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シボレー カマロを試乗インプレ!アメ車のイメージ覆す走りの進化とは

掲載 更新
シボレー カマロを試乗インプレ!アメ車のイメージ覆す走りの進化とは

輸入車 [2023.02.04 UP]


シボレー カマロを試乗インプレ!アメ車のイメージ覆す走りの進化とは

シボレー 国内限定「カマロ ラピッドブルー・エディション」発売

2021年 シボレー カマロ クーペ LT RS
CHEVROLET CAMARO/気になる中古車【試乗判定】 人気自動車ジャーナリスト(と編集スタッフ)が真剣チェック!

文●竹岡 圭、ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス
※中古車参考価格はすべてグーネット2023年1月調べ。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2023年3月号の内容です)
※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。

一般ユーザーが乗っている使用過程車をテストすることで、新車ではわからない実力をチェックするのがこのコーナー。売れ線中古車の本当のトコロを厳しい目線でインプレッション! 果たしてその結果やいかに!?


member Profile
自動車ジャーナリスト【竹岡 圭】

カーライフのサポーターとしてTVやラジオなどでもおなじみの人気自動車ジャーナリスト。全日本ラリーにも参戦経験を持つ。2022-2023 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。


歴史を受け継ぐアメリカンマッスル

いまや貴重な存在になったカジュアルなスポーツカー
編集部●気になる中古車を実際に試乗することで、その実力をチェックしようというのがこのコーナー。今回はアメリカを代表するスポーツカーの1台であるシボレー カマロの登場です。お借りした車両は2L直4ターボの「クーペLT RS」で、走行距離は約1万1000kmです。
竹岡●カマロかっこいいじゃない!最近はスポーツカーといえば、高価で超高性能なスーパーカーばかりになってきて、気軽に楽しめるスポーツカーとして86・BRZが注目されているじゃない。そういえば輸入車にもカマロがあったよね。
編集部●はい。シボレーは、カマロとコルベットとスポーツカーを2モデルも販売していますが、新型コルベットがスーパーカー寄りの存在になったこともあり、カマロはもっと評価されてもいいのではないかと。
竹岡●スポーツカーといっても、カマロは昔からシティ派というか、スペシャルティカー的な雰囲気もあって親しみやすいよね。シルビアとかセリカみたいなキャラ。
編集部●1967年の初代から50年以上の歴史を積み重ねてきましたが、近年スポーツカーの保険料が高騰して人気が低迷。2002年に一度生産終了となりました。2009年にレトロデザインの5代目で復活し、映画「トランスフォーマー」にも登場したこともあり、世界中で人気が再燃しました。今回試乗する現行型の6代目は、2017年から日本に導入されています。
竹岡●フォードが日本から撤退して(2016年)、ライバルだったマスタングがなくなったから、手頃な価格のFRスポーツカーとしても貴重だね。それにしても、久しぶりにカマロを見て、「大きいなぁ」と思ったんだけど、これで先代よりコンパクトなんでしょ?
編集部●はい。キャデラックATS、CTSが採用するアルファアーキテクチャーを採用したこともあり、ホイールベースも含めてサイズダウン。一方で軽量化とボディ剛性アップで走行性能は向上しています。
竹岡●試乗の感想でまた話すことになると思うけど、ここ最近のアメリカ車は本当に品質が高くなっていて、走りも欧州車と肩を並べるくらいに進化してる。もうアメリカ市場だけを見ている商品じゃなくなった。それでいて、デザインはインパクトがあって伝統的な個性が守られているから、ファンはうれしいだろうね。
編集部●なるほど。おっしゃるとおり、インフォテインメント系などもかなり進歩的です。では、ラインアップについて簡単に紹介します。エンジンは、今回の試乗車が搭載する2L直4ターボ(275馬力)と6.2LV8(453馬力)の2種類で、クーペのほかにコンバーチブルも選択可能です。
竹岡●「カマロが直4なんだ」って声もあったけど、ダウンサイジングは世界的なトレンドだし、275馬力あれば困ることもないよね。それよりも、V8エンジンが選べるのは最後になるかもしれない!
編集部●おそらくそうでしょうね。改良は2018年と2020年の2回で、それぞれフロントデザインの変更と装備の充実が改良の中心です。それでは、そろそろ試乗に参りましょう。

「実際に運転してみるとクセがなくて扱いやすい良質なスポーツカー」


短期間で3バージョンのフロントマスクが存在する
 2017年から最初のマイナーチェンジまで販売されたのがこのフロントフェイス。現行モデルとは灯火類やフロントバンパーのデザインが異なるのが識別点。この後、2018年に1度目のマイナーチェンジが行われ、「ボウタイ」と呼ばれるマークがグリルからバンパーへと移動された。2020年モデルでさらに顔は変更を受け、「ボウタイ」の位置はフロントグリル中央に戻された。


