TOYOTA GAZOO Racingは1月14日、『東京オートサロン2022』開催に合わせて行なったオンラインでのプレスカンファレンスにおいて、レース専用コンセプトカー『GR GT3コンセプト』を発表。合わせて幕張メッセ現地では実車展示を行った。
サプライズ的にアンベールされた今回の車両はシルエットとGT3という以外、ほとんど事前情報はなく、実際に発表された車両はトヨタのどの市販車にも似ていないフォルムを持つ。
レクサスの次期型GT3は最速で2024年登場か。開発に向け、日本からアメリカに“協力要請”も/IMSA
豊田章男トヨタ自動車社長とともに対談形式でビデオカンファレンスに登場した佐藤恒治GAZOO Racing Companyプレジデントによれば、「GT3に本格的に向き合いたい」とのことで、『コンセプト』という名称がついているものの、(FIA GT3の)レギュレーションなどを参照にしながら、実際の車両開発がすでに始められているという。
リリースによれば、「TGRは、モータースポーツ業界をサステナブルにしていくために、カスタマーモータースポーツ活動の取り組みをさらに加速させます。ドライバーファーストのクルマづくりを推進し、カスタマーモータースポーツの最高峰であるGT3のお客様に選んでいただけるような魅力的なクルマをご提供したいという思いで「GR GT3 Concept」を発表しました」という。
佐藤プレジデントによれば、この車両開発に際しては「モリゾウさんからは『勝てるクルマを作れ』。以上、ですよ」という経緯で開発がスタートしたといい、「(2022)年末には試作車ができる」という。
FIA GT3規定の車両は、世界のさまざまなレースでの活躍が見込まれる。
2023年限りでLMGTE規定での戦いが終了、GT3をベースとする車両での争いに移るWEC世界耐久選手権のGTカテゴリー、北米のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権、SROが世界じゅうで展開するGTワールドチャレンジの各シリーズ、DTMドイツツーリングカー選手権など、GT3車両の活躍する場は多い。
トヨタ/レクサスがこれまで開発したGT3規格のマシンには、レクサスRC F GT3がある。RC F GT3は2015年からスーパーGT・GT300クラスに投入され、現在ではIMSAのGTDクラスなどでも活躍中だ。
その北米IMSAでの活動を取り仕切るTRD-USAの社長兼ゼネラル・マネージャー、デイビッド・ウィルソンは2021年7月、トヨタ/レクサスの次期GT3車両には「ゼロから作り上げられた」ベースモデルを待ち望んでおり、ベース車両の開発に参加することを日本側から求められている旨を明らかにしていた。
果たして『GR GT3コンセプト』は、トヨタがGT3の世界で大きな成功を収めるためのキーとなる車両になるのか。この先の展開を見守りたい。
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