シーズンも終盤戦に突入し、9月14~15日の『サンダウン500』にて今季初の耐久フォーマット戦を控えるRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップだが、この8月最終週に来て2015年王者でもあるマーク・ウインターボトム(チーム18/シボレー・カマロZL1)より、今季終了をもってチームでの在籍期間が終了するとの電撃的なアナウンスがなされた。
現地27日(火)に本人のソーシャルメディアを通じて共有されたこの衝撃的なニュースに対し、チーム側はそのわずか数分後に古豪ディック・ジョンソン・レーシング(DJR)でエースを務めるアントン・デ・パスカーレ(シェルVパワー・レーシングチーム/フォード・マスタング)のチーム18移籍加入を発表。
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さらに2日後の29日(木)には、その空席にディフェンディングチャンピオンのブロディ・コステッキ(エレバス・モータースポーツ/シボレー・カマロZL1)が座ることが正式に確認されるなど、まさに“移籍ドミノ”の状況となっている。
ことの発端はチーム創成期の2019年からチーム18に所属し、同年のシモンズプレイン・レースウェイで初のポールポジションを獲得したウインターボトムが、強固な蜜月関係を築いていると目されたチームを、事実上放出されるというショッキングな出来事にあった。
昨季2023年のダーウィンではチームに記念すべき初優勝ももたらし、今季のメルボルンとダーウィンでは表彰台にも登壇していた2015年のシリーズチャンピオンだが、現在のランキングは13位と今季新加入の僚友デビッド・レイノルズ(チーム18/シボレー・カマロZL1)より3つ上に留まっていた。
「僕のサポーターにとって、この24時間は目まぐるしい日々だった。チーム18が2025年に向けて別のドライバーと契約したと聞いたからね」と、自身のSNSに綴った2013年の『バサースト1000』覇者でもあるウインターボトム。
「将来がどうなるかはまだわからない。今はまだニュースを消化しているところだけど、プロのスポーツマンとして胸を張っていられることはわかっている。僕は110パーセントの力を出し切ってきたし、チームのクルーやスポンサーの皆と一緒に仕事ができてよかった。彼らは素晴らしい人々で、本当に必要なときに支えてくれた家族、友人の支援もありがたく思っている」
そのポストから1時間も経たないうちに、チームからはデ・パスカーレの移籍加入がアナウンスされ、自身はキャリアで初めてシボレー・カマロZL1をドライブすることになる(以前はホールデン・コモドア)と同時に、かつて2018年から2020年までエレバス・モータースポーツでチームメイトを務めたレイノルズと再会することになった。
「2025年にチーム18に加入できることにとても興奮しているよ」と、まずは新天地加入の喜びを語った28歳のデ・パスカーレ。
「これは僕にとってキャリアの次のステップとして本当にエキサイティングなこと。チームとともに前進し、彼らが未来に向けて築き上げているものの一部になれること、そして共通の目標を追いかけて、それに打ち込む日を楽しみにしている」
■パスカーレに期待するチーム代表。同時にウインターボトムへ感謝
シリーズ最高峰昇格を果たした2018年以降、9回の優勝と16回のポールポジションを獲得、昨季のバサースト1000では3位表彰台も得ている実力派の獲得に際し、代表を務めるチャーリー・シュワルコートは「チームの未来にとって必要な人物」だと強調した。
「来季、アントン・デ・パスカーレがチームに加わるのはエキサイティングだ。このスポーツで活躍する次世代ドライバーのなかで明らかに傑出している人材だからね」と続けたシュワルコート代表。
「彼は実績のある勝者であり、このスポーツの将来のチャンピオンになるために必要な資質を備えている。また、デイブ(レイノルズ)とアントンがふたたび一緒になるのも素晴らしいことだ。次の成長段階に進むための最善のラインアップだね」
「そして何より、チームへの貢献に対してマーク(・ウインターボトム)に感謝したい。我々は初のポールポジションや初優勝など、いくつかの大きな成功を分かち合い、その道程のあらゆるステップを楽しんできた。彼の成功を祈っている」
これで重要なレースシートが空席となったデ・パスカーレの後任には、わずか数日後に現役王者の移籍と、現職のウィル・デイビソンが契約延長で残留という電光石火の決着を見た。
「こうして名門チームのシェルVパワー・レーシングに加入できてうれしいよ。この組織が積み重ねて来た豊富な成功の歴史は、僕にとって新たな章の始まりだ。ウィル(・デイビソン)やチーム全員と一緒に仕事ができるのを楽しみにしている」と、まずは意気込みを語ったチャンピオンのコステッキ。
昨季2023年は、北米のNASCAR本格挑戦を控える“SVG”ことシェーン・ヴァン・ギスバーゲンらを相手に、年間6勝とバサースト1000でのポールポジション獲得など目覚ましいスピードを披露し、わずか3年目のフルタイムシーズンで最高峰クラスの初タイトルを獲得。しかし今季序盤は複数ラウンドの欠場を始め、タイトル防衛に苦戦する展開となっていた。
「今の所属先との関係は良好さ。いくつかの問題を経験したことは秘密ではないが、僕に最初のチャンスを与えてくれたバリー(・ライアンCEO)からアドバイスをもらえてうれしかった。ベティ(・クリメンコ代表)は本当にバサースト制覇を望んでいるし、僕もトロフィー獲得を実現するために最善を尽くすつもりだ」と、ゴールドコーストのノーウェル・モータープレックスで共同発表に列席した両チームとの関係を明かしたコステッキ。
「これは新たなスタートではなく、キャリアを通じて築き上げてきたもののうえに構築されたチャンスに過ぎない。僕自身は成功を強く望んでいるし、これから参加するチームでもそうだし、去るチームに対しても同様だ」
「そしてブルーオーバルに参加できることにもとても興奮している。家族はGMとフォードの混血で育ったが、ブルーオーバルで運転する機会を得られたのは素晴らしいこと。2025年にマスタングをドライブすることを楽しみにしている」
そのエレバス・モータースポーツは、同時にクーパー・マレーが来季の99号車カマロZL1に乗ることも発表しており、これで2025年シートがほぼ確定したことになる。
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