DETAIL CHECK

扱いやすさと内外装の品質の高さは従来のアメ車に対するイメージを覆す
編集部●さて、試乗から戻りましたので、感想を伺います。
竹岡●わたしにとってカマロは尖ったノーズ(4代目・1993年)のイメージが強くて、運転しにくいクセの強いクルマだったのね。でも、今日試乗した現行モデルは、街中でも扱いやすいし、走りのレベルが高くて驚いた。もう、アメ車っていう先入観は捨てたほうがいいかもしれない。
編集部●よくわかります。コーナリングも得意だし、段差などのいなし方も見事で、乗り心地もよかった。
竹岡●でしょ。インテリアの質感だって欧州車と変わらないレベルだし、エアコン吹き出し口のリングが温度調整のスイッチになっているアイデアもおもしろい。それで、中古車市場はどうなっているの?
編集部●400万円後半からスタートで、価格は500万円後半が最も多い価格帯です。直4のクーペがほとんどで、コンバーチブルとV8はそれぞれ全体の1割程度です。
竹岡●え、カマロって500万円台で新車が買えなかったっけ。そうなると新車を買ったほうがおトク?
編集部●2017年に516万円だった「LT RS」が、今では668万円なんですよ。
竹岡●だとすると中古車も検討の余地は十分あるね。とにかく、カマロに憧れていた人は迷わず買ったほうがいいと思う。特にV8は最後だろうし、今後大きく値崩れすることはないだろうから。手に入らなくなってから後悔するのはツラいよ。
編集部●そういう時代ですよね。
竹岡●わたしも頑張るので、皆さんも、欲しいものは頑張って手に入れましょう!


初代をオマージュしたインテリアデザイン
 初代カマロのイメージを現代風にアレンジしたというコックピットデザイン。中央液晶モニターはスマホとも連携するため使い勝手に優れる。左ハンドル仕様のみ輸入されていることは、人によってはハードルかもしれない。


車外から見て想像するより車内での居心地はずっといい
 ボディサイズが先代モデルよりもコンパクトになったとはいえ、全長4.8mあるため室内空間にはゆとりがある。2+2のシートレイアウトで4人乗り。日常的にはドアの大きさが乗り降りに影響するが、そこは我慢のしどころ。


想像した以上に使いやすいラゲッジルーム
 ラゲッジルームの容量は257L。数字的には少なく感じるが、形状がスクエアで高さもあるため、大きめのスーツケースも収納できる。また、リアシートを倒すと、さらに長尺物を収納でき、実用性は十分備わっている。


高効率なパワートレインが切れ味のいい走りを実現
 カマロ初の2L直4ターボは、キャデラック車などで定評のあるユニットで、最高出力も275馬力と十分。トランスミッションは直4モデルが8速ATで、V8モデルが8速(~2018年モデル)または10速AT(2019年モデル~)。


試乗判定レビュー

※各項目に対して10点満点評価。 ※ナンバープレートは、はめ込み合成です。

竹岡 圭

ポジショニング[10点]
 4シーターのクーペもカブリオレもラインアップされているスポーツモデルは、もはや絶滅危惧種。非常に貴重な存在です。元来の立ち位置が、若者も乗れるスポーツカーなので、ブランド力も雰囲気も満点ながら気負わずに、カジュアルにもオシャレにも使えるのも魅力のひとつ。直4モデルの登場で、より気軽に付き合えるようになりました。


装備[9点]
 ひと昔前までは安っぽいなんて揶揄されたインテリアも、ずいぶんと質感が上がりまして、満足度はグッと向上しました。個人的には、エアコンの吹き出し口の外側リングが温度調整を兼ねていたりと、ユニークさと利便性を兼ね備えているところにちょっと感動したりして。独特の使いにくさもなくなり、日本車や欧州車に乗ってきた方もすぐ慣れます。


走り[10点]
 アメリカンスポーツのなかでは、以前から付き合いやすかったカマロですが、4気筒モデルは特に乗りやすさがクローズアップされてます。V8のトルクを生かしドロドロと転がす雰囲気も味わいはあるものの、こちらは毎日の通勤からゆったりとしたクルージングまで、幅広く使いやすいのが美点。トルクの味付けは同様なので、扱いやすさは文句ナシ!


グーワールド 編集部

ポジショニング[10点]
 カマロはアメリカンカルチャーのアイコンにもなっている有名なモデル。そういう特別なクルマを手に入れて人生のある時期を過ごすというのは、特別な体験をもたらしてくれるはず。単に優れた4シーターのスポーツカーとしてだけではなく、ライフスタイルを表現するアイテムとしてもオススメです。問題は中古車の流通台数が少ないこと。


装備[9点]
 日本仕様の直4モデルは「LT RS」というネーミングが示すように、本国ではオプションとなるRSパッケージなどを標準で備えた「フル装備」状態。なので、ベーシックな直4を選んだとしても、物足りなくなることはないでしょう。安全装備については、レーンチェンジアラートは標準。ただし、自動ブレーキやACCが備わらないのは残念なところ。


走り[10点]
 驚いたのが走りの実力が本当に高いところ。2Lという排気量を感じさせないパワートレインの味付けは見事で、日常シーンからスポーティな走りまで、乗り心地を含めてまるで不満を感じませんでした。一方で、走行モードを切り替えた際にはカマロに期待するワイルドな排気音の演出に胸が騒ぎます。V8も魅力的ですが、直4でも十分!


[CHEVROLET CAMARO SS]伝統のV8エンジンを搭載するトップグレード

V8という響きや最高出力から豪快な走りをイメージするが、リアルタイム可変ダンパー「マグネティックライド」などの恩恵で、ゆったり走らせても非常に気持ちいい。
 最高出力453馬力の6.2LV8を搭載する「SS」。エンジンだけでなく、ボンネットフードやサスペンション、ブレーキシステムも専用品で、LSDやオイルクーラーなど走りのために惜しげもなく装備が追加されている。

シボレー カマロのカタログ情報を見る

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