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いま運転の楽しいEVは? 2022年ベスト ポルシェ・タイカン GTSかBMW i4か? 英編集部選TOP 11(5)

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いま運転の楽しいEVは? 2022年ベスト ポルシェ・タイカン GTSかBMW i4か? 英編集部選TOP 11(5)

指先や背中、身体に伝わるすべてがポルシェ

シンプルなシングルモーターで背の低いサルーン・フォルムのBMW i4 eドライブ40には、キアEV6 GTのような荒削り感は皆無。重心位置の低い、一貫した好ましい操縦性を実現している。

【画像】いま運転の楽しいEV トップ3 ポルシェ・タイカン BMW i4 キアEV6 GT 写真で比較 全141枚

BMWへ試乗した編集部員の誰もが、自然、ナチュラル、といった言葉を口にしていた。ステアリングホイールには内燃エンジンのBMWへ通じる手応えがあり、適度にクイック。シャシーのバランスに優れ、高いグリップ力で先を急げる。

アクセルペダルの操作でコーナリングラインを調整できる、遊び心も宿っている。EV6 GTより懐が深い。特に公道の速度域では、洗練性や快適な乗り心地、適度なパワー感が融合し、パワフルなi4 M50より印象は優れていると思う。

そんな2位のBMW i4や、キア EV6 GTをもってしても、ポルシェ・タイカン GTS スポーツツーリスモの牙城は崩すことができなかった。現時点の高性能BEVのベストは揺るがない。目をつぶり耳栓をして乗ったら、ポルシェだとわかる個性がそこにはある。

素晴らしく滑らかなステアリングに、しなやかでありながら引き締まった姿勢制御を両立させた、素晴らしいシャシー特性を生むサスペンション。指先や背中、身体に伝わるすべてがポルシェだと教えてくれる。

クロフト・サーキットのコーナーを、素早く正確に、アンダーステアの予兆を見せながら旋回していく。後輪操舵システムが、効果的に機能していることも明らかだ。

回生と摩擦のバランス取りに課題

高速コーナーでもヒタヒタとラインを辿り、ドライバーへ自信を与えてくれる。迫るストレートに向けて、脱出加速の準備を整えるように。ステアリングホイールとアクセルペダルを操れば、ラインを調整することも難しくない。

公道では大柄なボディに気が付くものの、敏捷さと緻密さで、ひと回り小さく感じられてくる。洗練された動的能力を、許される限り普段の道で発揮できる。

2295kgという質量も、巧みなシャシー制御で包み隠す。限界を超えた急旋回を求めて初めて、グリップからスリップへ転じた時に、BMW i4より170kg重い事実を実感する。

それでは満点での勝利か、と聞かれれば、ノーといわざるを得ない。今回ノミネートした11台のすべてがはらんでいた課題でもある。ブレーキが、ドライバーズEVとしての楽しさを損なっていた。

確かに日常的な利用条件では、まったく問題ない。攻め立てていくと、回生ブレーキと摩擦ブレーキとのバランス取りに、改善の余地があると見えてくる。突然急に制動力が高まる例もあれば、感触が安定しない例もあった。

サーキットのように、ブレーキングポイントをハードに探る場面では顕著。滑らかな停止にも影響する。

価格にも触れるべきだろう。エネルギー密度の高いバッテリーは安くない。勝ち残った3台で最も安価なのはi4 eドライブ40で、5万4980ポンド(約907万円)。1位のタイカン GTS スポーツツーリスモは、10万7000(約1765万円)に達してしまう。

ドライバーが享受する興奮に心配はない

現在のBEVは、まだ過渡期にある。それでも、内燃エンジンからのシフトが本格化して数年の間に、動的能力やドライビング体験が急速に磨かれたことは明らか。自動車業界の技術者は、有能な人が多いのだ。

技術の一般化や量産化が進めば、製造コストも下がっていく。フォルクスワーゲン・ゴルフGTIを超える身近さと楽しさを備えるモデルが、登場する日は遠くないだろう。4位に食い込んだクプラ・ボーンが、その可能性を匂わせていた。

内燃エンジンは素晴らしい。筆者もまだ愛し続けたい。

しかし、ハイオクからエレクトリックへ切り替わっても、ドライバーが享受する興奮に心配はないことが、今回の比較試乗で確かめられたと思う。来年の今頃には、さらに能力の優れた、お手頃なモデルによる11台の比較試乗が実現するのではないだろうか。

この企画の初回となった2022年の勝者は、ポルシェ・タイカン GTS スポーツツーリスモだ。ドライバーズEVの誕生を祝い、開発へ関わったすべての人へ敬意を表したい。

ポルシェ・タイカン GTS、BMW i4、キアEV6 GTのスペック

ポルシェ・タイカン GTS スポーツツーリスモ(英国仕様)のスペック

英国価格:10万7000ポンド(約1765万円)
全長:4963mm
全幅:1966mm
全高:1405mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:3.7秒
航続距離:423-489km
電費:4.1-4.8km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2295kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:83.7kWh(実容量)
最高出力:598ps(システム総合)
最大トルク:86.3kg-m(システム総合)
ギアボックス:1速オートマティック(フロント)/2速オートマティック(リア)

BMW i4 eドライブ40 Mスポーツ(英国仕様)のスペック

英国価格:5万4980ポンド(約907万円)
全長:4783mm
全幅:1852mm
全高:1448mm
最高速度:189km/h
0-100km/h加速:5.7秒
航続距離:558-587km
電費:5.7-5.9km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2125kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
バッテリー:80.7kWh(実容量)
最高出力:340ps
最大トルク:43.7kg-m
ギアボックス:シングルスピード

キアEV6 GT(英国仕様)のスペック

英国価格:6万1595ポンド(約1016万円)
全長:4680mm
全幅:1880mm
全高:1550mm
最高速度:259km/h
0-100km/h加速:3.5秒
航続距離:405km
電費:4.3km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2165kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
バッテリー:74.0kWh(実容量)
最高出力:585ps
最大トルク:75.2kg-m
ギアボックス:シングルスピード

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みんなのコメント

8件
  • 韓国車に1000万出す人はいない
  • ベースモデルのタイカンを数日借りて乗って乗ってみたけど、なんだか電車に乗ってるみたいで楽しいとは思えなかったな。静かだからSUVやセダンとの相性は良さそうだけど、EVのスポーツカーってどうなんだろうか。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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