両として乗ると税制的に優遇される、プラグイン・ハイブリッドが近年の売れ筋になっている。しかし、D3 S ツーリングと同等のランニングコストへ抑えるには、頻繁に充電を繰り返す必要がある。

1度の移動距離が長く、目的地に充電設備がない場合が多いような仕事をしているなら、マイルド・ハイブリッドが付いたディーゼル・ターボエンジンの方が、まだまだ有利。筆者も、その中に含まれる。

実際、アウトバーンが発達したドイツの場合、アルピナではディーゼルエンジンの方が売れているという。ちなみに日本では、従来どおりガソリンエンジンへ支持が集まっているそうだ。

色っぽい20スポーク・ホイールが良く似合う

D3 S ツーリングは、ダイナミック。超高速域でも安心感が高く、素晴らしい身のこなしを披露する。ノイズレベルは低く抑えられ、重めのステアリングホイールの反応には一貫性がある。

BMW M3 ツーリングとの比較をしたくなるところだが、ディーゼルエンジンということで、今回は考えていない。まったく異なる性格付けだといえ、D3 S ツーリングには、そこまでの敏捷性は与えられていない。

さて、オプションの20インチ鍛造ホイールには、扁平率が30という薄いピレリ Pゼロ・タイヤが巻かれている。幅はフロントが255、リアが265で、前後重量バランスに優れた四輪駆動のドライブトレインと、よく調和していると思う。

しかし、グレートブリテン島の舗装の管理状態は褒めにくい。視認性が落ちる夜間に、アスファルトの剥がれた穴を通過してしまい、パンクするような勢いの衝撃を何度か経験してしまった。衝撃音もかなりのものだった。

19インチ・ホイールの方が妥当な選択といえそうだが、デザインが5スポークになってしまう。アルピナには、クラシカルで色っぽい20スポークが良く似合う。こんなタイヤの印象も含めて、長期テストでD3 S ツーリングの実力を検証していきたい。

セカンドオピニオン

担当者はクリーミーな直6ディーゼルエンジンを気に入っているようだが、わたしも理解できる。兄弟モデルといえるD4 S グランクーペも、信じられないような洗練性と快適性、動力性能、燃費効率で衝撃を与えた。

アウトバーンを160km/h以上で走り続けた時の燃費は、14.0km/Lを超えた。忘れられないほどの数字だ。 マット・ソーンダース

テストデータ

価格

モデル名:アルピナD3 S ツーリング(英国仕様)
新車価格:6万6000ポンド(約1195万円)
テスト車の価格:8万8265ポンド(約1598万円)

オプション装備

メリノ・レザー・インテリア:3800ポンド(約68万8000円)
20インチ鍛造ホイール:3420ポンド(約92万円)
レーザー・ヘッドライト:1870ポンド(約33万8000円)
ドライビングアシスタント・プロフェッショナル:1870ポンド(約33万8000円)
パフォーマンス・ブレーキ:1770ポンド(約32万円)
パノラミックサンルーフ:1550ポンド(約28万円)
パワーシート:1120ポンド(約20万3000円)
電動牽引バー:960ポンド(約17万4000円)
ハーマン・カードン・オーディオ:820ポンド(約14万8000円)
ブラック・サファイア塗装:800ポンド(約14万5000円)
駐車アシスタント・プラス:650ポンド(約11万8000円)
コンフォート・アクセス:560ポンド(約10万1000円)
カーボンファイバー・インテリアトリム:500ポンド(約9万円)
デカールセット:420ポンド(約7万6000円)
サンプロテクション・ガラス:380ポンド(約6万9000円)
自動防眩ミラー:310ポンド(約5万6000円)
シャドーライン・ライト:300ポンド(約5万4000円)
アルミニウム・シフトパドル290ポンド(約5万3000円)
ハイグロス・インテリア:205ポンド(約3万7000円)
ランバーサポート:195ポンド(約3万5000円)
ドライブレコーダー:190ポンド(約3万4000円)
アコースティック・ガラス:190ポンド(約3万4000円)
ガルバニック仕上げコントロール:95ポンド(約1万7000円)

テストの記録

燃費:14.5km/L(WLTP値)
故障:なし
出費:なし

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みんなのコメント

1件
  • fuk********
    イギリスからの記事ですが、創業者ブルカルト ボーフェンジーペン氏の逝去の情報もあった方が良かったと思います。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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